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なぜシン・エナジーは儲からない道を歩む? もしかして企業ではない?

シン・エナジーが地域の目線に立った再エネ開発を行っていることについて、前回の記事で説明しました。
というか、地域の目線に立っていない例の紹介でほぼ紙面を使い尽くしましたが。

その前回記事がこちら↓

■資本主義の世の中なので

そうした反面教師的な開発者がいるのはなぜでしょう。
もちろん理由があります。
それは…

儲かるから

悲しいけれど現実です。
たとえば、ヤシ殻を燃料にする、これを大量に行えば安く発電できる、儲かる。
パーム油製造の廃棄物を処分せず有効利用するという観点ではすばらしいことですが、発電のために熱帯雨林を伐採してパームヤシを植えるのなら、それは大いなる本末転倒。

企業は儲けなくてはやっていけませんので、資本主義のこの世の中においては、ある意味自然な流れということもできるでしょう。

ではなぜシン・エナジーは儲からない道を歩む?
もしかしてシン・エナジーって企業ではない? 環境団体? 慈善団体?

いえ、れっきとした神戸のエネルギー会社です。

■まずは林業的な観点

日本は国土の68.5%が森林で、木材がたっぷりあります。
でも戦後、輸入材の影響や国内の用材需要の変化による立木単価の大幅な下落で、儲からない産業になり、手入れの行き届かない山林が続出。
重労働、獣害などだけでなく、林業従事者数の減少に加えて高齢化、と問題が山積。
結果として木材の国内需要40.5年分ほどが山に留まっている状態とか。
(※林野庁「森林資源」「木材需給表」平成29年資料より)
しかも荒れるに任せ、災害を引き起こしかねない状態になっているともいいます。

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適切に間伐し(間伐材)、枝や葉などの使えない部分(未利用材)を燃料として利用することで、山はすっきり整って、残った樹木も大きく成長して価値向上、さらには防災の観点からも言うことなし。
これからの日本の林業は、用材としての利用だけでなくバイオマス利用とセットにすることで、成長産業となる可能性を大いに秘めているといえます。

■そして経済的な観点

間伐材、未利用材は本来、経済的価値がゼロだったもの。
なのに、それを燃料にすれば電気が生み出せるんです。

地域の山から間伐材・未利用材を仕入れます。
 ⇒ 地域にお金が落ちる! 山が整う!
それを燃料にして電気を生み、地域の電力会社に売る。
 ⇒ さらにお金が落ちる! チャリン!
その利益でさらに材を仕入れ、電気を生み…
 ⇒ チャリン! チャリン!

ほら、地域でお金が回り始めた!
これが「地域循環経済」と呼ばれるものです。
FIT制度が終われば、生み出した電気は地域で使えばいいんです。

そしてシン・エナジーは、植民地型といわれる地域に乗り込んで利益をかっさらうスタイルではなく、地域の人を社長とする会社を作り、そこにマイナー出資をすることで資金面、技術面で支えながら、生まれた利益を地域で回すスタイルを取っています。

地域とバイオマス

これ、従来までならどうだったでしょう。

大手電力会社が海外から輸入した化石燃料で発電します。
 ⇒ 国民の財産が海外に流出! CO2排出!
各家庭、企業が大手電力会社から電気を買う。
 ⇒ つまり、地域の財産が間接的に海外に流出!
そして山は手つかず。
 ⇒ うーん…

木質バイオマス発電がある時…ない時…
大阪でよく見るCMに似ていますが、あるなしでこんなにも地域が得るものが違うんですね。

だからシン・エナジーは地域の木質バイオマスを大切にするんです。

それでもまだ海外から化石燃料買い続けますか?