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xicoイベントを体験して -もし、よかったら-

もしよかったら。

ちょっとそんな気持ちで書く文章なので、かなり個人的な解釈だらけです。ポリシーに反する、嫌な気持ちになったなぁと感じた方はそっと画面を閉じてあげてください。


こんにちは。

フォトグラファーのSyu( @syuheiinoue )です。
ヒーコトークイベントではとても素敵な時間を過ごさせて頂き、本当に良き経験になりました。20代前半から競争社会、実力社会のフリーで活動してきた僕にとって、副業写真家として働く方や純粋に写真が好きな方、新しい価値観をお持ちの方々との出会う事ができて、とても感動しました。
あぁ、純粋に楽しむってこうだよね、と。

ということで、そんな出会いに"恩返し"というとおこがましいですが、第一部でお話されていた「写真と仕事」について、フォトグラファー歴そろそろ10年を迎える私が個人的な考察を書き綴ってみようと思います。とはいえ、ほとんどが自分語りなのでイベント内容を知りたい方は"ぽんずさん"のnoteに足を運んでみてください。

いくら名の知れた方でも、撮影者としての収入だけでご飯を食べて行く事ってハードル高い…と考える方がたくさんいらっしゃるんだなぁと感じました。確かに自分の感性だけで生きていくって相当難しそうに捉えられるのも理解できますし、脱サラして不安定な世界に飛び込んで行くことが怖いと思う方の気持ちを重々理解できます。

でも実際のところ、フォトグラファーになる事ってそんなに難しくないので【 もし、よかったら 】僕の人生を振り返りながら、写真家業だけで生き残って行く為に必要なことをお話するので何となく参考にして頂けたら嬉しいです。(お前誰だよ…と思う方もいらっしゃると思いますが、ほんと誰でしょうかね笑)

"と、いうことで少しだけ自己紹介…"

フォトグラファー独立したのは23歳のとき。
普通学科の大学を卒業してすぐにアシスタントとして2年ほど働きました。深掘りすると話が長くなるので、簡潔にまとめます。

・できれば10-18時で仕事が終わるスタジオを探していた
・業務時間以外、独立に向け勉強や作品撮りができるスタジオが良かった
・結局多忙になり、毎日睡眠時間が3時間もなかった
・仕事で師匠にキレられる。干されかける。
・独立宣言した瞬間、社長に「お前にやる仕事は無い」と本当に干される。

まぁ、こんな感じです(笑)
後先考えずにスタートしたフォトグラファー生活。そのときの経緯はnoteでお話したことがあるので、読んでみてください。割とクズです(笑)

それでようやく結婚もでき、割と毎月の収入も安定しはじめ、明日干されるかもしれないとビクビクしながら、なんとか今日( こんにち )に至る訳ですが、何の知識と経験も無かった私が、こうやって写真家業でご飯を食べることができるのは…
感無量…だと自分で自分を褒めてあげたい気分になってきました。

"ただ、あまりにも遠回りをしすぎた"

ので、前置きが長くなってしまいましたが、写真稼業だけでご飯を食べて行く為の方法といいますか、若輩者ながらアドバイスをお話させてください。(すいません、こんなペースで書きます)

まず一番大事なのは、仕事と人生、写真のベクトルを揃えること。

よく自分のやりたい事、撮りたいものとマーケットのニーズが合わない…と嘆きの声を聞きます。俺のいる場所はここじゃない…もっと上を目指して…写真とは〜…みたいな感じで。
でもそれって、自分の実力不足を環境のせいにして愚痴を言ってるだけだなぁって思うんです。本当に輝いている方は、自分の居場所、自分の仕事、自分の写真全てに誇りを持っていて、常に学び、常に新しい表現にトライし、常に前を向いています。彼らの存在自体が価値となり、撮る写真すべてに意味、魅力を持つようになってきます。つまり、写真=人生という縮図に変化。
写真を通じて世の中に何を伝えたいのか、何者でありたいのか、撮ることと伝わることの違いとは…そんなことを考えて突き詰めていくと、"人生の在り方"に辿り着き、クライアントはそういった"特別感のある人"に新しい何かを期待して仕事の依頼をします。作家性を出すのではなくて、クライアントが作家性に合わせてくれるような、本当の意味で”ブランディング”が大切な要素になってくるのだと感じます。
僕は、この考え方をウェディングから学びました。
なぜなら誰かの人生に触れるという経験はとてもスペシャルな事で、誰かの価値観を自分ごとのように捉えることで圧倒的な擬似的な経験を得ることができるからです。写真は人生経験こそ全てと言われる世界だからこそ、学びの多い現場に多く立たせて頂けたのは本当にありがたい事です。

"どんな人生も肯定する事、それはつまり商業写真にも繋がると言う事"

