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チェコ買い付け日記⑭「カメラへの謝罪」

プラハに戻ってきてホテルで荷物を下ろすと、身軽になったせいか元気が出てきました。
散歩のつもりでぶらぶらと出かけます。
目についたスーパーマーケットやドラッグストアみたいなお店に入ってみたり、地元マダム行きつけ風な台所用品店で思わぬかわいいものがあったり。

まだ16時ごろで、日の長いチェコでは昼と夕方の間ぐらい。
店の前に出したテーブルでお茶やお酒を飲む人、犬を連れて通りを歩く人。
この時間のほとんどは、まだのんびりとしていて忙しくない人たちです。

気がつくと晴れていました。
チェコに着いてから今まで、ずっと雨か曇り。
雲が切れて晴れ間がのぞくこともあったけれど、雨女でお馴染みの私らしい旅だと思っていたところです。
カメラを持たずに散歩に出たことを後悔しました。

この旅では「写真を撮る」という課題がありました。
普段の旅行でも写真は撮っているけれど、大体いつも人任せ。
カメラはもちろんスマホです。
いつもの旅行ならそれでも良いけれど、今回はそれでは困る。
撮ってくれる人もいないし、帰ってから写真が必要なことはわかっています。
夫にも「気になったもの全てを撮ってくるように」と、何度も念押しされました。
私の性格を知っている…。
持ってきたデジタルカメラを肩にかけて移動していましたが、雨が降ると濡れるし、正直なところ私にはスマホのカメラとデジカメとの差がよくわかりません。
カメラが邪魔です。
ついホテルに置いて出てきてしまいました。
仕方がないのでスマホで撮ります。

だんだん夜に近づいてきました。
それでもまだ日は十分に高いのですが、寒くなってきて上着を着ます。
仕事を終えた人たちが同じ方向に急ぎ足で歩いて行きます。
のんびりした時間は終わり、しばらくは帰りを急ぐ人たちの時間です。
それに逆らって歩道の端をゆっくりと歩いてホテルに戻りました。
晩御飯はスーパーマーケットで買ったパンと果物とビールです。

日本に帰ってこの時の写真を見ながら、やっぱりあの散歩にカメラを持って行けばよかったと思いました。
スマホで撮った写真もとてもきれいで、「スマホにはスマホの、カメラにはカメラの良さ」というものがあると思うのですが。
邪魔などと言って申し訳ありませんでした。

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