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音楽制作:音階(スケール)の基礎知識

このテキストコンテンツでは、音楽用語でよく耳にする音階について説明します。楽器演奏者の間で、音階はスケールと呼ばれることが多いです。音階またはスケールについて何も知らない方を対象としていますので、短時間で最低限の基本知識のみを知りたい方に読んで頂けたら幸いです。

アルファベットの音名

まず始めに、音の名前(音名)だけ覚えましょう。みなさんが良く知っている「ドレミファソラシド」から始めます。「ド」に対応する英語の音名はアルファベットの「C」になります。下の図で示す通り、「ド」「レ」「ミ」「ファ」「ソ」まではそれぞれ順番に「C」「D」「E」「F」「G」です。「ラ」に対応する音名で「A」に戻って、「シ」「B」に続きます。

M001:音階(スケール)の基礎知識_1

音楽に馴染みのない方は、中途半端な「ラ」が何故アルファベットの「A」になるのか不思議に感じるかもしれません。「A」に「ラ」を割り当てた理由は諸説ありますが、私は「ラ」という音が440ヘルツで基準になる音であること、楽器の調整(チューニング)で「A」から始めることが多いことを考慮すると理にかなっていると思っています。

メジャースケールのルール

ドレミファソラシドに対応するアルファベットの音名を理解したところで、早速、スケール(音階)について紹介します。スケールとは音の並び方のことで、始まりの音名(例えばC)から高い音に向かっていって、同じ音名(次の高さのC)に到達するまで、特定のルールで並べたものです。スケールは様々な種類がありますが、まずは最も基本的な「メジャースケール」のルールを紹介します。

M001:音階(スケール)の基礎知識_2

メジャースケールのルールは、始まりの音から順に高い音を選ぶときに、

①全音 ②全 ③半 ④全 ⑤全 ⑥全 ⑦半

という順番で並べるルールに従ったものをメジャースケールと呼びます。半音とはとなりの音のことです。半音高い音とは、ピアノの鍵盤でいうと右隣の鍵盤を指します。「C」の隣は「D」ではないか?と思う方がいるかもしれません。ピアノの鍵盤を見ると判りますが、「C」の隣は「C」と「D」の間の黒い鍵盤(黒鍵)になります。「D」の半音高い音も、同様に「D」と「E」の間の黒鍵になります。「E」の半音高い音は「F」になりますが、これは「E」と「F」の間に黒鍵がないことから判ると思います。
全音とは半音2個分のことです。つまり、メジャースケールは最初の音から高い音を「全・全・半・全・全・全・半」というルールで積み重ねて並べた音階(スケール)ということになります。

Cメジャースケール

ここまでの説明で、メジャースケールのうち「Cメジャースケール」をすでに学んだことになります。「C」から始まって、「全・全・半・全・全・全・半」というルールで並べたものがCメジャースケールです。このルールで「C」から並べると黒い鍵盤(黒鍵)を使わないスケールであることが判ります。

M001:音階(スケール)の基礎知識_3

メジャースケールは明るい曲調で使われることが多いです。日本語では「長調(ちょうちょう)」と呼ばれ、Cメジャースケールは「ハ長調」となります。これは、英語の音名「A・B・C・D・E・F・G」が、日本の音名で「イ・ロ・ハ・ニ・ホ・ヘ・ト」で言い換えられるためです。従って、Aメジャースケールは「イ長調」、Eメジャースケールは「ホ長調」になります。

Fメジャースケール

「C」から始まって、「全・全・半・全・全・全・半」というルールで並べたものがCメジャースケールでした。Fメジャースケールは「F」から始まって、同じルール「全・全・半・全・全・全・半」で並べたものです。
ポイントは最初の半音の部分です。「A」から「B」に飛んでしまうと、「半音」上がるルールに違反してしまいますので、しっかり「A」のとなりの黒鍵に移動させる必要があります。この黒鍵は「B」を半音下げた「B♭(フラット)」と呼びます。フラット(♭)は、半音低い音のことです。以下の図の通り、「B♭」の次は全音移動になるので、2つとなりの鍵盤となる白い鍵盤(白鍵)の「C」に戻ります。

M001:音階(スケール)の基礎知識_4

Gメジャースケール

「G」から始まって同じメジャースケールのルール「全・全・半・全・全・全・半」で並べたものが、Gメジャースケールです。
ポイントは最後の半音の部分です。「E」から「F」に飛んでしまうと、「全音」上がるルールに違反してしまいますので、しっかり「F」のとなりの黒鍵に移動させる必要があります。この黒鍵は「F」を半音上げた「F#(シャープ)」と呼びます。シャープ(#)は、半音高い音のことです。以下の図の通り、「F#」の次は半音移動になるので、1つとなりの鍵盤となる白い鍵盤(白鍵)の「G」に戻ります。

M001:音階(スケール)の基礎知識_5

マイナースケールのルール

基本的な「メジャースケール」を理解したところで、次に「マイナースケール」のルールを紹介します。始まりの音から次の高い音を選ぶときに、

①全音 ②半 ③ ④全 ⑤ ⑥全 ⑦

という順番で並べるルールに従ったものをメジャースケールと呼びます。以下の図は白鍵だけを使うAマイナースケールです。最初の音「A」から高い音を「全・・全・・全・」というルールで積み重ねて並べた音階(スケール)になっていることがわかります。

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マイナースケールは暗い曲調で使われることが多いです。日本語では「短調(たんちょう)」と呼ばれ、Aマイナースケールは「イ短調」となります。従って、Cマイナースケールは「ハ短調」、Cメジャースケールは「ハ長調」になります。

Cブルーノートスケール

応用編のスケールは沢山ありますが、私が一番好きなブルーノートスケールを最後に紹介します。始まりの音から次の高い音を選ぶときに、

①半音+全音 ②全 ③半 ④半 ⑤音+全音 ⑥全

という順番で並べるルールに従ったものをブルーノートスケールと呼びます。半音+全音(つまり半音3つ分)離れていたり、メジャースケールやマイナースケールと比較して構成する音が1つ少なかったり、かなりクセが強いスケールであることが判ると思います。以下の図はCブルーノートスケールです。このスケールの特徴は中盤の「F」「F#」「G」の半音が連続する部分です。ブルースやジャズといったジャンルでよく使われるスケールなので、このスケールを使ったフレーズは日常でもかなり耳にすることが多いです。

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最近は、スマートフォンやタブレットでピアノの鍵盤を演奏できるアプリがありますので、このコンテンツで出てきたスケールを是非演奏してみてください。特に最後のブルーノートスケールは、素人が適当に弾いてみるだけでも、かなりオシャレに聴こえますのでお勧めです。


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