僕たちの仕事はクライアントのオーダーに対して納得のいく写真を撮る事です。ですが、中にはやりたくない仕事もたくさんあると思います。( そんな事ないって言わないでください )
僕は4~5年前まで、企業撮影やメディア取材、セミナー等のイベント撮影が本当に嫌いでした。ウェディングの世界では見た事無いようなビジネスライクな空気感、一定の距離を測る感じ、被写体映えしないオジサマ、取り敢えずスイカやロクロを回してる風に撮ってればいいんでしょ感、そして何より"低価格"設定の報酬。
本当に嫌いでした(笑)でも仕事をしないと新しい機材も買えないし、また母に借金する…という自立できない現状をどうにか打破する為に散々自問自答してきました。そして辿り着いた答えはただ一つ。

"あなたは取材を受けるほど、登壇できるほど価値を持ったスペシャルな人間だ。あなたの苦悩を知ることはできないけど、素晴らしい人生に乾杯!
…カッシャー"

半分冗談、半分本気で書きましたが、キチンと撮り始めた企業関連の撮影。
被写体の人生をキチンと肯定し始めてから撮影報酬が2〜3倍増加、案件数もうなぎのぼり、全部受けきれない時が増えてきたから3~4人体制にしようかな…といった感じです。

"報酬金額は、あなたの価値を表したもの"

先ほどは企業案件をベースにお話させて頂きましたが、ものづくりって写真が全てではありません。
(そんな当たり前のことに気づくまで割と時間がかかりました。)
例えば、一つの結婚式を作り上げるまでに関わっている人と人件費を考えてみましょう。カウンセリングするプランナーがいて、ドレスを作る人、売る人、ヘアメイクする人、化粧品そのものを作っている人、お花を育てる人、持ってくる人、配膳してくれる人、結婚式会場を作った人、全てのはじまりを企画した人、何なら彼らを育てた多くの人がいてはじめて、一つの結婚式が生まれるのです。ここまできたら、どれだけ人件費がかかっているか想像できそうでできませんよね?(笑)

つまり写真を撮るという行為までには多くの人の努力と時間、予算がかけられている訳で、それらを生かすも殺すも"フォトグラファー次第"という事になります。クライアントが「結婚する人」である結婚写真の分野で撮るカットに優先順位をつけるとしたら、

新郎新婦を含む家族や友人など、総括して人 > ウェディングドレス等の衣装(特別な装い) > 結婚式場のハード面( 装飾含 ) 

だと感じています。
※必ずしもそうではなく、あくまで経験と統計的に。

なので、その場しのぎで自分のカラーが…世界観が…と言っている場合ではありません(笑)
とはいえ、やはり自分が撮る写真には納得したいのも事実ですよね。
(自分が撮りたい写真は前撮りで撮ればいいという意見は無しで…)

"結局、自分の撮りたい写真でご飯を食べていく為に必要なことは?"

何だか話が "ふりだし" に戻ってしまいました(笑)
ですが答えはとてもシンプルで、自分を100%信頼してくれるクライアントと出会う事なのですが、大切なのはそれまでの過程です。
これもまたウェディングから学んだ事ですが、例えば結婚式の写真を撮ってもらうなら『今日初めまして の フォトグラファー』よりも『写真が死ぬほど好きな親友』の方が嬉しいですよね。自分の事を誰よりも知っている理解者に人生の大切な日を撮ってもらう方が生涯大切にすると思います。更に言えば、**その友人が撮ってくれる写真なら割と何でも嬉しい **という概念に価値を感じてくれる事が、撮りたい写真でご飯を食べることに直結するんじゃないかなって。結局はそういうことだと思うんです。大切なのはそういった関係性の構築ですし、その関係性に辿り着くまでの過程があるから、人は価値を感じてお金という対価を支払ってくれるのです。これは商売とブランド作りの基本だと投資家の村上世彰さんの本に教えてもらいました。

そして何よりフォロワー数が世間的な評価だと思われがちですが、実はそうじゃない。誰よりも写真や自己表現に向き合った結果がフォロワーに直結しているだけでしかなく、多くはフォロワーの増やし方や成功例、ビジネスモデルを追求しがちだけど実は世の中にhowtoなんて存在せず、人には見せない努力と写真に投資した時間だけが結果を生むものだと感じています。

今回のxicoトークイベントでは、SNSの成長と共に活躍してきた方々のお話を聞くことができて本当に勉強になりました。SNSはあくまでプラットフォーム(手段)の一つでしか無く、SNSを通じて有名になったフォトグラファーが、仮にSNSを活用していなくてもきっと素晴らしいフォトグラファーライフを歩んでいたと確信できるほど情熱を持っていると感じたからです。実際にお会いすることで、本質はiPhoneの画面に止まらないと痛感。

写真と語りが大好きでたまらない、割と不器用な私がこれまでの人生で体験した事を振り返りたくなったトークイベントでしたので、こうやって書き綴らせて頂きました。

「もしよかったら」

フォトグラファーだけでご飯を食べて生きたい方は参考にして頂ければ幸いです。

トップの写真は、濱田さんがチェキで撮ってくれた最高の3枚です。
ありがとうございます!そして4000文字読んで頂きありがとうございます!
この3枚並びの写真を撮ってくれたのは 友人のもちこ

"全ての人生が美しく生きれるよう、応援しています!"

それではまた。

Syuheiinoue

今後の活動やプロジェクトに活用させて頂きます。ありがとうございます!