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イギリスの教育制度はどうなってる?

イギリスにも文理選択

日本の公立学校では、74%が高校2年で文系と理系とに分かれます。私立中高一貫校では、高校1年生時点でコースが分かれる学校もあるようです。
一方、イギリスでは、Secondary Schoolの最終年度で、GCSE(General Certificate of Secondary Education)という、日本で言うところの高校卒業認定のような試験を受けます。8~10科目程度を選択して受験します。その後、A-levelという試験に向けて、Sixform College等でより専門的に学びます。学生は、3-4科目を選択して、2年間みっちり、選択した科目だけに集中することになります。GCSEとA-levelのスコアが、大学の入学審査に用いられるため、より高いスコアを取ることが求められます。GCSEに関しては、19年より前はA*からG、以降は1-9段階でスコア付されているので、日本のセンター試験よりは粒度が低い採点になっています。特にトップクラスの大学入学審査では、GCSEやAlevelはA*や8-9が足切りラインになり、Personal Statementが合否を分けることになります。Oxbridge(オックスフォードとケンブリッジ)は、加えて面接があったりもします。

私立と公立の違いは?

文科省発表(2019)の比較では、日本は小学校~高校までの生徒のうち10.5%が私立学校に通っている一方、イギリスでは5.7%にとどまります。
2023年1月の統計だと、イギリスの18歳までの子供のうち、910万人が学校に通ってて、そのうち、約7%が私立学校に属しているので、増加傾向にはあるようです。

ちなみに、通学制の私立学校(中高)の学費は、2023年度の平均で£15,744(280万円程度)/年と高額です。全寮制の私立学校はこの1.5倍程度。日本だと、6年間で490万円程度なので、差は歴然です。

私立学校(Independent School)に行くメリットは、生徒:教師比率の低さ(少人数の手厚い教育)、大学や政財界へのネットワーク等が挙げられます。加えて、GCSEやA-Levelのスコアも高い傾向にあります。ただ、富裕層出身の生徒が多く、人種の偏りがあります。イギリスの白人が75%を占め、それ以外のマイノリティの人種は25%、全国平均でみたマイノリティの割合よりも10%程度低いです。
一方、公立学校のなかには、入試による選抜を課す"Grammar school"があります。全生徒人口の5%程度が入学していますが、11-plusという試験(英語、論理、数学)等でハイスコアを収めないと入学できない競争の激しい学校です。入学のためには、1:1の家庭教師を雇う家庭も多いようです。


(参考)
大学入試前に理系・文系に分かれるタイミングはいつ?学費の違いも解説! | 不動産投資 ワンルームナビ (1rnavi.com)

Education in the United Kingdom - Wikipedia
Schools, pupils and their characteristics, Academic year 2022/23 – Explore education statistics – GOV.UK (explore-education-statistics.service.gov.uk)

How Much Does Private School Cost in the UK? - Guide for 2023 (thinkstudent.co.uk)

私立中学と公立中学の学費の違い!中高一貫校に通わせたい時の総額を比較|ベネッセ教育情報サイト (benesse.jp)

Facts, Figures and Evidence about Grammar Schools – Comprehensive Future

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