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チェコ買い付け日記⑨「使い道がわからないもの」

買い付け1日目の午後。
以前旅行で来た時にすてきなクロスを買ったアンティークショップに行ってみました。
前回と同じマダムがカウンターでご飯を食べながら、多分ドラマを見ています。
挨拶をして自分で見ていいか確認し、マダムも「何かあったら声かけて」と言ってドラマに戻りました。

一通り店内を物色。
積んであるクロスの山や古いポストカードの束から、いくつか選びます。
マダムは時々「大丈夫?」と声をかけてくれつつ、しっかりとドラマもチェック。聞こえてくるセリフの様子から、警察ものか病院もののドラマか?と推測しました。緊迫しています。

店内を見終わり、マダムもドラマに区切りがついたようなのでお会計を、と思ったらガラスケースの中の小さな陶器に気がつきました。
クリーム色のボディに赤い取手。青い文字で1918-1938と書かれています。
サイズは10cmくらい。
何に使うものなのか聞いてみたのですが、マダムの方でも????
花瓶か置物かわからないけれど、ただとても古いもの、というだけです。
謂れは判らないけれど色合いと形が可愛いのでこれも買うことにします。
満足して店を出ました。

日本に帰ってから陶器について調べてみたのですが、ネットではどうしてもどういうものか判明しませんでした。
ただ、年代については興味深いことが分かりました。

陶器には1918-1938と書いてありましたが、1918年はチェコスロバキアという国ができた年。そこから1938年までは第一共和国と呼ばれた比較的安定した時代だったようです。
その後はナチス・ドイツや周りの国々によって領土を取られたり侵攻されたりと、第二次世界大戦にもつれ込んでいきます。
複雑な歴史を持つチェコ。
第一共和国時代を懐かしんで作られた物なのか、それとも、たまたま何かの年代がこれに一致したのかは分かりませんが、チェコにとって意味のある年代が印字されていました。

興味のある方はぜひウェブストアもご覧ください。
https://syslovbooks.stores.jp/items/62cb92420850a01e94b501e9

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