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なぜ賞味期限は短く設定されているのか?

「賞味期限が切れたらすぐに捨てる」という人多いですよね。

実際、農林水産省「平成21年度食品ロス統計調査(世帯調査)」によると2人に1人が食品を使用せず捨てる理由に食品の賞味期限・消費期限が過ぎたためと回答しています。

しかし、賞味期限は過ぎても食べられるものが多いのが実際のところです。

なので、今回は「なぜ賞味期限は短く設定されているのか?」解説します。

賞味期限と消費期限は全く違う

賞味期限と消費期限は全く別物です。

絶対に気を付けるべきものは消費期限です。消費期限とは日持ちしない食品に表示されており、食べても大丈夫な期限のことです。

そのため、消費期限を過ぎると急激に品質が落ち、食べると食中毒を起こす可能性があります。

具体的には次のような食品が消費期限で記載されていることが多いです

・弁当
・総菜
・パン

一方、賞味期限は比較的日持ちする食品に表示され、未開封状態で保存した場合、おいしく食べられる期限のことです。そのため、賞味期限は過ぎても食べられることが多いです。

実際、食品表示法によると「食べられるかどうかは消費者個人で判断する必要がある」とゆだねられています。

・スナック菓子
・カップラーメン
・缶詰

これらの商品は長持ちして賞味期限で記載されていることが多いです。

賞味期限は短く設定されている

実は、賞味期限は実際に美味しく食べれる期限よりも2割ほど短く設定されているのがほとんどです。

これは、製造時点では出荷後にどのような管理がされているのかが分からないためです。

・トラックで運んでいる時の温度
・スーパーやコンビニの棚に置かれるときの保存方法

これらの保存方法は製造メーカーで管理できません。客が買ってから食べるまでの保管状況も考えるとキリがありませんよね。

そのため、「どんな保存をしてもこの期限までなら安全に食べられるだろう」という考えから、短めに設定されているのです。

そのため、賞味期限はあくまで目安と考えれば大丈夫です。

卵の賞味期限

短く賞味期限が設定されているものに卵があります。

日本の卵の賞味期限は「夏場に生で食べる」前提で考えられており、採卵日から1週間以内にパックし、パック後2週間に賞味期限を設定します。

夏場の保存を前提としているため気温が低い冬場であれば産卵日からおよそ2カ月近くは生で食べることができます。

また、夏でも加熱して食べるのであれば、賞味期限を過ぎても食べることができます。

さらに、卵は寝かしたほうがおいしいということがフランスで知られています。

採卵日から10日ほど経った卵は二酸化炭素が抜けて気泡が抜けるためです。この卵で目玉焼きやゆで卵を作ると滑らかな食感が楽しめます。

このように卵は賞味期限が切れても、まだ食べられることが多いのです。

賞味期限が切れても食べないほうがいい人

賞味期限が切れても食べれるとは言うものの子供や高齢者は避けるのが無難です。免疫力が低下しているため、もし食中毒に当たれば大惨事になります。

たとえば、ある食中毒による事故では180人以上が嘔吐や下痢の症状を訴え5名が亡くなりました。その亡くなった人のほとんどが免疫力の低い子供や高齢者だったのです。

このように免疫力が低い人は賞味期限を過ぎたものは食べないほうがいいでしょう。

また、30代、40代であっても風邪や睡眠不足で疲れている人は食べ物の影響を受けやすいので避けることをお勧めします。

生ものは要注意

また、生ものには細菌やウイルス、寄生虫が生きている可能性が高いです。そのため、外食でも家庭でも生のものを食べる際は注意が必要です。

たとえば、2016年に行われた肉フェスでは鶏肉の生肉により157人が食中毒になりました。このような生肉にはカンピロバクター菌という細菌が発生することが多いです。

事実、2014年にカンピロバクターによる食中毒事件が306件発生し、患者数は1893人に上りました。これは食中毒全体の10%になります。

ですので生肉を食べるのではなく、加熱して細菌やウイルスを死滅することをお勧めします。

また、30~37℃が細菌が好む温度なので夏場の保存には注意が必要でしょう。

まとめ

この記事では、賞味期限のカラクリについて解説しました。

・賞味期限は多少過ぎてても食べれるが、消費期限は過ぎたら食べないほうがいい

・卵は夏場に生で食べることを想定しているので過ぎても冬場や加熱すれば食べれることが多い

・免疫力が低い子供や高齢者は賞味期限を過ぎたものや生ものを食べないのが無難

賞味期限が過ぎてもスグに捨てるのではなく、臭ったり手触りで確認してみましょう。

また、必要な分を買うのも大事です。買い物前に冷蔵庫を確認する人ほど、手を付けずに食べ物を捨てることが少ないのも分かっています。

出かける前は冷蔵庫の食材を確認して本当に必要なのかを見極めましょう。

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