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この医学書・看護書がすごい!2022【丸善出版】

※『この医学書・看護書がすごい!』って何?という方は、まずはこちらをお読みください。
※とにかく推し本を知って欲しい!その一心のみで作成しております。医書担当歴5年となりましたが、相変わらず専門知識に乏しいところは多々ございますので、各出版社の公式サイトにて補完をお願いします。

本日は丸善出版です。
毎年ここで触れていますが、『理科年表』2023年版が刊行されました!
今年のコラボは『恋する小惑星』。理科年表の特設サイトもありますのでどうぞご覧ください。
それと2019年に創業150年を迎えた丸善の創業の歴史を綴った『【丸善創業150周年】出版物で辿る丸善の歴史』という特設ページでも理科年表の歴史について触れています。個人的にこの特設ページ、理工医学書担当としては堪らないですね。気になった方は、ぜひどうぞ!

さて、丸善出版営業担当のイチオシはこちら!

『睡眠専門医がまじめに考える睡眠薬の本』

スタンフォード大学睡眠医学センターで不眠症患者を治療してきた【睡眠専門医直伝!】
薬を処方す際には、降圧薬なら血圧、抗菌薬なら細菌のことを知らなければならないように、睡眠薬は睡眠のことを知らなければならないはずです。
しかしながら、多くの医師が医学生や研修時にきちんとした睡眠薬の指導を受けずに、研修時の病棟管理で「睡眠薬のセット処方」を行い、その延長線上で患者に睡眠薬を処方し続けています。
「睡眠薬処方を考えるときにまず読む本」として、本書では、睡眠と覚醒のメカニズムや睡眠薬の作用機序を丁寧にひもとき、不眠症の治癒(=睡眠薬の中止)に至るまでの考え方を解説しています。
医師だけでなく、不眠症に悩まれる一般の方が読まれても参考になるかと思います。

『極論で語る神経内科』『極論で語る睡眠医学』の著者、河合真先生の新刊がこちら!
営業担当の推しポイントが分かりやすくて、私の出番は必要ないのでは?といった感じですが、まず睡眠薬に関する問題を整理するところからはじまり、二章と三章は『睡眠ってなんだ?』をテーマに睡眠と覚醒の本体と睡眠と覚醒を動かす原動力に触れています。
それを踏まえて、睡眠薬を使って不眠症のどこにアプローチするのか、睡眠薬の役割ときて、慢性不眠症と主な睡眠薬について詳しく切り込んでいくので分かりやすい!

営業担当の推しポイントの最後の一文にもあるように、

医師だけでなく、不眠症に悩まれる一般の方が読まれても参考になるかと思います。

確かにその通りで、医療従事者ではない私が読んでも、図解入りで説明されるため頭に入りやすいです。

眠れないというのは本当に辛いことです。睡眠が不足していると、日常生活にも差し障りがあります。学業や仕事の能率も下がり、事故を起こす可能性もあるので看過できない問題です。
だから睡眠薬を処方してもらいたい。でも、睡眠薬を飲めば眠れる、睡眠薬を飲んでも眠れない。前者は薬に頼りきりでいいのだろうかという不安と、後者はどうすれば眠れるようになるのかという不安に苛まれます。

そんな患者さんを前に、果たして自分は睡眠のことをよく知った上で処方をしているのだろうか。
疑問を感じた医療従事者の方に、ぜひ読んで欲しい一冊です。


そして売り場担当のイチオシはこちら!

『医療 vs. 他業種 安全文化 十番勝負 他業種に学ぶ安全管理学』

表紙の圧がすごい。医学書の棚で異色を放っています。デザインのセンスが抜群ですね。十番勝負=相撲にすれば、化粧まわしのところに各業種の名称がいれられる。天才の発想です。

ところでPOPを作るにあたって、なるべく本のタイトルで使っているフォントに寄せたものを選んでいるんですが、相撲文字を持っていませんでした。口惜しい。

さておき、こちらの本は東京医科大学が10 回にわたって開催した『異業種安全文化講演会』の概略と講演後に行われた講師との対談をまとめたものです。
航空運航、テーマパーク、鉄道事業、建設業、ハイパーレスキュー、原子力事業、航空整備、環境整備、サイバーセキュリティ、宇宙開発の十業種、まさに多岐に渡っていると言えるでしょう。

どれもが安全を強く意識しなくてはいけない業種ばかりです。その様々な業種の安全の専門家が語る、安全の取り組みや各業種での安全管理の基本。
業種が違うからこそ、学びがあり、新たな視点で安全管理について考えることができると思います。
そして、この本は安全工学やリスク工学が関わる理工書を扱っている丸善出版だからこそ、刊行できた本だと思います。

安全業務に関係するすべての人と、そして医療従事者必携の一冊です!

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