G-net主催イベントで複業研究家の西村創一朗さんと話してみて
3/13(土)に、イベントに登壇しました!
2020/6/20に製品をリリースしたころには、こんなふうに複業についてイベント登壇させていただくことになるなんて…
考えすらしませんでした。
うちの社長、働き方、チームについての軽い紹介は上の記事で書いています。
詳しく知りたい方は、読んでみてくださいね。
今回のイベントの趣旨
今回のイベントはふるさと兼業でお世話になっているG-netさんが主催してくださいました。
ふるさと兼業とは?
ふるさと納税からインスピレーションを得てネーミング。
ふるさとに収めるものは税金ではなく、共感から始まる兼業。
故郷に自分の力を投資するというイメージです。
具体的には、”こんなことやりたい!”に対する共感と熱意で選ぶプロジェクト型兼業プロボノマッチングプラットフォーム。
給与や待遇等の条件ではなく熱量を持って参画した人材とビジョンやコンセプトを持って新しい挑戦をする企業や団体をマッチング。
ですが、ふるさと兼業はマッチング事業というよりは地域に根ざしたコーディネート事業であることを大切にされています。
地縁でも血縁でもなく挑戦でつながる縁づくりを目指している事業です。
このふるさと兼業を通して、うちは兼業スタッフを10名受け入れました。
その事例として、今回のイベントに呼んでいただきました。
イベントの趣旨
これまで250件、450人超えのマッチングをしてきたG-netさん。
今回のイベントでは、事業規模に関係なくこの指とまれで集まるメンバーと新しい挑戦を始めた人と地域の新しい関係、組織の関わり方は、今後どうなっていくのか?
そこにある可能性や落とし穴は何か?
について、複業研究家側と事例側、コーディネート側のそれぞれの立場から考えたい!ということでした。
イベントの冒頭では複数の兼業事例をご紹介いただきました。
とても興味深い事例ばかり…!うちももっと、兼業人材チームで新しい成果を生み出すべくチャレンジしていきたい!と決意を新たにしました。
当日のタイムスケジュール
14:00-14:15 オープニング、趣旨説明 /ふるさと兼業の取り組み紹介
14:15-14:40 西村さん キートーク
14:40-14:55 シンクロアイズ 実践事例紹介
14:55-15:00 休憩
15:00-15:45 西村さん、シンクロアイズ代表によるパネルセッション
15:45-15:55 質疑応答
15:55-16:00 クロージング
当日は上記のような形でイベントが進みました。
順を追って、どのような内容だったのか…そしてこれからどうなっていくのか?
詳細を書いていきますね。
複業研究家 西村創一朗さんが語る「複業」を取り巻く現状と地域における課題
最初に話してくださったのは複業研究家の西村創一朗さん。
西村さんの経歴紹介
複業研究家として多くの企業個人の複業支援をしてきた方で、モデレーターとしても活躍ています。
詳しくはこちら
まずご自身の経歴から紹介してくださりました。
現在は、独立されている西村さんですが、もともとはリクルートで会社員をされていました。
もともとは、一生サラリーマンでいるつもりだったそう。
そんな西村さんがなぜ複業を始め独立に至ったのか…?
と思いつつ話を聞くと
法人営業部門にいたそうですが、ホントは学生から新規事業を作りたかったそう。
ただ、新卒すぐに規事業立案部門に入ることはなかなかできません。
営業部門でしっかり成果を出して、移ろうと思い頑張ったそう。
ただ、入社してわかったことは、営業で実績を出しても営業内で出世していくコースはあっても新規事業立案部門に移ることは難しいという現実。
そこで絶望し、転職も考えた西村さん。
ただ、この時点で家も買っていて子供も二人いた。
転職を相談すると、嫁に「家族にメリットない!リクルートでできることやりきったの!?」と言われ、リクルートでやれることをやってみよう思いブログを開設。
この経験から、西村さんは
「仕事とやりたいことのギャップがあるとき、どうしても転職するか…?と考える。けれども、複業をしてそのギャップを少しでも埋めることで結果的に仕事でやりたいことができたり転職につながったりすることがあって、複業にはそんな可能性がある。複業ってものすごくいい働き方の選択肢じゃないか?」
とおっしゃっていました。
ただ、当時は複業禁止の時代。
複業の良さを知った、西村さんは副業禁止の会社をゼロにするという思いから、複業研究家の道をあゆみはじめることに。
複業の教科書を書いたり、経産省「我が国産業における人材力強化に向けた研究会」の委員として活動されたりしてきました。
さて…
ここで一度言葉ので意義を考えてみましょう。
副業と複業ってどう違うのでしょうか?
