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プロダクトも、組織も、唯一の解は目の前の「人」から逃げないこと。

久々の追noteです。今回はこちらのツイート。

異なる環境、事象から本質的な共通項を見出して、そこから普遍的な真理、原理原則を導き出すのが大好きなんですが、今回はいわゆる

「ものづくり」と「組織づくり」

における洞察。

私のキャリアとしては社会人歴14年で圧倒的に「ものづくり」側の人間ではあるものの、直近3〜4年でその戦歴に負けないぐらいの「組織づくり」に現場、ミドル、トップとして向き合ってきました。
そして時代がテクノロジーの進化、AIによってロジカルの世界がハイスピードでコモディティ化していく「今」にあって、必然的に我々人類が向き合うべき対象が論理と情理を内包した「人」に帰結していくあたりが、とてもワクワクしています。

「ものづくり」における「人」

こちらのコンテキストでは単純化すると

人=ユーザー

プロダクト、サービス作りにおいて最も重要なことは誰よりも自分たちの(対象の)ユーザーに詳しくなって、そんなユーザーが本当に必要なサービスを作ること。究極はイタコになることなんですよね。

至極当たり前の話なんですが、これが実は意外と難しい。
物事には必ず慣性が働くので、出発点は自分がユーザーとして本当に欲しいものから出発したはずなのに、気がついたら様々な「思い込み」と「バイアス」が積み重なっていく。
愚の骨頂なのが市場ギャップやビジネスモデル、一過性のトレンドから最後までユーザー無視で入るパターン。1/1000のラッキーパンチはあっても、そんなわずかな確率に賭ける今のビジネス環境は甘くありません。

そんなものづくりの本質を、声高にスタートアップ界隈で発信続けているのはやはり本場のシリコンバレーであり、著名な登場事物でいったらYコンビネーターのポール・グレアムだったりします。

今一度、引用します。創業時のザッカーバーグを引き合いに出し

スタートアップで成功するために、スタートアップの専門家になることではない。では何の専門家であるべきか、それはあなたの「ユーザー」に対してだれよりも専門家であるべきだ。さらに言えば、その事業ドメインに関して誰よりも詳しくなければならない。

誤解しないで欲しいのが、数多ある成功しているスタートアップ、会社の成功事例をインプットしてリバースエンジニアリングすることはとても重要だと思っています。気をつけないといけないのは、それによって手に入るのは言わば最新の道具であって、電動ノコギリがある時代に木製のノコギリを使っていては効率も効果も悪すぎるということ。

ただ、そんな最新の道具をいつどのように使うのか。それは切るべき「対象物」によって異なるわけですね。木の場合もあれば、コンクリートだったりプラスチックの塊だったり。また、同じような木に見えても中身は千差万別。だから何よりも大切なのはその目の前の「対象物」のことを誰よりも深く知ること、知る努力を怠らないことなんですよね。流行りのテクニックに解を求めたくなるんですけど、逃げないことなんです。

例えばラゲッジバックのD2Cブランドで世界を席巻しているAWAYの創業者Jen Rubioは、同じく世界で最も成功しているD2CブランドのWarby Parkerでマーケティングノウハウを実践から学んだ上で、自身の旅行時のペインポイントからユーザー体験としてAWAYを創業しつつも、実際にプロダクトをローンチするまでに実に800人にユーザーインタビューをしています。

(もっと詳細を知りたい人はこちらのPodcastで)

他社のベストプラクティスも大切ですが、そこで得られた最新の道具を、本質的にどれが合うのか、どのように使うか、どうチューニングするか。その「特殊解」は目の前のユーザーを深く理解しないと、絶対に見つけることはできない。いくつか言葉、事例を引用してきましたが、実体験上の真理としてそう思うに至ります。

「組織づくり」における「人」

一方、「組織づくり」において

人=組織そのもの

ですね。会社が法人として人格を持ったのは、ある種必然だったのかもしれません。組織はそれがどれだけ大きくなっても、「人」に違いないのですよね。究極、己を深く知らなければ、辿り着くべき到達点、そこに至るまでの道をいくらでも間違えて取り返しのつかない人生になってしまうということです。それは、人も、組織も、会社も同じです。

「足るを知る」

という言葉がありますが、これを心得ていないと気がついたら不要なものばかり輸入してしまうんです。
「海外のベストプラクティス」、どの企業にも当てはまると勘違いしてしまう「組織的現象と対(つい)になった解決策」の数々。。
しかし、本質的に我々が何者で、どこに向かっていて、その上で何を大事にしていて、どんな価値観や美徳を守っていきたいのか。そうやって己を深く知ることさえできれば、不要なものはすべて雑音になっていくはずです。

ただ、そうやって己と向き合い続けるのが難しい。知る必要の無かった他社の成功事例や、他社の経営者/人事の成功ストーリーにソーシャルメディアを通じて一喜一憂してしまうのが「今」という時代です。古代から、人は常に己と向き合いながら、人と向き合いながら本当に必要なものだけを残してきました。その対話は決して楽ではないですが、そこから決して逃げないこと。

組織の解は内にある。

しっかり心で感じて、見つめれば、正解は見えるはずなんです。

こういうのは典型的な組織の現代病だと考えています。

私が願うのは、すべての人が毎日1分でも1秒でも自らの「身体」と「心」に向き合うこと。それは「組織」においても同じだと考えています。

根底にある文化に耳をすまして、体調の変化に注意をはらい、自己回復能力、つまり免疫力をしっかり上げていくことが、目の前の組織問題に対する普遍的な処方箋となると信じています。

・・・

機械が得意な繰り返しの単純な仕事、大量の計算が必要なものはもっともっと機械にやってもらう。テクノロジーで解決する。それによって捻出した時間を、我々はどのように使うのか。

逆に、ロジックで戦っていてはいずれ機械に食われる。

今こそ「心」を研ぎ澄まし、「人」に対して向き合い続けることこそ、我々の真の価値であることを心に刻んで歩み続けることですね。

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