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トトロのとなり。

日本テレビにて毎週金曜日の夜九時から映画を放送している枠がある。
「金曜ロードSHOW!」という番組で、なんと1985年から放送されているそうだ。

昨日スタジオジブリ作品である「となりのトトロ」が放送された。
この作品は1988年に公開された作品で、実に30年も前の作品になる。
しかしながら、改めて観てみるとやはり面白い。スタジオジブリ作品…もとい宮崎駿作品の面白さは、単純にストーリーの面白さだけではない、ディテールの細かさにもあると思った。
後に個展が開かれることになる男鹿和雄氏の背景美術だとかもそう。
当時の時代を忠実に再現する設定の細かさとか、トトロやまっくろくろすけらの動きの妙なリアルさ。(まっくろくろすけのふよふよと漂う動きの仕方とか、なにあれ。ほんとに存在するだろあれ)
コピーである「このへんな生きものは まだ日本にいるのです。たぶん。」という言葉の通りだと思う。

今回観て印象的だなぁと思ったのは雨のバス停のシーン。
それまでよく掴めていなかったトトロのキャラクターが、あそこで爆発している。
起こったことと言えば、傘に雨が当たっただけ。ただそれだけのことなのに、くるくると変わるトトロの表情を見ていると、こちらまで楽しくなってくる。

あれだけ細かく作り込まれた世界だからこそ、トトロらの異物感が妙にマッチする。浮世離れしてないというか。いやしすぎてて逆に受け入れられるというか。そういう部分を極限まで極めたのが「もののけ姫」かなぁとか思ったり。

あと、「メイのバカ!もう知らない!」って言われた後のメイちゃんの泣き声がすごいなと。隣に居るカンタが声のかけようが無いと脱力するのもわかる。怖いくらいリアル。いやまじで、なにあの泣き声の演技。
サツキがメイを探して走り回ってるときの吐息もやばい。あれはもう演者もマジで走ってるでしょ。走りながら唾液を飲み込むときの音とかね。呼吸の感じが演技じゃない。ほんとに走ってる。
そういう人間たちのリアルな反応もトトロの醍醐味だなぁと。ほんとにびっくりしたときは叫ぶのでなく、息を呑んで絶句するのだな、とか。

トトロは子供の頃に観すぎてもういいわ〜とか思ってたけど、観てみると、やはりやられた。名作ですわ…。

しかし今観ても新鮮に観れるなんて。奥が深すぎる…。

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