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島耕作が遊び人という印象は正しいか

みなさん、こんにちは。
島耕作を人生のバイブルとしているこはらです。

今回はこのマンガのどこに私が注目しているか、そして前回も触れましたが、タイトルにある島耕作というマンガのイメージについてもう少し掘り下げておきたいと思います。

なぜこのマンガを取り上げて解説していこうと思ったか

この作品を立身出世伝として読むことはもちろん可能でしょう。そのような王道な読み方も私は良いと思っています。

タイトルにもなっている通り、課長から役職が上がり現在は相談役となっています。そして課長より前の時代にも戻っていき、学生時代も描かれています。
それだけ島耕作という一人の男の生き様に皆が注目しています。


私の父親の少し上の世代である「団塊の世代」。
その頃日本は戦争からの復興を果たし、世界でも有数の経済大国となっていきます。それらを象徴するように、企業のサラリーマンは猛烈に働き、熾烈な出世争いを繰り広げます。

そんな時代を生きた男の人生を追体験することはとても面白く、そして知識としても意味のあるものだと思います。

私も最初はそのように読んでいました。しかし何度も繰り返し読むたびに、私の中で感情移入するキャラクターが変わって印象に残るシーンも変わっていきました。

島耕作の部下や上司の気持ちが最初は分からなかったのですが、
自分が歳を重ねるごとに色々な登場人物の気持ちや立場が理解できるようになってくるのです。

それも作者の弘兼先生が、島耕作以外のキャラクターも丁寧に描いている証拠でしょう。
決して島耕作だけではないキャラクターの魅力が、私が島耕作を好きである大きな理由の一つです。

島耕作の現在までの女性関係

さて、そんな島耕作ですが女性関係はとにかく注目されがちです。

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マンガで確認したところ、学生の頃から関係のあった女性の数は
24人

・・多い!!

と誰もが思うと思います。私もそう思います。

ここで、少し細かく見ていきましょう。
第1話、第3話に登場する女性と関係を持ち、第2話に登場する女性とはそのような状況になりますが実際には関係を持ちませんでした。第4話は大人しくしていますが、第5~7話の繋がりのある展開で登場する女性と関係を持ちます。

私が前回お伝えしたようにここまでは、連載の展開とは違った雰囲気で描かれています。
その証拠に、課長島耕作新装版第1巻の弘兼先生の巻末コメントにこのように書かれています。

この頃の島耕作は連載のコンセプトが出来ていなかった時なのでいわゆる「遊び人」である。

いったん整理してみたいと思います。


1~7話で3人の女性と関係を持ちます。これは完全に奥さんがいる頃の出来事です。ただ、読み切り作品である以上、そのような見せ場を作るためととることも出来ます。
実際に島耕作のパーソナリティもそれ以降とは少し違ったように感じられます。

そして8話からNYへ転勤になりますが、妻と娘は着いてきませんでした。そこで出会う女性と関係を持ちますが、これは完全にOUTです。

その後、NYから日本へ帰った際に妻も浮気をしているという証拠を掴み、それが真実であることが判明します。

それから別居が始まり、夫婦関係は修復が出来ず離婚となります。別居中に浮気をして良いとは言いませんが、完璧な女遊びとは違う印象を受けます。

そして社長編で大町久美子と結婚をするのですが、結婚後は他の女性と関係を持つことはありません。

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作品をフラットに見てもらいたい

作品を全て読んだことがある人は分かると思うのですが、大町久美子という女性を島耕作は特別な存在と認識し、かなり入れ込んでいます。

さらに、解説したように多くの女性と関係は持っていますが、実質完全にOUTと思えるのはNYで出会ったアイリーンとの関係と読み切り作品の関係です。NYから帰って以降は、妻との別居生活が続いていました。

平成元年、第58話(課長編の中盤あたり)で妻の玲子と離婚して、それから社長編までは独身です。


ここまで色々と述べてきましたが、決して島耕作の肩を持ちたいわけではありません。

ただ、女性関係がだらしなく誰にでも手を出し浮気ばかりしているという印象とは少し違うのではないでしょうか。

マンガである以上、そのような見せ場はやはり存在します。私としては、これまで述べてきたことを踏まえて、この作品を評価してもらえると嬉しいです。


では、次回以降島耕作という作品の私が思う見所をどんどん紹介していきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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