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私が「赤ずきん」にハマった訳

2022年2月11日 15:43の『How I have got obbsessed with The Little Red Riding Hood』の日本語版(翻訳ではありません)
DeepLの機械翻訳による日本語版はこちら

なんで一人で危ない森に出かけなけなきゃなんないの?

さて、誰もが知っているこの赤ずきんのお話、細かいところを見ると説明できないことがたくさんあると思いませんか?少なくともあたしにとっては疑問がいっぱい。

そもそもなんで小さな女の子が、おばあちゃんの家に一人でお使いに行かなきゃなんないの?

なぜお母さんは、こわーいオオカミがいるってわかっているようなところに、娘をお使いに出すの?

なぜおばあさんは森の中で一人暮らしをしているの?変じゃね?

なぜハンターはおばあちゃんの家に来て、家の中で尋常じゃないことが起きてるってわかったの?つまり彼はよくおばあちゃんの家に来てたのかしら?もしかしたら、彼はおばあちゃんのボーイフレンドだったりして?

さらに、狼だってどうなのよ?と私は思う。この人もBFのひとりかも。この二人があらかじめライバルだったって可能性はないの?あったっておかしくないとか考えてしまうんだよね。

性的魅力のメタファー

この物語は、少女がいかに愛らしいかという描写から始まるんだけど、つまりそれって物語にとって重要な要素なのだろうと思う。そして、少女はおばあちゃんがくれた赤ずきんが、自分をよりかわいく見せてくれることまで知っているんだよね。
つまり母親は「気をつけなさい」と言いながら、可愛い服を着せて外出させるわけだ。この矛盾をどう説明したらいいんだろう?

もちろん、昔話は常に象徴的なものだから、この数々のギモンは、すべて象徴的に説明されるべきだと思います。

で。私は、これは女性なら誰でも通らねばならない課題の話ではないか?と思ったわけです。それは一般にこの話が「怖い狼(男)には気をつけなさい」という教訓の話だと信じられている、そのことよりも、一段深いところにあるテーマなんじゃないか、と思うのです。

このヒロインは自分の魅力をすでに知っているのだから、次に知らねばならんことが、あるはず。森の中にひとりで行くことによってそれが学べる。女の子として、あるいは女性としてそれを知っとけよ、というミッションなのではないかしら?

赤ずきんを与えたのはおばあちゃんです。グランマはなぜ少女に赤頭巾(フード、帽子、コート、クラーク・マント、何でもいいのですが)をくれたのか?赤い注目を集める服は、彼女にもっと危険を与えるかもしれないのに、わざわざくれるわけですね。

森の危険をほのめかし、気をつけろだの、寄り道するなだの言いながらカワイイ服を着せるっていう「矛盾」は、母親と祖母の二人の「年上の女性」が、少女にミッションをを与えようとしたのだとしたら、理屈が通ります。自分の魅力をコントロールする方法を学べ、とか、寄ってくる奴をよく見ろよ、とか。つまり誰か寄ってくるってことは含み済みなんじゃないかしら?

ここでは、題名にもなっている「赤い服」は若い女の子の魅力の象徴です。Little(小さい)いうことは、自分が男性を(性的に)魅了できることを知り始めたばかりで、まだ自分を守る術を知らない、って意味でしょう。

森ではママも守ってくれない。とにかく一人でいなくてはならない場所だから。どうしてかって言うと、彼女が自分の男を見つける場所だから。そういう時はママとかおばあちゃんは助けることができないでしょう。少なくとも自分の異性は保護者に選んでもらうもんじゃないよね?(あとでアドバイスしてもらうことはできたとしても)

誰もが覚えがあるむっちゃ難しい課題

そうなると、この物語における「オオカミ」は単なる敵、単なる天敵の象徴ではないってことになります。
彼は誘惑者であるだけでなく、仮に「良い」人であれば将来のパートナーになる可能性があるかもよってこと。しかし、このお話においては、まだそうじゃなさそうです。こいつは二人を食った上で、滅ぼされるからね。

それに、この女の子はどんな男性が自分の男性として十分「よい」かをまだ学んでいないから課題を出されるわけで。そして、ほとんどの男の子はただ「ハングリー」である傾向があるわけだけど、それも知らないわけです。だから食われるのだと思います。(ついでながら、食われても腹の中からまた蘇る、というモチーフは、「(男選びに)失敗しても次があるよ」という教訓の象徴だとあたしは思っております。はい)

愛のないハングリーは、彼女にとっては有害です。この害で傷ついて、人生が終わりになることだってあるでしょう。グリム版ではハンターがお腹切って助けてくれますが、ペロー版では食われておわり、です。(ペロー版の読者は主に良家の子女がターゲットだったそうですから、処女を失えばほんとに終わりだったのかも。それはうがちすぎの見方でしょうかね?いやいや)

そしてね、たとえこのオオカミ君が彼女を愛していたとしても、彼が彼女の男としての審査に合格するとは限らないとは思いませんか?

ここまで考えた時、頭の中で自分の母の声を聞いた気がしました。

------ほとんどの男は、あなたを食べることにしか興味がないから、注意するべきよ。でも、早く「良い人」を見つけて選びなさいね。

言葉で言われたかどうかはともかくとして、母の教えってこれを含んでいたわよ。確かに。絶対。

オオカミ(言うまでもなく男性一般の象徴)は時には優しそうな顔をしているけど、外見に騙されてはダメよ。賢く振る舞って、リスクは避けて生き残るのよ。 モテないままでいいという意味じゃないわ。全然モテない女なんかダメ!いい人を見つけるために、(赤い頭巾かぶって)可愛く目立ちなさい。でも、選んだ人以外の奴らに食われないようにね(なるべく)。生き残れば、「いいオオカミ」があなたを他の人から守ってくれるでしょう。(狩人がしたように?)

わあ、この課題難しい。冗談抜きでめっちゃ難しくありません?

でも、これって、思春期に「おいしそうに見える」ようになってから、女性なら誰でも経験しなければならないミッションじゃないですか?あなたにも覚えがあるはず。

もしそうなら、私たちはみーんな、このダブルバインドに覆われた課題を持つ赤ずきんちゃんの仲間なのではないでしょうか?

だれもが赤ずきんであるなら

これがあたしがこの物語に夢中になった理由です。お母さんやおばあちゃんも、この問題を抱えながら生きてきたという点では、少女と同じだということに気づいたわけです。みんな赤ずきんじゃん?

そして、女性を取り巻く「この課題」を表すものとして、赤ずきんをモチーフとする作品をたくさん描くようになりました。私たちは皆、赤ずきんなのだと知れば、この物語はさまざまに分析でき、何百ものバリエーションにひねり出すことができるからです。

そうやって、私の妄想は始まりました。ハマったってことです。

続きはこちら(赤ずきんのもとになったと言われる古い民話はもっと印象的でしたので)


おひねりをもらって暮らす夢は遠く、自己投資という名のハイリスクローリターンの”投資”に突入。なんなんだこの浮遊感。読んでいただくことが元気の素です。よろしくお願いいたします。