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アクスタ戦争とメタバース
ジャニーズ界隈でアクスタ戦争という、アクリルスタンドをネットで買うにあたり、運が良ければ買えないという事態が発生した。
個人的にアクスタそこまでして買う必要のないものなので、販売開始時間が美容室予約の時間だった私は高みの見物をしていたのだけれど、なかなか大変だったんですねという。
SE観点からだとWeb設計もインフラ設計も構成管理もリリース手順もちゃんとできてる??というところが目についたのですが、正直これは事務所がシステム会社に委託しているのであれば(さすがに企業の規模的に自社情シスでここまでやるっていう可能性は薄い気がする)、逆に事務所が瑕疵取れるくらいのものだよなーと思った次第です。
そういうことなので私は「なんでこんなにアクスタみんな欲しいんだ?」と思うのだけれど、(転売目的は趣旨から外れるから置いておくとして)皆さん遠征したときや旅行に行ったとき、ご飯食べるときとかに一緒に写真を撮るんですね。
つまりリアル体験にリアル物質を映して推しのアピールや、日常の記録を保存していく、ということになる。
これはジャニーズ界隈だけの特殊なことではなくて、推しの名前が書かれた「推しグラス」もそうだし、推しの名前をボトルに印刷されたコーヒーができるコーヒースタンドもそうだし(これは多分当初日本橋に出店したことから当初の目論見と違うバズりをしたんだと思う)、2次元系のライブ会場の近くでは缶バッチやぬいぐるみを並べまくった痛バッグでアピールをする。
つまり、リアルで推すことやリアルの思い出に添えるものは「バーチャル」ではなく「リアル」なのだ。
極論を言えばアクスタの代わりにARで推しを出す、写真に推しのスタンプを押すなど、アクスタ戦争などせずとも推しありきでの思い出を残す方法なんてたくさんある。
だけれども、そうした機能はあまりバズらずにアクスタ戦争は起きるし、サンリオのアクスタの布団が人気が出て売れる。
真面目なことを言うとこういう理由がわかればビジネスになるんじゃないかなと思う。
このアクスタ戦争で一つ思ったのは、果たしてそんな界隈にメタバース的なVR技術は今後浸透するのかということだ。
例えばフォートナイトでのバーチャルライブなどのメタバースでのライブというのが都度都度話題になる。
アバターを作ってメタバース空間のモニターに映るアーティストをみんなで眺めて、友人や知らない仲間とポーズを取ってそれをキャプチャする。
こうした「楽しみ方」というのは果たして「リアルにリアルを組み合わせる体験」をしている層に刺さるのかという疑問がある。
言い方はものすごく悪いが、この界隈の情報リテラシーやITレベル、新しい技術に対する許容度は恐ろしく低いと思っている。
メーカーやベンダーがEOSしたバージョンの端末を使って動かないとSNS上大声で文句を言うし、電子チケットに対して未だに紙チケットに戻せと言う。
年齢層の幅広い女性が多い界隈だからというより、これが日本のITレベルなんだろうなとちょっと残念にも思える。
日本にはリアルなエンタメが多い。
アイドルの応援だけではなく、ライブフェスであったりスポーツ観戦もそうだ。
こうしたリアルイベントに対してメタバースは対抗になるか、融合ができるのか。
アクスタ戦争が起きるほどアクスタの需要が多い今、私はまだ少し先の未来かなと思っている。
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