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読書感想文「成瀬は信じた道をいく」
安定の面白さでした。なんなら前作を超えてるまでありました。
成長した成瀬の周辺の人物からの視点で描く連作短編5編。
1ときめきっ子タイム
ときめき小学校に通う成瀬ガチ勢の女の子が、地元のときめく人について調べる課題で成瀬のことを取り上げようとする。下校時に偶然成瀬に遭遇した彼女は休日にインタビューにこぎつける。「大事なのは何になりたいか、よりも何をしたいかということだ」というのは学生の時に出会いたかった言葉ですね。
2成瀬慶彦の憂鬱
成瀬の父親が語り手。京大受験への送り迎えを描く。作中父親はあまり成瀬のことを理解していないと言われていたが、受験会場に送り出す時の「いってらっしゃい」はグッときましたよ。
3やめたいクレーマー
大学生になり、アルバイトを始めたスーパーのクレーマー。お客様の声に投書を送るのが習慣化しているが、店の迷惑になっていないかと自己嫌悪する。そんな時成瀬から万引き犯を捕まえる協力をして欲しいと頼まれる。
4コンビーフはうまい
成瀬とともにびわ湖大津観光大使になった女の子。島崎とは違った形でいいコンビ。「コンビーフはうまい」がどういう語呂合わせなのかだいぶ考えたけど答えは出ませんでした。
5探さないでください
大晦日に膳所に帰ってきた島崎が成瀬の家に行くと、「探さないでください」という書き置きを残して成瀬は失踪していた。これまでの語り手が揃う集大成的な話。成瀬が失踪した理由については、こんな形の伏線回収があるんですね、と思わず唸りました。
もう一冊あるかなぁ。あるといいなぁ。
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