小池栄子が言うのなら。ホンダフリードCM
このCMは、だいぶ前から何種類か流れている。
車を実際に俳優に運転させて感想を言わせ、東京都 ○○歳、と一般の人のようなキャプションを添える。初めて見た時はキャッチーな音楽と相まって、この手法は新しいし面白いと思った。いろいろあって俳優も替わり、小池栄子が出ているバージョンでは、「なんか、広い」と言いながら彼女自身が運転している。
他にも俳優が出て感想を言っているのだが、この「なんか、広い」が妙に刺さった。
なぜか。
あくまで私見だが、小池栄子は嘘をついたり、忖度しないだろう。
そして、もう一つの要因は「なんか」だ。
なんか、という言葉自体には大した意味はなく、強いて言えば「理由はよくわからないけど」というニュアンスを含む、くらいだろうか。
ただこの言葉には、次に来る言葉を強める働きがある。
例えば
なんかおいしい。→(はっきりした理由はわからないが)(思ってたより)だいぶおいしい。
なんか面白くない。→(よくわからないけど)(考えてたより)あんまり面白くない。
なんか、の次にポジティブな言葉が来ても、ネガティブな言葉が来ても、もともとの意味を強める、と私は思う。普通の「おいしい」より、「なんかおいしい」方がおいしさ度合いは大きい気がするし、ただの「面白くない」より「なんか面白くない」方がもっとつまらない気がしてしまう。
だから。
小池栄子が「なんか、広い」というのなら、そうなんだ、と納得してしまう。
新しい車がどれくらい大きくなったのか、具体的に教えてもらってないのに、だ。
言葉の持つ魔力と彼女自身のまっすぐさ。この相乗効果で、フリードが「結構広い」というメッセージは確実に届きましたよ、私に。
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