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読書感想文「K+ICO」
意外と初上田岳弘作品でした。純文の中ではとても読みやすかったです。ウーバーイーツ文学でした。
あらすじ
自分磨きのためにウーバーイーツ配達員をしつつ英語、法律を勉強する若者Kと、TikTokerとして活動しつつ大学卒業を機に普通の生活に戻ろうとするICOのそれぞれの日常がたまに交差するストーリー。
面白かったです。分量だと中編くらいの薄さなんですけど、もっと読みたいなって思いました。純文によくある、特に何も起きないけど、つらつらとお気持ちを表明し続けるのと違い、「えっ」と驚く事件も起きるし、何より現代のあるあるが満載でした。大学生くらいの方は全員読んだ方がいいんじゃないかと思います。
あと、時間経過がiphoneの機種で表現されてるのが面白かったです。あーあれから一年位経ったのね、と。ICOは毎年買い換えるタイプっぽいですしね。
特に印象に残ったところ
ICOがパパ活していた時代に下心を出してきたおじさんをバッグで殴って逃げ出した事件があり、
チャームの曲がったバッグを彼女は出かける時にいつも見える位置に置いている。それは戒めのためだった。頼れるのは自分だけであること、隙あらば誰もが誰もを見下し、誰もが誰もを利用しようとしていることを忘れないために。そうでないふりをして近づいてくる人がいても決して信じないために。
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