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読書感想文「あわのまにまに」

 一つの家族を2029年から10年ごとに遡ってそのルーツが次第に明らかになっていく人間ドラマみたいな話を聞いて読んでみたんだけど、読んでみたら全然嫌ミス要素満載じゃないですか。
 とはいえ、家族といえども秘密はあったり、父母や祖父母にも若かりし日もあるという当たり前のことに気付かされるような作品でした。
とりあえずこの作品の相関図が見たいですね。

2029年
夏休み、小学生の木綿は母のいのり誘われて亡くなった祖母の家の片付けをする。変わった外観の家で、中はゴミ屋敷となっていた。それを親戚たちと片付けていく。

2019年
元保険員弥生は結婚はしていないが長年付き合いのあるジンさんとともにクルーズ船に乗る。そこで新婚旅行と言いながら、男二人と妊娠中の女性一人という奇妙な家族に出会う。

2009年
クリスマス、実家で過ごしていた操は、夜中に帰宅して突然餃子を作り出した姉いのりに巻き込まれて一緒に餃子を作る。恋人の杏一郎とデートし、プロポーズされたはずなのに。

1999年
杏一郎は海の家で住み込みのバイトをすると言い出したいのりを追いかけて、共にバイトを始める。海の家の主人虎郎は亡くなったいのりの父の教え子だという。

1989年
いのりの母紺の親友で杏一郎の母美幸は紺の夫が失踪中に亡くなったことを聞かされる。亡くなった海辺の街へ夫と共に駆けつけ、葬式を執り行ういのりを支える。その中でいのりの夫の秘密を知り、ある疑問が湧いてくる。

1979年
服飾の専門学校を卒業した紺は地元の百貨店に就職し、美幸と出会う。一緒に夜遊びをしている時に出会った久志に恋をした美幸、久志の親友雪好と四人で行動するうちに同時期に結婚、出産を経験する。紺は出産のために実家で山間に帰ってくる。

 特に89年のラストで話の様相がガラリと変わって、どの段階で誰が何を知っていたんだろうって読後の妄想が捗りました。10年ごとの間を描いた続編とかあったら是非読みたいです。面白かったです。

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