端的に言うと副業はその名の通り副収入という側面が強く、目的が収入を得ることになります。
複業の場合は、お金を稼いでいる場合もありますが、複業で得た知識や経験をもとに社会貢献、自己実現していく働き方です。
西村さんは複業を使っておられ、我々のチームも複業人材、兼業人材しかいません。
2016年、ロートショックが起きたところから複業に関しての社会的な流れについて教えてくださりました。
2018年に、モデル就業規則が改定されて原則複業禁止から複業容認せよという大きな転換があったことは…正直私は知りませんでした…!
確実にここから副業解禁の流れは進んでいきます。
複業は首都圏のトレンドか?ということに関しては、実際は地方への影響も大きく、地方も人手不足を改善するような形で地方にも採用の流れがきているとのこと。
みなさんもご存知の通り、特にコロナで副業は加速しました。その理由は、複業解禁されたことに加えて、在宅勤務が進んだ結果、複業をやりたい人ができるようになったということがあります。
つまり、在宅勤務で通勤時間がいらなくなって可処分時間が増えたから、複業をする時間が確保できるようになったということです。
他にも、ウェブ会議、オンラインチャットツールが広がったことで、時間と場所の成約がなくなったからという背景もあります。
コロナ前は、地方でこれらのツールが導入されていることは少なかったですからね…。
今後、この複業×地方の流れはどんどん加速するだろう、ということで西村さんのキートークは終了しました。
うちの社長が語る 兼業者20名を3ヶ月雇ってわかった兼業者側の気持ちと企業側の気持ち
ここからは、タイトルの通り、うちの社長が語る兼業者を20名雇ってわかった兼業者側の気持ちと企業側の気持ちについてお伝えしていきます。
うちの会社は、社長含めて全員兼業という新しい事業展開の仕方をしています。
働き方の概要については上の記事で紹介しているので興味のある方は読んでみてください。
最初に製品の紹介をさせていただきましたが、これについては割愛します。
製品の理念は新しい働き方を支えるもの。
そんな製品を売る会社だからこそ、新しい働き方をしなければ…!
現実的に田舎のベンチャーに人が来ない…普段関わりのない人と知り合いたい!という現実もありました。
こうして、全員兼業という新しい働き方がスタートしました。
そんな決意をしたタイミングで、ふるさと兼業を知ったうちの社長。
そこで10名の兼業者を採用しました。
兼業者に社長がしたこと
それは兼業やビジネスへの価値観を伝えること。
・リスクを取らないことが最大のリスク
・お金だけではなく、やりがいマインドの重要性
・意識的に多様な縁を作ることこそが社長の仕事
・自分が楽しんだ先に貢献する(まずは楽しみましょう)
いい意味でおまかせでスタート。
その中で、兼業者側はどう感じたのだろう?ということついて紹介します。
兼業者の声
以上が実際の兼業者が作ってくれたスライドです。
かなりリアルな声ですよね?
さて…これに対してい受け入れ側はどう感じていたのでしょうか?
これらがメリットと課題です。
ただ、社長曰く、いろいろあったけど兼業者を実際受け入れてみて、100点満点とのことでした。
マイナスもあるけどそれ以上の効果とのこと。
今、受け入れについて悩んでいる経営者の方は、マイナスに対策をしながら受け入れてみてはどうでしょうか?
パネルセッション
パネルセッションではGnet代表の南田さんのファシリテーションの下、西村さんとお話させていただきました。
まず、西村さんにうちの会社の事例についての感想をいただきました。
複業メンバーだけでやるって例が少ない、持ち味を活かすというところまでいかないが、それができているのがスゴイ…!
