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運動時に摂取すべき糖質量

運動中のパフォーマンスを最大限に引き出すためには、適切な糖質摂取が欠かせません。糖質は即座にエネルギー源として利用できるため、運動中の持久力や集中力を維持するのに重要な役割を果たします。

この記事では、運動時に摂取すべき糖質量や、糖質を枯渇させないための方法について詳しく解説します。

運動時に摂取すべき糖質量はどのくらい?

運動の内容によって、必要な糖質量は異なります。ACSM(アメリカスポーツ医学会)のガイドラインでは、中等度から高強度の運動における糖質摂取の推奨値が示されています。

運動時に摂取すべき糖質量

1日あたり1時間以内の中等度の運動を行う場合

  • 体重1kgあたり5~7gの糖質が推奨されます。

  • 例:体重60kgの人の場合、1日に300g〜420gの糖質摂取が理想です。

1~3時間くらいの強めの運動を行う場合

  • 体重1kgあたり6~10gの糖質を毎日摂ることが推奨されます。

  • 例:体重60kgの人が1~3時間の運動を行う場合、1日に360g~600gの糖質が必要です。これはご飯ならお茶碗でおよそ6~10杯分に相当します。

運動時に糖質を枯渇させないための方法

運動中の糖質枯渇は、パフォーマンス低下や疲労感の原因となります。以下の方法で糖質を適切に補給し、エネルギーを維持しましょう。

グリコーゲンローディングとは

グリコーゲンローディング(カーボローディングとも呼ばれる)は、試合の数日前から食事で多くの糖質を摂取し、あらかじめ筋グリコーゲン濃度を高めておくことで運動パフォーマンスの向上を狙う方法です。

これにより、筋グリコーゲン濃度をおよそ2倍近くまで増加させられると言われています。

グリコーゲンローディングの実践方法

グリコーゲンローディングには古典法と改良法がありますが、ここでは改良法について解説します。

試合6日前~4日前

  • 試合6日前から4日前までは、中糖質食を摂取します。体重1kgあたり〜5gの糖質を目安に摂取します。

  • 例:体重60kgの人の場合、〜300gの糖質を摂取します。

試合3日前~前日

  • 3日前から食事で糖質を多く摂取し始めます。具体的には、体重1kgあたり8〜12gの糖質を目安に摂取します。

  • 例:体重60kgの人の場合、480g〜720gの糖質を摂取します。ご飯ならお茶碗でおよそ8〜12杯分に相当します。

試合当日

  • 競技の負担にならないよう、試合の3~4時間前に体重1kgあたり1〜2gの糖質を摂取します。当日に血糖値を上げ過ぎるとインスリン分泌によりかえって低血糖を招くので、糖質の過剰摂取に気をつけましょう。

  • 例:体重60kgの人の場合、60g〜120gの糖質を摂取します。これにより、運動開始時のエネルギーがしっかりと確保されます。

運動時にグリコーゲンが不足していないか確認するには

例えば、SympaFitを使用することで、食後のグルコース変動パターンによって、グリコーゲンが貯蔵されやすい適切な食べ方をしているか、などがわかり、改善アドバイスがもらえます。

また、運動後のグルコースレベルをチェックしながら、運動前中後の適切な糖質補給計画を立てる参考になります。

まとめ:運動時に摂取すべき糖質量

運動時に適切な糖質摂取は、パフォーマンスの向上と疲労の軽減に大きく寄与します。

運動の種類や持続時間に応じて適切な量の糖質を摂取し、グリコーゲンローディングなどの方法でエネルギーを維持することが重要です。
本記事を参考に、効果的なエネルギー補給を実践してみてください。

※文中のご飯お茶碗一杯あたりの糖質量は60gとして換算。

【参考文献】
[1]D Travis Thomas, Kelly Anne Erdman, Louise M Burke. American College of Sports Medicine Joint Position Statement. Nutrition and Athletic Performance. Med Sci Sports Exerc. 2016 Mar;48(3)
[2]公益財団法人 日本スポーツ協会 アスリートの栄養・食事
[3]Louise M Burke, Luc J C van Loon, John A Hawley .Postexercise muscle glycogen resynthesis in humans. J Appl Physiol (1985). 2017 May 1;122(5):1055-1067.