雨と紅葉、そして美しい朝
紅葉の季節にキャンプをしたい。
今までの仕事人生を辿ると、秋は仕事の繁忙期で余裕がほとんど無かった。撮影仕事で紅葉と一緒に写真を撮ることが多かったけど、なかなか休みが取れなくて紅葉の時期にキャンプをすることがほとんどなかった。
一昨年、やっと紅葉キャンプができると意気込んで車を走らせたものの、キャンプ地が寒冷地すぎて落葉で落胆。
落葉で落胆。
韻を踏んでる場合じゃない。
さて、そんなテンションで迎えた秋キャンプ1年生は大雨でスタート。
車のガラスに流れる雨水が
不可思議な光景を作った。
運転席からぼーっと眺める紅葉と雨の音が
妙に心地良かった。
長年の夢だった紅葉キャンプに
天気は関係なかった。
4×4mのタープを張って
雨を凌ぐことに。
ジッとしても寒いだけだから、少し場内を散歩することにした。
雨と湿度が紅葉のコントラストを際立たせて
妖艶な雰囲気をまとっていた。
晴れていることが正義、逆光が正義、夕陽が正義と言うけども、雨と湿度の世界も大正解だ。
カメラのポテンシャルは悪条件で試されていると感じている。良い条件ほどカメラ性能に差は出ないのだが、悪条件ほど顕著に現れるものだ。
ノイズ、ダイナミックレンジ、解像感
ここは確実に、価格に比例している。
管理棟の赤いディフェンダーが紅葉まみれ。
赤い車に、赤い葉が落ちるのは
なかなか良い景色。
自然、雨粒は無限のアートだ。
風で揺らぐ木々、雨粒が調和する瞬間にシャッターを切る。
切る。
切る。
シャッターを切るたびに表情を変え、なかなかベストショットまで辿り着かない。それがまた面白いのだけども。
夜を迎えても、雨は勢いを増すばかり。
さぁ、楽しくなってきたぞ。
タープの高さに注意して
焚き火で暖をとることにした。
夕飯は定番のレトルト隊だ。
じっくり湯煎しながらジンを1本空けて、食事を終えたらウィスキーを1本空ける。聞こえるのは、雨音と焚き火の音。
完全に呑み過ぎてひとりベロベロになっている。
しかもヘリノックスの椅子を忘れた。
ぐしょぐしょの地面に
寝る時のマットを敷いてみたけど
浸水しない、ちょっと暖かい、寝転べる…
うむ…悪くない。
適当すぎるソロキャンプ
最高だ。
お酒のせいだろうか。
眠気に襲われ、意識が段々と遠のく。
そうだ、テント立てていない…
忘れていた…あぁ…面倒くさい…
周辺は真っ暗だから、ヘッドライトを頼りに頑張ってテントを設営する訳だけど、お酒でベロベロの状態でテントを設営するのはお勧めしない。
手元のゆるさが原因で
テントポールが暴れてヌンチャク化。
ひとりブルース・リー劇場。
朝を迎えた。
美しい朝だ。
前日の雨粒がキラキラしている。
綺麗を通り越して、もはや愛情しかない。
自然はアートだ(2回目)
前日の雨で濡れたタープを畳んで、自分のキャンプ道具を撮る。スタイルに合わせて選定したキャンプ道具には愛着があって、そんな道具たちと一緒に秋キャンプができるなんて、それはもう幸せの極みでしかない。ここだけ聞くと寂しい人みたいな印象だけど、そんな事ない。
少し道具の話をしてみる。
キャンプ道具を平たく言えば、ただの道具にしか過ぎない。だけど、その一つひとつにはシーンに合わせた機能が備わっていて、自然との過ごし方や季節、人数、自分自身のスタイルに合わせた道具選びからキャンプは始まっているのだ。
その思考が価値観になり、その価値観が似たもの同士が出会い、友人になっていく。なんて素敵な趣味なのだろう、と常に思う。
さて、そんな友人がキャンプ場にやってきた。
グダグダと話をして
写真を撮って
ご飯食べてまた今度。
晴れて良かった秋のキャンプ。
最後に拝むことができた富士山。
ただ流れゆく時間と雲の動きが
心を綺麗にする趣味のアウトドア。
最高の一言に尽きる。
また書きます。
Syuheiinoue
【今回のカメラ】
・SONY α9ii
・SONY SEL35F18G
・SONY SEL55F18Z
・SONY SEL85F18
・Tokyographer OPF550-L
・Tokyographer OPF650-L
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