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この医学書・看護書がすごい!2022【協同医書出版社】

※『この医学書・看護書がすごい!』って何?という方は、まずはこちらをお読みください。※とにかく推し本を知って欲しい!その一心のみで作成しております。医書担当歴5年となりましたが、相変わらず専門知識に乏しいところは多々ございますので、各出版社の公式サイトにて補完をお願いします。

本日は協同医書出版社です。
作業療法をはじめとしたリバビリテーションの書籍を中心に刊行し、リハビリテーションの多彩な可能性と発展を探り、力をいれている出版社でもあります。

さて、協同医書出版社営業担当のイチオシはこちら!

『ひまはアスパーガール 発達障害母娘の15年』

『どうして普通にできないの!「かくれ」発達障害女子の見えない不安と孤独』(2017年刊、協同医書出版社)の筆者が、発達障害と診断された娘「ひま」の子育てを綴ったコミックエッセイです。

子育てというのは難しいです。いくら育児本を読んだり、アドバイスをもらってもその通りにはいきません。いかないのが当たり前というくらい、思い通りにはならないのです。

とはいえ、ウチの子はよそに比べて手がかかりすぎでは……?でも、ハイハイより先に立っちはできたし、発達に関してなんの疑問も抱いていなかった著者が、もしやと疑問に駆られたのは友達との関わり。そして著者自身も以前発達障害と診断されたこともあって、療育センターに「お悩み相談」へ行くことを決心するのでした。

全編を通じて、成長途上発達障害女子である娘と隠れ発達障害である元女子の母の悩みぶつかりながら互いに奮闘し成長する日常を、ちょっとコミカルに丁寧に描いているので、深刻な気持ちにはなりません。とても読みやすく、育てづらいなと感じている子育て中の方には共感を覚えるところもあるのではないでしょうか。巻中の著者が「こんな時はどうすればいいか」幼い娘に説明した絵や文もわかりやすく、参考になると思います。

「普通」ではないことは「否定」することではない。それを教えてくれる一冊です。

そして売り場担当のイチオシはこちら!

『認知症ケアの達人をめざす
予兆に気づきBPSDを予防して効果を見える化しよう』

認知症ケアの現場で対応に苦慮することの多い、もの盗られ妄想や徘徊,攻撃的行動,繰り返し質問といった「認知症の行動・心理症状(BPSD)」。『発症』してから対処するのではなく、『予防』が非常に重要になってきています。

この本ではまずBPSDの定義から始まり、『周辺周辺症状』と『BPSD』の違いを学びます。
予兆に気付けば、BPSDの発症を予防することができるかもしれません。その予兆に気づくための視点と知識が詳しく解説されています。そして、BPSDへの移行・悪化を予防する五つの不同意メッセージを取り上げ、『不同意メッセージとはなにか』から説明、理解を深めるつくりとなっています。

認知症の人が笑顔で過ごせるようになるようにという著者の願いが込められたこちらの本、認知症に関わるすべての医療・ケアスタッフの方々に、ひとりでも多く読んでほしい一冊です。

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