24.QOL

 楽しいと感じたことはこれまでにもたくさんあった。
 ただ、それはどれも一時のことで、例えばゲームをしている時だったり、美味しいご飯を食べている時、休日を満喫できたと感じた時だったりする。

 そして、また変わり映えのない日常が待っていた。

 でも最近の私は少し変わってきた気がする。
 確かにゲームをするのは息抜きになるし今も大好きだ。でもずっとしていたいか、何かを犠牲にしながらしたいかと言われると違う。
 あくまでも頑張った自分へのご褒美として、価値がある行為になった。

――暇な時間から目的を持った時間へ。

 暇を潰そうとすると満足に際限はないが、目的を持つと目的が達成されればそれは満足感に繋がる。

 変わったことは目標だ。
 私はIT戦士を目指している。漠然とした目標であるし、人から見たらそれは「社畜だ」と笑われてしまうかもしれない。

 でも自分にとっては大切な目標だ。
 それが今の自分にとってカッコいいと思えたことであるし、もちろんこの先に変わってくるかもしれない。ただ、私がカッコいいと思う目標なのは変わらないだろう。

「岡田先生、テストが無事に通りました!」

 こう報告するたびに、自然と笑顔がついてくるようになった。

「崎山さん、まだ全くITで働ける自信はありません」

 キャリアカウンセラーにそう報告しても、どうすれば目標に近付けるのかの相談に繋がった。全てが意味のあることだと今なら思える。

『どうなりたいか、何をしたいか』
 決めるのは自分だが、相談はこれからもたくさんしていく人生になるだろう。
 一人で悩んで決めることだけが一人前ではない。

 そう思っている。

「堂城くん、これ動きはするけど仕様と違うよ」
「あっ……」

 そんな日々である。

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登場人物
IT戦士を目指す人 堂城一斗(たかぎ かずと)
アカデミー事業部臨時講師 岡田啓介(おかだ けいすけ)
キャリアカウンセラー 崎山(ざきやま)
※この話は完全なフィクションです。
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