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リキュール系4種(パルフェタムール、フランボワーズ、ブルーキュラソー、アマレット)

免許合宿で今日から二週間ほどお酒を飲めないので飲み納めをしてきました

リキュール系4種

◇凍傷(ムーンウォークオリジナル? パルフェタムール×ブルーキュラソー×トニックウォーター)
 凍傷は、何より色が美しい。ブルーのグラデーションに透きとおったプラスチックの黄色いマドラーが真っ直ぐ突き刺さっている様は、満月の月影が映り込んだ冬の日の海を思い起こさせる。だから「凍傷」という名前なのだろうか?しかし、いざ飲むという時に上から覗き込んでみるとそこはプールの世界に早変わりする。
 いくら海に似せてみても、グラスの中では深度が足りない。横から眺めてみれば深海を思わせるカクテル「凍傷」はいざ口をつける瞬間になって唐突にチープさを纏い、どこか懐かしくさえ思われる。
 味は、ブルーキュラソーリキュールの甘みとトニックの渋みが合わさった単純なもの。パルフェタムールリキュールはニオイスミレやバラ、バニラなどで香りづけされているというが(Wikipedia情報)、よくわからなかった。そういえば駄菓子のピンクや黄緑、ブルーをした棒状のゼリーみたいなやつ、あれもゼリーの甘さにプラスチックの香りが少し混ざって甘苦く感じる。
 200円で1カクテル頼めるこの店でもちゃんとグラスの氷は面取りされて丸い角をしていた。とはいえ角を取っただけで真ん丸に加工されてたりはしない。バラバラの造形をした氷たちは不器用にカクテルの中で溶解して形を変えていく。それぞれバラバラながらも角を持たない冷たい氷たちを見つめながら、真冬だから、なんて安直な理由で「凍傷」を頼んだくせに、なぜか私は在りもしなかったチープな夏の思い出を思い浮かべた。

◇花魁(フランボワーズ×カカオ×カルピス×ジンジャー)
 フランボワーズリキュール、苦手かも…………。
 例えば箱根とかにあるちょっと良いホテルの人のいないお土産コーナーに、木苺のジャムを使用したココアクッキーなどが試食で置いてあるとする。大抵添加物なんか使わずにちょっと良いジャムがちゃんと使われているが、それゆえに自然が強く香る慣れない匂いを孕んでいたりする。雨上がりの土の臭いの強烈さに噎せそうになるような気持ち。そうした「強く香る慣れない臭い」を人工的に余計強烈にしたような香りがする、気がする、フランボワーズリキュールは。あと何の作用か、甘味料が鼻に残る、気がする。
 全然話変わりますけど、パックのご飯(サ◯ウのごはんとか)って私的にはもの凄く不味い。もう、白いプラスチックの分子が一粒一粒のご飯粒に乗り移ってしまっているんじゃないかと思うくらい不味い。初めて食べた時なんて、「これは食玩を間違って口にしちゃったんじゃないか!?」って本気で疑っちゃったくらいマズい。
 しかし、パックご飯を消費しなければならない必要に迫られて(その時諸事情でやたら在庫があったのだ。まだある)無理やり口にするうちに、あれ、美味しい……? とは思わないまでも最初のような強烈な不快感を抱かなくなっていた。

 何が言いたいかって、白いお米最高!!!!!(ちゃんと最後まで飲みました。)
  

◇歌姫(アマレット×オレンジジュース×ミルク)
 アマレットが使われていることを意識して飲むのが初めてなのでこれがアマレットの香りだと断言できないのだけれど、とても美味しい。ココナツのような香りがする。でもその香りが濃すぎず、むしろ絶妙に薄く物足りなくさえある。
 ココナツの香りがすぐに消えてしまうと、入れ違いにオレンジジュースの爽やかな突風が吹き抜ける。それがとても心地よくて、でもこれもすぐに消えてしまう。香りってすごく儚い。
 だから、その物足りなさを掻き立てるようなカクテルの調子に乗せられて思わずもう一口、もう一口と飲んでいるうちにロック・グラスはすっかり空になってしまった。

◇甘噛みベイビー(アマレット×カカオ×ミルク)
 花魁にカカオ、歌姫にアマレットが使われていたからその二つともが使用されているこれを比較のために頼んだ。
 これでわかった。アマレットリキュール超美味しい!
 歌姫のようにアマレットとオレンジジュースを合わせると、恐らくオレンジの酸味が作用してココナツのような香りになるようだ。一方このカクテルのようにカカオと合わせると、アマレットはまるで紅茶のような香りに変化する。アールグレイっぽい。
 そして、私にとって花魁が駄目だったのはカカオリキュールとフランボワーズリキュールの組み合わせが鬼門だったからって可能性が高そうだ。だって、これを飲む限りカカオの香りは嫌いじゃないのだから。香ばしくて……でも、それがフランボワーズと合わさるとどうもクセが強くて好きに慣れないようだ。
 同じアマレットがベースになっている歌姫とこれ。比べてみると、こちらの方が程よく甘く、アールグレイのように気品のある香り高さで、まろやかで量も多く感じて好き。ただ一つだけ、ここまで読んでもう気づいている人もいるかもしれないが、このカクテルの名付け親のセンスだけはどう頑張っても好きになれなさそうだ。冗談でつけたならいいけど本気でこれが最良の素敵で無敵なネーミングだと思ったのだろうか? 長いし! 文章が不自然になってもいい、頑として文中に書かないぞ!という固い決意のもと、全部「これ」とか「このカクテル」って記しました。

<おまけ>
凍傷 カクテル で検索すると、カクテルに液体窒素を入れて飲んで胃を全摘出した女の子の話とか人間の指入りカクテルの話とかが出てきて面白かった

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