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コンサルの視点で石垣を見ると・・・

こんにちは。事業承継コンサルタントのMasakiです。昨日9月15日は1600年、天下分け目の関ケ原の戦いがあった日。そんな歴史的な日にSDGsと石垣について書いてみたいと思います。先日遊びにみえた起業家の方に「〇〇を見に行きたい」と言われてビジネスの話そっちのけで見に行き、そこで石垣を見て思いついたネタです。

生存戦略で進化した石垣

石垣には3つの進化の過程があります。順番に書くとこんな感じです。

◆野面積(のづらづみ)未加工の自然石使用 例)竹田城跡(天空の城)
◆打込接(うちこみはぎ)16世紀後半の城郭建設ラッシュ時に出現。加工した石を使用できるだけ接合面部分の隙間がない様に積みます。姫路城、熊本城等
◆切込接(きりこみはぎ)石同士の接合面が加工され、隙間は完全に消滅。徳川期大坂城等

そしてこの3工法がわずか40年程で進化を遂げます。当時の情報伝達手段や馬や飛脚であったので最速技術が最速進化したと考えられます。
 各武将がどうすれば戦略的に有利になるのか?戦に勝てるのか?どうすれば自分達と城下を守り抜けるのか?いろいろ試行錯誤して生死をかけて石垣の技術を学んで、咀嚼して、築城に生かして、壊して、また築城。なので、今残っているのは「生き残り手段の成果」です。同じ技法を使用しても同じ石垣は存在していません。そして現代まで持続可能な遺産として残っています。


石垣はSDGsとおなじではないか?

SDGsもDXやIOTなど同様企業が発展し便利になり、利益を上げられる体質改善をしてくれるツールと想定すると、まだ親しみやすいのかな?と考えています。それはSDGsに対して「環境対策」「大企業がやるもの」「自分達には関係ない」といった印象が強いからです。「それに取り組んで何がよくなるの?それやって自分たちの仕事が良くなるならやるけど」と、経営者さんとお話しすると毎回そんな話になります。実は私もそこまでのSDGs推進派ではなく、あるポイントに着目しているから活用しています。
それが「本業で儲かるビジネスを続けられる企業体質に改善する」という点です。
 残念ながら体質改善と同じ様にSDGsに取り組んでよくなるかどうかはその企業次第です。やらなくても自分たちに損はない。その為か、本質的に取り組んでいる企業は全体の10%程度。(2020年の帝国データーバンク調査 今はもっと増えているかもしれませんが)後はバッジ付けたり、ポスター掲げたり、認証制度を取得したり(当社も三重県の認証規格は取得)
 城郭石垣を含め武将の権力の象徴。生き残る手段で戦いに勝つ為にその地形、地域、地質に沿い、戦略と戦術を考慮して築城。その為成果は千差万別。ただ一つ「天下統一」という共通の目標はあり、それぞれが生き残りをかけて必死でスクラップ&ビルドをくりかえし取り組んだ結果が現在に残っています。その為、城郭も立派な石垣、土塁系、館風のものなど様々。
無理があるかもしれませんが、石垣と同じだと考えてみると、理解して咀嚼してアウトプットするはSDGsも同じと考えるとハードルは下がるのかな?と思い、そんな石垣にロマンを感じます。
ビジネスで経営計画をたてる際に、1年、3年、5年、10年の目標たてますが、その数年後の未来の物差しとしてSDGsを活用すると、17の目標のうちどの目標を達成しようではなく「本業で利益を上げる体質改善するために使う」といった方が「持続可能な目標」「誰一人取り残されない」と言われるよりもずっと自分事として考えられる。
 じゃあ、私たち団塊ジュニアの世代がこの考え方、基本OSを変えないと、これからビジネスの主力を担う若い世代が、ここのOSを今までの自分に上書きするようにしていく必要があると感じています。

「あるもの」に目を向けたらこの石垣って・・・


地元に限らずご相談を受ける機会が増える中でも、地元企業から「魅力的なものがこの地域にはない」ということをよく聞きます。この場合、遊園地や商業施設、人が毎週たくさん集まる様なもの。でもそれってそれがないと人が集まらないの?と聞くと「はい。だって〇〇遊園地にが近い■■■さんのお店は・・・」ということが根拠。本当にそうかな?魅力的なものの基準があくまでも、大企業や都市部にあるもの、そしてそれが今自分の周りにないものを見ているからだと。そうではなくて「不便」こそ魅力なのでは?と感じる今日この頃。不便があることで非日常を感じられ、刺激となります。ちなみにこちらの地元でブレストした一例

・ジビエマイスターによる部位別美味しい食べ方講座。七輪&地ビール付き。
・土日開催1日1組限定!竹割から箸と蕎麦猪口づくりから始める!流しそうめん。
・古民家の民泊施設でのビジネス合宿
・移住したい人の支援!短期滞在で田舎の暮らしを体験。リピーター大歓迎
・乗り鉄、撮り鉄大興奮!日本に3路線しかない軌道にのる

これ全部その地元でしかできないアイディアで、この地域には当たり前にあるものばかり。これらを自分の城であり石垣と考えれば、十分魅力を発揮するのではないか?と石垣を眺めながら感じます。SDGsだCSRだと言えど、結局本業で何をやっているのか?それをたまたまSDGsに当てはめると何番目標にあたりますね。っていう感じの方が中小企業には自分事としてとらえられ、SDGsありき、課題何番にとりくみます、ではなくて本業を突き詰めていった結果論でSDGsに繋がっていたねという方が中小企業に親しみが持ちやすいはすです。
 そして、本業の時間内でとりくむ方が従業員も参加しやすく、長続きすると考えます。良いことをやっていても継続性がなくなるのには、長続きしない原因を見つけてそれを解消してあげることが必要です。なので、何か導入する前、とりくむ前に「いつも中途半端でうちの社風は・・・」と言う前にそうなる原因「理想と現実のギャップ」に目を向けてみる必要があります。


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