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君たちとどう生きるか~有害鳥獣との生活~


有害獣について

有害鳥獣駆除とは、農作物や街中の繁華街などで被害をもたらす野生の鳥や獣を駆除することです。最近では、都市化の進展により、建物や車両に被害を及ぼす事例も増えています。
建物への被害というのはおそらくアライグマなどの小型動物でしょう。屋根裏や床下に住み越冬します。その際に糞尿によって腐食させることがあります。
車両への被害で大きなものは鹿やイノシシとの交通事故です。キツネやアライグマ、タヌキももちろんあります。

ニュースで大きく取り上げられるのはクマが多いですが、それは直接的な人的被害が大きいこともあると思います。センセーショナルですもの。他にも報道に出てくるのはアライグマやシカです。それは目撃されましたというニュースですけどね。北海道でも札幌市でさえ目撃されています。

確実に数が増えてるからだろう。生息地域で同種が飽和すると徐々に境界線へと進出してきます。そして人が住んでるところに現れます。逆に人間も増えてきたことで境界線へと進出しているんでしょうけど。
それは都会に住んでいると遠い話かもしれませんが、一番野山を開拓しているのは都会です。

シカの話

さて、シカの話をしましょう。エゾシカの話です。令和4年度の発表では推定生息数は約72万頭とされています。前年の推定数から3万頭増えております。
おおよその目安として2割ずつ増えていくといわれています。70万頭いれば14万頭増えることになりますね。さて、そこでエゾシカの捕獲数を見てみましょう。令和3年度が14.3万頭、令和4年度で14.1万頭とされています。そのうち出産可能性のあるメスの捕獲数は両年度とも7.7万頭です。残念ながらこの実績値であっても増えているのが現状です。推測数よりも多いからなのか2割以上の速度で増えているからなのかというところですね。

増えるとなぜ困るのかといえば、まずは農林業への被害があります。令和3年度の北海道の発表では農業への被害が44億4100万円、林業へ4000万円で合計44億8000万とされています。
これは平成23年度の約64億円から減少し令和元年の約38億円となりまた増加への転じています。
もう一つは交通事故です。令和4年度の北海道警察の発表では4480件とされています。このほかにも通報されなかった場合の交通事故ももちろんあります。

取り合えずそういう状況です。たくさん捕まえても全然追い付いてないんですよね。

アライグマの話

アライグマに関してはどういう状況かといえば、外敵がほとんどいなく捕獲も追い付かなくて農業被害や家屋への被害も増やしています。鹿よりも早いペースで増えていくのですぐに野生動物の頂点になりかねません。
かといってみんなが何かできるかと言われたら何もできないでしょう。
箱罠設置するなどして地域みんなで対策しないといけません。
それでも殺処分は反対されるだろうし、これからますます大変でしょうね。何もできないままどんどん侵食されていくでしょう。

農業被害に関しても大きくなっています。北海道の令和3年度は1億4900万円ほどです。
そして、対策としてシカやクマと全く同じという訳にもいかないので幅広い対策を強いられることになります。被害を抑えるために対策費用も労力も大きくなるということです。

人が直接襲われたような被害はあまり聞きませんが、可愛くても迂闊に近づくと大変危険です。狂暴です。
アライグマって狂犬病などの感染症リスクもあるし、空き家のまま放置されている家屋はアライグマの住処になっていたりします。そういう怖さもあるので放置家屋も気を付けなければなりません。

おわりに

まだまだこれからです。きっと殆ど何もされないまま、何かしてもどうにも出来ないほどの速度で被害が増えていくのです。知らなかったな。有害鳥獣に関わるまでは。

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