死脈と本能(続)

前回↑の「死脈と本能」の続きです。

自然の異常を感じ取って

自分たち、そして子孫ができるだけ安全に住める場所を

見つけてきた我々のご先祖様。

もちろん、そうした場所でも長い歴史の中で自然災害は

起こってきました。

ただ、そのような歴史も言い伝え、書き伝えながら

住む場所を選んできました。


ところで、余談ですが

個人的には、

シャーマンであるとか

予言者であるとか、

何かしら一般的にはない力を持っているとされている人たちは

こうした自然のわずかな異常を感じ取る

動物本来の感触を、本能が忘れていない人なんだと

思っています。

だから特別というより、より原始的な本能が

潜在している人たちなのではないでしょうか。


さて、本題に戻ります。

現代は、地球温暖化によって様々な異常が起こっていると

いわれています。

数値的なものや

オゾン層の破壊

海面上昇など

我々は研究者たちの研究結果を聞くことでしか

その実態がわからないので

それが、本当かウソか、見極める術はありません。

ただし、身近に感じる異常はたくさんあります。

たとえば、台風の襲来。

「台風」という言葉が一般的に使われるようになったのは

戦後です。

江戸時代や明治時代、昭和前期の日記を読めば

「台風」とは書いていませんが

それが書かれている時期と「大風」などの表現から

おそらく台風が来ていたんだな、とわかります。

つまり台風が来る時期はだいたい決まっていました。

台風だけではありませんが

そういった毎年決まった時期に発生する

荒天に備えて、農作物の成育や収穫時期は調整されていました。

それが最近では

まったく関係ない時期にも台風が発生したり

異常な発生を起こしたりしています。

そのほか、もともと雪国のような

大雪に見舞われる地域は別として

盆地や平野部などでも昔は雪が積もることがしばしばありました。

今では、雪がまったく降らなかったり

異常な大雪が一気に降ったりします。

明治以後で考えても、ここ100年以内の短い歴史の中で

明らかに気象の変化が激しいことがわかります。

何千年の自然のサイクルが

たった100年以内で崩れてしまっては

自然のわずかな変化を感じ取る本能は

おそらく対応しきれないと思います。

だから、ご先祖様が選んだ

少しでも安全に住める土地は

1000年以上は、そういう場所だったはずが

今や、そんな場所とは言えなくなっていても

おかしくありません。


身近なちょっとしたことでも

やめるのは簡単で、続けるのは相当努力が必要です。

自然環境も同じ。

100年ちょっと前の環境に戻すには

これからの100年という年月では到底戻らないと思いますが

続けていく努力は必要です。











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