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syozopanda
2015年10月25日 10:39
耳元で雨音が鳴り響いていた。僕はもうすでにびしょ濡れと言っていい状態で、持っていた上着は衝撃でだろうか、3メートル程飛ばされていた。「今、確かに声が…」雨音は変わらず鳴り響いている。いやいや、そんなわけない。僕は幻聴でも聞いたんだと自分を納得させ、雨に濡れいつにも増して重たく感じる身体を起こした。「僕も急いでたから、ほんとごめんなさい」僕は慌てて身構えた。幻聴じゃ…ない。
2015年10月24日 16:37
職場の裏にある狭い路地を歩いていた。その日は生憎雨が降っていて、傘を忘れた僕はスーツの上着を脱ぎ、それを頭に被って小走りをしていた。「雨なら雨って言えよ馬鹿野郎が…」イライラしていた。先刻上司に言われた理不尽な言葉や、朝出社する際でもベッドで眠りこけている妻の葉子や、シャツの外れかかったボタンや、SNSに投稿されている友だちたちの自慢にも思える日記や、昔付き合っていた女が結婚するら