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人を汚すもの

イエスが群集を呼び寄せて仰せになったこと

口から出るものが人を汚す

聞いて悟りなさい。
口に入るものが他人を汚すのではない。
口から出るものが他人を汚すのである。

イエスの言葉『マタイによる福音書14・29-15・15』

イエスの言葉として、このような言葉が書かれています。
そして、こう続いていきます。

口に入るものはみな腹に入り、厠(かわや)に落ちることがわからないのか。
しかし、口から出るものは、心から出てくるもので、これが人を汚す。
悪い考えや、殺人、姦淫(かんいん)、不品行、盗み、偽証、冒涜は、心から出てくる。
これこそが人を汚す。手を洗わずに食べることは人を汚さない。

『マタイによる福音書』人を汚すもの(マコ7・14‐23)

キリストが生まれた時代は、紀元前4年ごろ。
キリストが生まれた年を、西暦1年としているようですが、これは事実ではありません。
新約聖書にも、きちんとした表記はなく、何年に生まれて、それが12月25日だということさえ、あやふやであるのです。

しかし、そう考えても今から2020年ほど前ですが、そんな頃から、殺人や盗みがあったということに、素直に驚きました。

今回はこの辺りを深掘りしてみたいと思います。

だって、もっと人々が純粋に生きていたと感じていたからです。
私と同じ意見だという人は、意外と多くいらっしゃると思いますが、いかがですか?

そう考えてみたら、思い起こせばあらゆる書物で、『当時の社会の問題』というものが、書かれていますが、どの時代を見ても、今とほとんど変わらない、いや、同じであると言っていいと思う問題が、数多く書かれているのです。

こう考えていくと、人間というのは、テクノロジーや化学や医療が発達しても、根本的な問題というのは、答えが無いものだけに、『正解』にたどり着けずに彷徨っているのだと感じます。

口から出るものが、人を汚す。

これは、人間関係において、切っても切れない問題として、当時から問題として考えられていたのだと思うと、親近感を抱くと共に、人間の存在の小ささを物語っているようですね。

現代社会においても、人を汚すものを、口から吐き出す人が、一定数います。
これは、どうしてもなくならないものとして、今後もあり続けるのだろうと予測できます。なにせ、2000年も前からあった問題だったわけですから。

手を洗わずに食べても、人は汚れない。

この一文からも、現代と変わらない価値観が存在していたことに気づきます。
手を洗ってから、食べるというのは、イエスもやっていたことなのです。

イエスと言うと、『神』であるため、自分たちとは全く違う存在として、考えていたのに、こうした共通点が何個も見つかると、否が応でも親しみを感じてしまいます。

しかも、冒頭の言葉の二つ目には、「わからないのか」と言っているところを見ると、当時にも、現代と同じような価値観の人が混在していて、一定数の『人を汚すもの』を口から出す人物がいたことも想像できます。
これも、面白いなと感じた部分ですね。

イエスの生きていた時というのは、私たち日本人にとって、決して身近ではないものの、完全に別次元の話でもなく、私たちの価値観と乖離したものでもない、今の現代社会が抱えている問題を、イエスも考えていたのだと思うと、イエスの存在や、イエスの言葉というものが、心に届いてくる感覚を感じているのは、私だけではないはずだ。

因みに、イエスの生まれた年というのは、いろいろな説があり、
「ベツレヘムでキリストが誕生した直後、誰も見たことがない星が西の空に輝き、3人の賢者にイエスの誕生を知らせキリストのもとへ導いた」
という文が新約聖書に書かれていることから、この「見たこともない星(ベツレヘム星)」の正体とは紀元前7年に起きた、土星と木星の異常接近があると言われています。
ベツレヘム星の正体がこの天体現象だとすると、紀元前7年9月15日ということになるそうです。

この他にも、紀元前2年6月17日の、木星と金星が重なり、明るく見えた現象だとすると、キリストの誕生日は紀元前2年6月17日だという説もあります。
或いは、紀元前12年のハレー彗星説。

他に、『大規模な人口調査が行われた年にキリストがベツレヘムで誕生した』という記述もあり、西暦4年がキリストの生まれた年だ。とする説もあるのです。

ですから、こうしたこともあやふやで、正確な生年月日は分からないのです。

西暦4年の『大規模な人口調査』というものも、気になります。
なぜ、この時代にそんなことを行なったのか、そのあたりも詳しく乗っている文献を探して読みたいと思います。
その際には、この有料記事として、皆さんにもシェアしますね。

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