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チェコ買い付け日記㉔「夕飯後の散歩」

ブルノのお城へ行きました。
お城と言ってもプラハ城のようなドーンとしたものではなく、街の中の広めの公園です、という感じで控えめに存在しています。

夕食後の散歩のつもりで公園に入っていくと、かなり急な坂が続いていました。
お城は小高い丘の上に建っているのです。
登っていると観光客だけでなく散歩中の地元の人もいました。
お城の階段を利用してトレーニングをしている人もいます。
かなりハードなトレーニング。
うさぎ跳びのように深くしゃがんだ状態から両足で飛び上がり、1段ずつ階段を連続で登っていきます。

時間は19時半。
すでに見学の時間は終わっていますが、城壁の門が開いているので行けるところまで行ってみることにしました。
城壁をくぐり、中庭のような場所を通って、内側の城壁もくぐります。
敵の侵入に備えてか狭い通路を通ります。
まるでロールプレイングゲームのようです。

明るい場所に出ると、目の前はお城の建物の本体部分でした。
ブルノのお城、シュピルベルク城は高い尖塔はなく、回廊型の建物です。
赤い屋根に白い壁、建物の下の部分や城壁は煉瓦です。
お城といえば塔があって広く天井の高い広間があって、というイメージでしたが、それよりはだいぶ質素です。
もちろん広大な建物で、お金持ちでもこんなところにはめったに住めないだろうけれど。
派手なお城よりもこちらの方が好みです。

ぽつりぽつりと人がいます。
お城の内部を見学できる時間ならもう少し観光客がいるのかもしれません。
建物の外側をぐるりと歩きます。
どこから見てもブルノの街が遠くまで見渡せます。
遠くに丘が見えて、赤い屋根と緑が続くその丘に日が沈もうとしています。
日が沈む少し前。西日が教会にあたってとてもきれいです。
お城と貴族の館の違いは、街で一番高い場所に建っていることかもしれません。

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下に降りてきました。
日が沈む直前が長く続きます。
空は白っぽい水色からだんだん濃く変わっていき、ホテルに着く直前にやっと夜になりました。

日が長いというのはゆったりした気持ちになります。
仕事の後に夕飯を食べて、その後まだ明るい。
もう1つ何か、例えば散歩や映画やスポーツをして、家に帰る頃にやっと暗くなる。
冬は夜が長いし曇りの日が多いようなので、夏の間は太陽を隅から隅まで残さず楽しむ。
私もチェコの暗い冬を経験してみれば、この気持ちがもっとわかるのでしょう。

この日は雨が一滴も降りませんでした。
今回チェコに来て初めてかもしれません。
ずっと降っている日はないけれど、大体は1日のうちどこかで雨に降られる。
傘が手放せない旅です。



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