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[聲の形]硝子が将也に惹かれる理由がわからない 人向け信者の解説


Q なんで硝子が将也に恋愛感情を抱くのかわけわからん。

1,筆談ノート

鍵は筆談ノートなんですが、公式ファンブック開くまで
硝子にとってそれが、本当にどれほどに、どれだけ大事なものだったのか、信者が思っていたのとは数倍、数百倍も彼女にとって大事なものだった
その大事さの量が伝わらないことすらディスコミュニケーションというテーマに含まれていたことを知って信者は咽び泣きました

物語が将也視点で進むため読者が見逃しやすい点がいくつかあるのでそこを補足します

学級裁判の後、池に落とされた将也は筆談ノートを池で拾います
この筆談ノートは彼女にとって望みであり、彼女が描こうと足掻いた未来の象徴でした。
でもその未来の象徴には愚痴と、叱咤と、彼女への加害が書かれる回数が増え、彼女の「ごめんなさい」が延々と延々と何個も何個も何個も何個も何個も何個も何個も何個も何個も何個も何個も何個も何個も並ぶことになっていきます。

その最終局面、彼女は将也に「ごめんなさい」と書いたノートを見せましたが将也に取り上げられました
だから硝子は態度で気持ちを表そうと、手話だけでなく、将也の手を握ります。


「友達」とは資格が必要なのかい?

永束君がファーストフードでポテトでかっこつけながら「手を握れば友達だろ」と将也に答えるのは
小学校で硝子がやったことを踏襲しています、病院から抜け出した橋の上でも踏襲されていますし、これはどちらも劇場版で追加されたシーンです。言うのは野暮ですが手話の「友達」が手を繋ぐ仕草であることとも連携しています。
でもあの時の握手にはもう少し別の意味もあると信者は思っています
私達健聴者は友達という意味だけで手をつなぐわけではありませんね、硝子とてそんなことは知っているはずです。
我々はいつ握手をしますか? たとえば諍いがあった後の握手とはどんな意味ですか?過去に色々あったとしても、ここから先の将来につなげていきましょう、という意味で我々は諍いの後に握手をするのではないでしょうか
だから、筆談ノートを取り上げられ、健聴者である将也に伝わる方法として硝子が考えた「健聴者への伝わる行為」としての握手は

「今ここから新たな関係をはじめよう」という意味もあるのです。

でもその思いは小学生の将也には伝わりません、
彼女の「未来の象徴」は池に投げ込まれたのです。
彼女はそれでも諦めずに池に入りそれ一度拾い上げ
でも拾い上げたのに、再度、硝子は自らの手で池に再度投げ捨てました。

オリジナル版ではきちんと書かれていたシーンですが連載では削られたシーンですね(6巻まで描かれない)、硝子は一度拾い上げた未来への希望を、自らの手で池に沈め、びしょ濡れの体で家に帰り

そして家族に告げるたのです

「死にたい」と


筆談ノートについてもっと詳細を知りたい人はファンブックに作者インタビューがあるので以下略

2,硝子は優しいわけじゃない

作者は
「西宮は優しいからああしているわけでも、強いから、弱いから、といったわけでもないんです。彼女は、彼女なりにたくさん考えた結果、ああするしかない、というだけなんだと思います。」
とまんが千夜一夜で語っており「優しい」と他人である読者が型にはめようとすることに釘を刺しています。
ファンブックでも同じ趣旨の事を書いており、作者としては硝子を優しい女の子として書く気は無いし、そう書いていなかったようです。
また彼女の重要な一面として、硝子が何よりも嫌っている自分の属性(聴覚障害)が人を傷つけていることに憤りと贖罪、そして加害者としての自覚を持っている事が語られています。
これはイジメについても一番悪いのは自分の属性だと認識しているということであり、またそう考える一因は家族である八重子が硝子の聴覚障害をまったく受け入れていない事にもあります。


3、未来への希望を持ってきた将也

将也との取っ組み合いの後、しばらくしてから硝子は転校しますが、これはオリジナル版では竹内から勧められて転校していました、おそらく連載版や劇場版でも竹内からの強い勧めで転校へと至ったのでしょう。

彼女はろう学校に入ってそれからを過ごしていますが、ファンブックによればろう学校でも居辛さを感じており(馴染めなかった理由はファンブック読んで!!)
マンガ版では将也が「どうやら今は楽しくやっているらしい」と言っていますが、硝子が社交辞令に応えた程度の事から将也が勝手にそう変換しただけで(詳細は以下略)
家にいるときはぼーっとしているか本を読んでいるかだったと結弦も述懐しています、親しい友人の存在も伺えず生まれてからの12年で摩耗した精神を抱え中学校、高校と低飛行な人生を送っていたようです。


さて硝子にとって将也は少し特殊な健聴者です
いじめっ子だったという事ではありません、彼女にとっていじめっ子は将也以外にも沢山います、描かれていないだけで川井や植野以外にもたくさんいてクラスメイトと摩擦をおこしていますし、水門小より前の学校にも沢山います。

そうではなく、将也は
硝子のせいで彼の今までの関係を壊して孤立させてしまった、硝子がそう認識している健聴者であり
自分が未来への望みを諦めた最後のひと押しをした相手であり
一方的にやられるのではなく、自ら取っ組み合いをして殴り飛ばしたことのある健聴者であり
お愛想でもなく、同情でもなく、腫れ物でもなく、おもちゃ相手でもなく、西宮星人という異物相手でもなく、「人として嫌い」という感情を込めた声以外の声である瞳を自分にまっすぐに向けてきた「人間」です。


そんな相手が
ある日、何の前触れもなく捨てたはずのノートを手にして現れます。
そのノートは「未来への望み」の象徴で、けれども自らの手で捨て「死にたい」と思うほどに人生を諦めた彼女にとっての未来の象徴です。
将也はノートを「忘れ物」と言いました。
でも、そのノートで彼女が忘れたものとは「未来への希望」です

その、捨てた未来が自分を5年越しに追いかけてきました。

もちろん将也はそんなことまで知りません
硝子の母ですら、そこまで大事なものだった事には全く気がついていません。

だから将也が拾い上げてもってきた未来への希望を、母親はまたも(デラックスが補聴器を投げ捨てた)川に投げ捨てました。(劇場版では母の理解の無い投げ捨てはカットされてます)
しかし硝子は今度は川に飛び込んででもノートを拾い上げます、そこから、彼女の人生はまた時を刻み始めたのです。

刻み始めた時が不幸を生むかもしれないとは硝子自身も思ったでしょう
それはファンブックでも語られているように、彼女が自らが壊してしまったと思うモノを数え直し始めたことからも伺えます


4,最後に

幾人かでも、硝子は青春モノらしい展開で恋愛を始めるんだなと思っていただければ幸いです

こんな経緯でもやっぱり納得ができないのであれば、実は最終回の手を繋ぐコマですら「あれは恋愛感情ではない」と作者はファンブックで強弁しているし、マンガの後の展開予想を見てもあの二人が結婚するような展開はなさそうな感じなので
そうかあれは恋愛じゃないのか!ならばヨシ!!と思う人もファンブックを買ってさらにその思いを強めていただければ!!いいんじゃないかな!!!!(3回目)



5,余談 もう一つ要因あったわ

一つ忘れたので
ファンブックにはもう一つ恋愛に至る要因が書いてありますが、漫画版では語られなかったのに劇場版では語られているし解説がいるようなものじゃないので
気になる人は4回目ですが、ファンブック!!!よんで!!!!

アフィリエイトとかついてません(付け方わからん


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