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アドベントエッセイ1/365 「リア充爆発しろはターン制」理論


早いもので、クリスマスまであと364日を切った。

来るクリスマスに向けて、毎日エッセイのアドベントカレンダーを書くことにした。

記念すべき1日目は、「クリスマスとリア充の爆発」についてである。

結論から先に述べると、私は「リア充の爆発はターン制」だと考えている。

2019年のクリスマス、私は恋人とプレゼントを交換し、ディズニーシーで一日遊んで、共に夜を過ごす、という「THE・恋人たちのクリスマス」を過ごした。大変楽しかった。この世のすべてを手に入れた気持ちになった。


同時に、Twitterで流れてくる独り身自虐ネタツイートを眺めながら、高みの見物で優越感に浸った。「おっ、大将!今日もやってるね!」と、行きつけの店を訪れる常連のテンションで、心理的マウントを取った。大いに楽しかった。

こんな具合で、今年の私はいわゆる「リア充爆発しろ」の“爆発する側”だったわけだが、これまでの人生を振り返ると、独り身のしょっぱいクリスマスを過ごした割合のほうが圧倒的に多い。

では、一人の時は何をしていたかというと、独り身の友達を集めて「リア充爆発しろ!」と気炎を吐き、独り身の自虐ツイートをし、俺一人でも平気ですよアピールをし、ケンタッキーの竹内まりあと山下達郎に悪態をついていたのである。

そんな人間が、恋人ができた途端にあっさりと掌を返し、忌み嫌っていたクリスマスに模範的に尻尾を振り始める。そして、一人になればまたリア充の爆発を叫び出す。

私の人生、いつでもこの所業の繰り返しであり、おそらくこれから先も、このカルマから抜け出すことはできないだろう。うける。

だから私は、「リア充爆発ターン制理論」を編み出した。短い人生、クリスマスに恋人や共に過ごす人がいて、幸せな時間を過ごせるチャンスなんてそうそうありゃしないのだ。手に入れたところで、同じ幸せを長い間持ち続けられる保証なんてどこにもない。

ならば、運よく幸せを持てた時は大いに楽しみ、幸運に心から感謝した上で、清々しいほど独り身の人にマウントを取っていく。

反対に、幸せを失ったときは大いに荒み、幸せな人たちを妬み、「爆発しろ!」と叫び、恋人たちからのマウントシャワーを甘んじて受け止め、泣く。これでいいじゃないか。

残りの人生、クリスマスに対するスタンスはこれで走り抜けるのだ。

そうと決めれば、なんだか心が軽くなった。

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