Syncable 料金変更のお知らせと今後のお話
Syncableをご利用の皆様へ
いつもSyncableをご利用いただき、誠にありがとうございます。お陰様でSyncableは昨年12月26日でリリース3周年を迎えることができ、登録団体数は700を超え、500を超える団体に公開、ご利用いただいております。
この度、Syncableをよりよいサービスとしていくべく2020年2月1日より料金変更を行う運びとなりましたので、経緯や今後の展望含めてご報告させていただきます。
料金変更について
2020年2月1日以降の決済より、現決済手数料2.95%を5%へ引き上げることとなりました。
※ Amazon Pay決済手数料5%、キャンペーン利用料6%は据え置きとなります。
日頃よりSyncableをご利用いただいている皆様にはご不便をおかけしますが、手数料以上に今よりも寄付の集まるサービスへとしていきます。
なぜ決済手数料2.95%としていたか
Syncableはこれまで決済手数料2.95%と、決済代行会社の提示する卸価格2.95%のままで提供してきました。
サービスリリース当初、一部を除いてインターネットを活用したNPOのファンドレイジングは今ほど盛んではなく、その課題感についても様々な団体よりヒアリングを重ねました。
その中で、インターネットでのコミュニケーションが当たり前になる中、常時寄付の受け皿となる決済フォームをあらゆるNPOが当たり前に持っているべきだと感じました。
その結果、Syncableの標準機能の一つに、自団体の寄付フォームとしても活用できるように「寄付決済時に会員登録不要で、ユーザーフレンドリーな決済フォーム」を搭載しました。
そして、このような誰しもが当たり前に持っているべき機能から利益を得るかどうかという議論を重ね、決済手数料では利益を取らない形で運営してきました。
なぜ手数料の変更を行うことにしたのか
大きくは登録団体が増えていく中で、特に利用団体に対する「現状の役割やニーズの再認識」、その上で「よりよいサービス提供を行うための体制強化」を目的としています。
先に、Syncableのこれまでのデータについて軽くお話します。
まず、登録団体は2020年1月23日時点で736団体となっています。お陰様でほとんどプロモーションを行うことなく、直近では毎月50〜60団体に登録いただいています。
そのうち約20%の154団体が法人化前の任意団体と、初期・月額費用が無料ということもあり、設立間もない団体が多いのが一つ特徴となっています。
※ 認定NPO法人などの税控除対象の団体も約16%の119団体と、全体で見ると幅広い年次、規模感の団体に登録いただいています。
次に流通額について、1年目に対して2年目が約765%、2年目に対して3年目が約411%と成長してきています。しかし、月あたり数百万円規模で集める団体がある一方で、多くが数万円〜数十万円であったり、ほとんど集まっていない団体も存在しているのが現状です。
まとめると、現状は以下のようになります。
以下、改めて料金変更の目的についてです。
利用団体に対する「現状の役割やニーズの再認識」、その上で「よりよいサービス提供を行うための体制強化」を目的とするということでした。
現状の役割やニーズの再認識について
上述の通り、思ったほど寄付を集められていない団体が多く、ヒアリングを進める中で「導入はしたが、具体的に寄付の集め方がわからない」「機能を使いこなせていない」などの声を多くいただきます。
もちろん寄付を集めることは簡単なことではないですが、多くの設立間もない団体に期待を寄せていただいてご登録いただいている特徴を持つ中で、率直にこの現状は良くないと思いました。
そして、直近ではこの課題解決を図るべきで、そのためのサポート面や機能面における投資を行うべきではないかということから決断に至りました。手数料が安くても寄付が集まらなければ目的を果たせておらず、収益とサービスレベルの均衡を整えようということです。
もう一つ決断要素はあります。団体の規模感に応じたSyncableの使われ方です。
ある程度の規模や運営歴の長い団体においては、既に自前の寄付フォームを持っていることが多く、Syncable固有のバースデードネーションをはじめとしたキャンペーン機能などを主にご利用いただいています。
そのため、現状そういった団体様に対して通常の決済手数料引き上げによる影響度は抑えられるのではないかと思いました。
今後のサービス強化について
中長期で様々な企画を進めていますが、直近での強化については以下のようなものを予定しています。
・ファンドレイジングのサポート強化
団体のステージや状況に応じた最適な利用方法の誘導をノウハウの公開や機能面において強化していきます。また、ファンドレイジングの目標達成に向けた直接支援のプランも広げていきます。
・寄付フォームのCVR向上
ご好評いただいているSyncaleの寄付フォームですが、フォームでの離脱をさらに軽減するためのリニューアルや再訪問の施策を行っていきます。
・決済手段の拡充
現状、VISA / MASTER、及びAmazon Pay(税控除対象の団体のみ)に対応していますが、JCB / AMEX、口座振込・振替、コンビニ決済、電子決済など様々な決済手段を拡充していきます。
※ 2.95%のままだとJCB /AMEXなど、他の決済手段の拡充が難しく寄付機会が損なわれるケースもありました。
2022/11/1追記:いままでにJCB/AMEX、口座振込が拡充したほか、この秋よりDinersとDiscoverも使えるようになりました!
