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AIRES 35Ⅰ(1954年~)

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アイレス写真機製作所の35mmフィルムカメラ

このカメラ。「アイレス・サンジューゴ・イチ」といいます。私の実家の押し入れでずっと眠っていました。じつのところ、このカメラを誰がいつ買ったかもわからないのですが、ともかくも、私が小さいときに家のどこかで見かけた記憶はありました。

「AIRES 35Ⅰ」は今から60年以上前の1954年5~6月に「アイレス写真機製造所」が発売したカメラとのことですが、この話も私が昔から知っていたわけではなくインターネットからの情報です。私がこのカメラを使いだしたのは一昨年からです。

実際、記憶の片隅にこのカメラのことを覚えていた程度だったのですが、娘が高校で写真部に入り本格的に写真をやりはじめたため、ふと、このカメラの存在を思い出し、実家の押し入れから探し出したわけです。


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私は数年前から白黒フィルムでの撮影もちょくちょくするようになっていますが、使っているカメラはEOS-1やEOS Kiss5(Kiss5は娘が使っています)ということもあり、たまにはレトロ的なモノを。と思って、なんだかんだでこのAIRES 35Ⅰで年に4本ほど・・・1つの季節に1本の36枚フィルム、といった感じで撮影しています。フィルムは期限切れの白黒フィルムを使うことが多いです。


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普段(EOS-1やEOS Kiss5)はトライX400(ネオパン100は手元の在庫を使い切ってしまいました)を使うことが多いので、最初の頃はこのカメラにもTX400を入れていたのですが・・・ 仕上がりをみると「期限切れの古いフィルムでいいか」と思うようになっていました。。


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このカメラ、いわゆるレンジファインダーカメラに分類されるかと思いますが、お気づきかと思いますが、測長のない「目測式」(カメラの機能では距離が分らないため、自分で距離を測る)のため、目分量で距離を測るか、あるいはレーザー測長機を使っています。


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当たり前ですが操作方法は今のカメラのようにはいかず、フィルムを巻いてシャッターを押すのにも少々神経を使います。


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とはいえ、そもそもこのカメラでキレッキレな高画質写真を撮るわけではないので、ピントが甘かったり、周辺減光が強いとか、そういうことは気にならない、というか、気にしてもしょうがないですね。


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「どんなふうに撮れているか分らないってのは、怖いね」

デジカメに慣れていると、フィルムカメラのシャッターを押すのに少し勇気がいる。と娘が言います。同じフィルムカメラといえどフルオートで撮影のできるEOS Kiss5とはなにからなにまで勝手が違うようです。

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でも、不思議なもので、手に持った姿は、それほど悪くないですね。


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我が家はエプソンのフラットスキャナGT-X900とエレコムのフィルムスキャナの2台体制でフィルムのスキャニングをしているんですが、このカメラの場合、気軽にさくさくスキャニングのできるエレコムを使うことが多いです。


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賞味期限が大幅に切れた白黒フィルムですが、まあ、それなりに写ります。


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トライX400で撮影。今も新品が買えるのは大変ありがたいです。


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3枚で構成されるレンズは45mmで絞り解放F3.5。半世紀ぶりに使いだす前にレンズ周りをバラしましたが、思いのほかカビや汚れがなく・・いえ、あるにはあったのですが、エタノールで簡単に落ちてくれました。


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古いカメラにつきもののメカニカルトラブルについては、このカメラの場合、保管が良かった(押し入れに入れっぱなしですが)のでしょうか、それとも機構が単純だからでしょうか、別段どこも問題なく使えてます。

このカメラの場合、同年10月に距離計がファインダーに内臓された「アイレス35Ⅱ」が発売されたこともあり、アイレス35Ⅰはあまり数が出回らなかったようですが、とはいえ骨董品的なコレクション価値は全然ありませんので、この先も使い倒していくかと思います。


古いカメラの話でした。