とのこと。
そう言ってもらえると嬉しいですよね~。
そんなうちの事例について
兼業人材で全てやるというのは変な部類だと思うが、地域の実情は?(南田さん)
武井さんは属人的すぎて事例にならない、と言われる。でも、キャラでやったと思われたくないし、これを中小企業の勝ち筋にしたい。これがうちの社長の思いです。
そのために必要なことってなんだろう・・・
それは、中小企業が兼業者を受け入れる前に、「兼業ってこういうものだ」ということを伝える、ことだそう。
どうしても、兼業人材の受け入れについて何もわからないまま、流行に乗っかるような形で受け入れると双方が不幸になってしまいます。
兼業者側にも住んでる世界があって、会社側にもこれまでのやり方がある。双方の意識が違うということを事前コンサルが必要となりそうです。
(全員兼業という新しい働き方で事業をすることに対する) 周りの反応は?(南田さん)
これについては、社長曰く「正直いうとわけわからんって思われてそう…(笑)」だそう。その中でも、「こういうのをやるという声を上げるが大切で、いつか、こんなこと言ってたなって思ってもらえるはず。」と思ってやっているとのこと。
うちの社長は、この働き方が「中小企業の勝ち筋、生き残り戦略」になると強く思っています。その中で、この働き方を誰もがハッピーになるように広める!!そんなミッションを感じて情報発信しています。
複業に取り組んで、ネガティブなことは?(南田さん)
今の社会の中でトレンドになりつつある複業。そんな複業に取り組んだ事によって生じるネガティブなことは何なのか?西村さんに聞いてみました。
西村さん
意識を間違えると、すれ違いが起きる。企業側が兼業者に求めてくるものを提供し続けなければならないと言うギブアンドテークの関係。良いものが出てきたときに、フィードバックしないと続かない。金銭以外の価値を与えられることが大切。意識改革が必要な会社があるのは確か。あとは、兼業人材を作業者にしないが大切。
トラブルとまではいかない早期離脱例はよく聞く
離脱が起こる例としては、受け入れ企業側が兼業者の提案に対して「うちはこういうやり方だから(それはしない)」という古い価値観の押し付けをしてしまし、提案にうまく乗っかれない
→こういった例は、兼業者のモチベーションを下げてしまい長続きしないそう。
複業そのもののデメリットというよりは受け入れ態勢の課題・マインドのアップデートが必要とのことでした。
うちの社長も、「うちみたいな中小企業にはできないではなく、だからできる」と言っていました。
南田さん曰く、ふるさと兼業のイベントもこれまでいろいろなトラブル例があったよう。いずれもコミュニケーションやすり合わせが不足していたようです。
また、ふるさと兼業では「仕事のお願いの仕方がわからず、結果的にほったらかしになってしまう。会社外の人材をどう管理して良いかわからん。」という声もあったそう。
なかなか新しいことに取り組むには分からないことや壁がありそうですね。
うちの社長もふるさと兼業経由で人材を受け入れてたくさんの経験をして成長したと言っていました。
まずは何事も最初の一歩を踏み出すことで世界は変わるのかもしれない…私はそう思ってこれらの話を聞いていました。
確かに、いろんなトラブルは起きるし、壁もある。でもそれを成功例を参考にして乗り越えながら進んでいくことで、見える世界は今よりきっと良いものになるのではないだろうか?
現状維持は退化
そんな言葉が頭に浮かびました。
次、人材を募集するならどこを改善しますか?(南田さん)
これに対してうちの社長は、
・やりたいっていう人は全員取る
・お金ではない価値を提供できる点を強く伝える
・理念とかビジョン、やりがいのある仕事を提供するという点に共感してくれた人をとる
※半分が離脱するという前提で採用する
とのこと。実際、今回のふるさと兼業では半分が離脱しました。
おそらく兼業でうまくいくコツは、全員としっかりやりきろうとするのではなく、採用のハードルを低めに設定し、途中で合わない人とは「価値観が合わないこともあるよね。」と気持ちよくお別れすること。
これがお互いストレスを貯めず、素敵な人材に出会う確率を上げる最適解だと、社長は言っていました。
データ調査ではお金が一位になる中で、お金じゃない複業は今後どう広がっていくのか?(南田さん)
この問に対する西村さんの答えに、私は「そうか…!!!」ととても納得しました。
西村さんがどう答えたかというと…
まず、お金だけ目的にした複業は続かない、3ヶ月くらいで6~7割程度が辞めてしまう。
確かに、複業に興味ある人(複業を始めていない人)の8割がお金に興味がある。
でも、実際に複業をやっている人は、「本業で得られない繋がり・スキル・経験が得られる」というところに複業のメリットを感じている。
今後複業をやっている人が増えてくれば、世の中全体で複業の価値はお金より繋がりやスキルといった点に価値を感じる人が増えてくるはず。
そして、複業の目的はお金じゃないとはいえ、お金は通知表であり、リスペクト。
最初3ヶ月はタダでもいいかもしれないが、本人の価値に見合ったお金を払うのは、リスペクトであり、モチベーションに繋がる。やりがい搾取にならないような、ウィンウィンの関係が必要。
これを読んであなたはどう思いますか?
もし、複業を始めたいけどまだ始めていない人なら…
最初はお金でもいいかもしれませんが、それだけでは長く続かないかもしれませんよ…?
もし、受け入れ側企業だとしたら…
やりがいも提供しつつ、相手の兼業者をリスペクトしていますか?
この他にもいろいろなディスカッションをしましたが、長くなりすぎてしまうので、また別の機会に…!
まとめ
今回、G-netさん主催のイベントで複業研究家の西村創一朗さんと対談することが叶いました。
これからも兼業人材とお互いが幸せになれる関係を築きつつ、新しい働き方を提唱する先駆者として事業展開していきたいと思います。
今後も情報発信をし続けますので、ぜひまた見に来てくださいね。
長文を読んでくださり、ありがとうございました。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!これからも引き続き、読んで楽しいnoteを書いていきます!また来てくださると嬉しいです。