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おばあちゃんを天国に還すまで~③おばあちゃんが、死んだ~

点滴をしているが…おしっこでない、むくみがすごい、管でとる。

ドクター「おしっこがでなくて尿毒がたまるだけでも、もって一週間。モルヒネ使うことで数日」

数日って、5日以内?500点滴して取れた尿200、背中までむくんでくる。点滴することで心臓にエネルギーがいき動く、同時に心臓に負荷かかり命も短くする。点滴の量の微調整も難しいとのこと。

麻薬きれる前に銭湯へ行く。母が延命拒否決断できないから、きれる前に戻ろう。

夕方、麻薬きれず静かにねむってる、微妙に眉間の皺濃くなってき…今夜切れるかな、切れて痛がったりけいれんでてきたら、すぐ挿入お願いしよう

夜中麻薬きれてるはずだけど、意識もどらず。

深夜~痰からみだす、痰吸引も特にしない、ゆっくり死にむかう

翌朝ドクター「昨日この時間に80あった脈が53、静かに心臓が弱ってきてる。もう一度戻ってきて麻薬使うことに、と思っていたけど、それはなかったね。このままこのまま近づいていきます。」

冷えきっていた足もあつくなる。37、5熱もあがってきた。血圧も測れない、ふれているけど測定不能。

静かにねてる。

ゆっくり穏やかに。

おばあちゃんの病院の駐車場の空。真っ青な空に白い雲がくっきりで、美しい。死ぬのも怖くないのかもな。空に還るみたいだ、と思う。

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便のにおい、今日は頻繁にでてる。終わりが近づくと、肛門の筋肉がゆるんで出やすいそうだ。

足の血管から点滴をいれてる。もう使える血管がない。点滴は、ものすごーくゆっくり、顔のむくみも取れてきた。少しずつ少しずつ枯れていく。死ぬのを待っている。血圧が少しずつおちてきている。

呼吸少し苦しそう、本人は苦しくないと思うが…死ぬのを見る。

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心拍80あったのが50、30くらい。ドクターが、今日明日~と。母と化粧をして荷物も片付け、死ぬのを待つ時間のよう。

しばらくしてナースがくると、血圧が100あって、母と大笑い。低血圧の私たちの中でおばあちゃんが一番血圧高い。

どっさり雪がふってきた

ドクターがきた。睫毛反射(まつげに触れた際に、まばたきをする反射。死亡時や中枢神経障害のときに消失)がなくなってきてる。今晩から、明日とのこと。

夜9時20分心拍20、時間の問題です。

手足がつめたくなってくる。呼吸の間隔も長くなってくる。枯れるように、眠るように少しずつ

スマホのYouTubeで、おばあちゃんの大好きな美空ひばりの愛燦々を流す

愛燦燦とが流れる病室で…母とおばあちゃんの手をにぎり、「ありがとう」「だいすきだよ」と声をかける。

呼吸しながら、口をもごもごさせることが多くなる、ほとんど吸えてない。

いま心拍が0になりました、とナース。

こんだけ覚悟を決めても涙が出る。

心臓が止まっても、呼吸は薄く薄く続いている

呼吸が止まったらナースに声をかけるよう言われる

背筋を伸ばして、おばあちゃんの最期の息をみる

口をもごもごとさせ、薄く吐いて止まる、もう吸わない

しっかり見届ける

呼吸が止まりました。

12月12日10:00

10:10ドクター死亡診断 ご臨終です


おばあちゃんの死の瞬間、感じたのは、湧き出る愛と感謝。

おばあちゃんの家で守られて、野菜を収穫して、作って、きれいに片付けて、慎ましやかな農家のおばあちゃんの生き方が私の中に根付いている。

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おばあちゃんの愛が確実にいまの私をつくっていて、


ただ湧き出る愛と感謝

自分の中にこんなに揺るがない大きな気持ちがあったとは

なにがあってもぶれない軸が、自分の中に一本通った気がする。
おばあちゃん、ありがとう。大好きだよ。



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