・寄付管理のSalesforce連携
標準機能として寄付者管理機能がありますが、より発展的な管理やCRM施策を行えるようSyncableの寄付者データとSalesforceとでスムーズな連携を図れる機能を開発します。
・バースデードネーションをはじめ、キャンペーン機能の強化
キャンペーンの作成フローの改善をはじめ、団体がスタッフや支援者をより巻き込みやすくできるような機能を開発していきます。またキャンペーン作成者と寄付者の体験の向上にも注力していきます。
このような強化をもって、今回の料金変更がネガティブなものではなく、「前よりも寄付を集めやすくなった」「自前のフォームよりもSyncableの方が寄付を集めやすい」等々、ポジティブなものなるようにしていきます。
Syncableの役割と目指していること
まず、ご存じない方もいらっしゃるかと思いますが、Syncableは株式会社STYZで運営しています。
STYZのミッションは、「民間から多種多様な社会保障を行き渡らせる」です。
行政の役割として、税収をもって制度設計や金銭の直接支給・分配の最適化を図っています。この活動自体は非常に大事なことですが、社会が複雑化する中でこれに頼り切るのは難しいです。
一つの定義として理想と現状の差分を課題だとしたときに、どのように課題が生まれるのかというと認知と相対性というキーワードが大きいのかなと思っています。
インターネットにより、私たちの世界は広がりました。身近なところから知らない誰かの考えや声、出来事に触れる機会も増え、自ら声を上げることもできるようになりました。
すなわち、これにより認知の機会、理想の誰か・何かと自分、あるいは他者の環境を比較する機会が増えています。そして、これまで潜在的だったものが顕在的な課題として認識される機会が増えたのだと考えられます。
このスピードはSNSによってより一層増しています。さらにマクロな動向である人口減少や高齢化といった話が入ってくるとより一層話は複雑で、一つの課題を解決しても、また次の課題へと広がっていきます。
ここで必要となるのが小回りの効く、身近な困っている人のことを知っている民間事業者による課題解決だと考えています。そのための一つの大きな役割としてNPOが存在していると考えています。
身近な課題を構造化する、トライして解決策を生み出す、それを抽象化して広げていく、そして解決のためのコストを下げる。この繰り返しにより、課題解決のスピードを上げていけるものと思っています。
しかし、そのための資金や人材が不足しているのが現状で、その一つのソリューションを「寄付」と捉えています。
そうした背景よりSyncableのサービスミッションとして「社会にオルタナティブなお金を生み出す」を掲げています。オルタナティブなお金を現状では寄付としています。そのため、「Syncableがあったこらこそ生まれるお金を1円でも増やす」ことが私たちの役割です。
※ もちろん、身近な誰かのために頑張っている人を応援したいというシンプルな気持ちも強いですが!
だからこそ、冒頭の誰もが簡単に導入できる寄付フォームをはじめ、バースデードネーションという機能やコンセプトの創出、ビットコイン寄付、寄付のポートフォリオ機能、Amazon Payでの寄付機能公開、短期間で継続寄付者を集めるマンスリーファンディングの一般化など、新しいファンドレイジングの方法を提案しています。
今後も変わらず、私たちのスタンスは今までにない機能やコンセプトの提案です。今年中にはもう一つ大きな新プロダクトを発表する予定でプロジェクトを進めているので、楽しみにしていください!
最後に
長文をここまでお読みいただきありがとうございます。
今回の料金変更についてよく思わないご利用者の方もいらっしゃるかもしれません。だからこそ、このような形で料金変更の経緯や今後のお話含めて書かせていただきました。
必ず今後のサービス運用を通して、ポジティブに捉えていただけるようにしていきますので、是非変わらずSynacbleをご利用いただけますと幸いです。
また、まだSyncableに登録されていない団体の方も、是非期待値を込めてご登録いただけますと幸いです。全力でサポートさせていただきます。
これまで「なんでこんな難しい事業領域をやっているの?」という声を多くいただいてきました。確かに運営する中で難しさを感じていますが、諦めず粘り強く続けてこれたからこそ、多くの団体にご利用いただいて、今の状況があると思っています。もちろん事業としてまだまだ満足の行く結果は出ていませんが。
最後に一つ、今回の料金変更は永続的なものではなく、ビジネスモデルの改善に努めながら手数料0%に近づけていけるようにしたいと思っています。
今後も皆様のご期待に添えるよう、どんどんチャレンジをしていきますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。