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アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』読書メモ

こんにちは。

最近、書店でよく見かけるこの本。

最近、あえてSNSを見る時間を減らしたり、iPhoneを使わない時間を増やしていたところなので、買って読んでみました。

読書メモ、ということで、今手元に本がない状態なのですが、記憶を頼りに思い出しながらメモしていこうと思います。多分、本が手元にない状態でも記憶に残っていることは重要だと自分で認識できているはずなので、あえて本は見ずに書いていこうと思います。

進化心理学の知見

まず、この本でも大前提とされているのは、進化心理学的な知見です。つまり、狩猟採集民族として生活していた時の脳の構造と、現代人の脳の構造には大差がないのに、人間を取り巻く環境だけが進化していってしまい、その結果、脳と環境のミスマッチが起きていることが、現代人の不調の原因になっている、という考え方がもとにあります。

これはパレオダイエットなどの食生活などにも言えることです。この進化sん理学的な知見から見ていくと、現代という時代が、人間の生きてきた長い年月の中でもどれだけ異色な時代かがわかります。

集中力という不思議な能力

現代では、「集中力」というのは生活や特に仕事をしていく上で必須のスキルのように言われています。

では、「集中」しているとはどのような状態なのか。

簡単にいえば、一つの物事に没頭していて、周りのことが見えていない、考えられていない状態と言えるでしょう。

ですが、人間が生きてきた長い年月、特に狩猟採集民族だった時代に置き換えて考えてみると、この「集中力」を発揮しているというのはかなり危険な状態です。

なぜなら、狩猟採集民族の時代は、常に生死を分ける危険と隣り合わせだったからです。猛獣との遭遇、他の人間との争いなどなど。その危険を察知するためには、むしろ「気が散っている」状態が適していたわけです。

先ほども言った通り、集中している状態というのは、周りが見えていない、考えられていないという状況です。そんな状況で狩猟採集民族だった時代を生き延びることは難しかったでしょう。

ですが、今は違います。少し気を抜いているだけで生死を分ける状況などになることは基本的にはありません。その代わり、狩猟採集の時代よりも遥かに多くの気を散らす要素があります。特にスマホなどのデジタル情報はその最たるものです。

それにもかかわらず、現代人に求められている能力は「集中力」なわけです。脳の構造上は、狩猟採集の時代と変わらず、気を散らすことを優先しており、さらに狩猟採集の時代よりも気を散らす要素が遥かに多いにもかかわらず、何か1つのことに集中して取り組むことができる力が求められている。

こう考えてみると、「集中力がなくて…」と困っている人は別に病気でもなんでもなく、「人間として当然の反応」をしているにすぎないことがわかります。むしろ、「集中力がある人」というのが異常なわけですから。

とは言っても、現代の環境や仕事においては、「集中力」が求められています。では、どのように集中するか。つまり、どのようにデジタル情報と向き合うべきか、を考える必要があります。

スマホとどのように付き合うか

月並みな方法にはなりますが、3点ほど対策を。

・スクリーンタイムを画面上に表示しておき、1日どの程度スマホを触っているのかに自覚的になる。

・画面の色彩をグレースケールにする。

・おやすみモードなどにして基本的に通知をなくす。

仕事上、通知を一切なくすというのは難しいという人もいると思いますが、もしメールなどの返事を即返す必要のない仕事などに就いている人は、メールをチェックする時間、返信する時間をあらかじめスケジューリングしておくなどの対策をとることで、通知を切ることもできるかも知れません。

オススメは、やはりスクリーンタイムの表示です。どれだけ無駄な時間を過ごしているんだ…と後悔の念に駆られること間違いなし。ウィジェット機能で早速追加しておきましょう。

グレースケールの設定にしておくと、SNSの魅力、とくにインスタの魅力が皆無になります。あまりに面白くないので、写真が好きな人にはかなり苦痛でしょう。クリエイティブ系の人には難しいかも知れませんが、ただ単にSNSで時間を浪費してるなぁ…という人にはオススメの方法です。

著者は、1日2時間程度にスマホの使用時間を抑えることを提案しています。その他、教育や精神面へのスマホの影響などについても語られていますが、そのような影響についてはまとめるまでもないかな、と思いますので気になった方はぜひ手に取って見てください。

それでは。


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