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ハイタッチ重視の組織におけるカスタマーサクセス最適化への挑戦~4.事業貢献度可視化編~

この記事はカスタマーサクセスにおける事業貢献度の可視化についての取り組みを記しています。

テーマ:顧客体験の良し悪しと利用継続/推奨の関係性検証
 指標:回答回収数/サービス満足度/利用継続スコア/NPSスコア
 課題:CS含むCX向上に取組むことの事業的な優先順位の可視化

これは皆さん悩んでいる永遠のテーマな気がします

こんにちは。のすけ(@sym_nishimura)です。
2022年に取り組んできたカスタマーサクセスの全体像について整理した記事の6本目です。

▼今までの記事はこちら▼

カスタマーサクセスにおける事業貢献とは?

非常に考えがいのあるテーマだと思います。
継続率(≒解約率)、MRR、LTV、NRR、オンボーディング完了率、プロダクトフィードバック、、、
カスタマーサクセスが取り組めるテーマはたくさん存在します。

上記にあげた中でも色々な性質のものが含まれていますが、2022年に感じていたこととしては、「いかに事業のトップラインに寄与出来ているかを示すか」がプレゼンスを出す上で避けては通れないということでした。

では、単純にエクスパンションに振り切れば良いのか?
否。カスタマーサクセスとしてお客様の利活用を支える以上、エクスパンション以外の活動の優先順位を下げすぎるわけにもいきません。
うまいこと今の活動を組織として評価するための座組を作れないものか…?
そんな中行き着いた案が、お客様の体験満足度とサービスの継続意向/推奨意向との関連性を導くことで間接的にトップラインへの寄与を示すことでした。

2022年に取り組んだ「お客様満足度調査」

お客様満足度調査は以前から実施していたものがあり、カスタマーサポート起点での実施やマーケティング起点での実施など様々でした。
そこを2022年はCX(顧客体験)の観点で統合しバージョンアップを図りました。

参照したフレームワーク

ジョン・グッドマンの「顧客体験の教科書」を参照して、お客様のセグメントごとに「継続意向」「推奨意向」を導き出すような流れを考えました。
こうすることにより、定性的な顧客体験と定量的な売上との関連性を導出しようという魂胆です。

肝は「お困りごと有無」×「相談有無」×「対応満足度」のセグメンテーション

図にするとこのような形になります。

それぞれのセグメントごとに、利用継続意向や推奨意向をあぶり出していきます

各分岐を簡単に説明します。

  1. Synergy!利用時にお困りごとやトラブルが発生したことがあるかどうか

  2. (1.でありの場合)シナジーマーケティングに相談をしたかどうか

  3. (2.で相談をした場合)対応に対する満足度はどうだったか

立案した仮説

上記セグメントをもとに、いくつかの仮説を立てました。

  1. トラブル経験はあったものの、期待以上の対応を得られた方の満足度、利用継続意向、推奨意向は他のセグメントよりも高い傾向があるのではないか?

  2. 期待以上/期待通りの対応を得られた方と期待以下の対応に留まった方では満足度、利用継続意向、推奨意向いずれも差分が見られるのではないか?

これらの仮説が正しい場合はCX管掌における活動がSynergy!自体への満足度やシナジーマーケティングとの取引継続に貢献しているといえるので、

  • 期待以上だったポイントの深掘り/再現性強化

  • 相談してもらえていない方の原因深掘り→相談してもらいやすくするための施策強化

につなげられます。

逆に仮説が正しくなかった場合(例えばトラブルがないお客様の方が満足度、利用継続意向、推奨意向が高いなど)、顧客体験を高める活動だけでは事業貢献ができていない可能性が考えられます。

この場合は、例えばカスタマーサクセス活動の比重を変えるなど、事業にどう貢献を強めるかという観点で活動の見直しを図るべきです。

  • トラブルが起きる前の予防対応をいかに行うかという視点

  • お客様が自身で疑問を解決しながら利活用出来るよう、プロダクトへの落とし込みを企図した活動の強化

実施してみての気付きと今後

アンケート回答社は全体の契約社の一部にすぎないことに留意する必要はありますが、以下のようなサマリを得ることが出来ました。

  • 困りごととしては「操作方法が分からない」と「最適な使い方が分からない」が多かった

    • 基本的な操作イメージの充実、ユースケースに併せた参考情報の充実が必要

  • 困りごとが発生したタイミングで相談してくれている割合は約8割

    • 相談先の複数チャネルにより、一定カバーすることは出来ている

  • 相談に対して期待通り以上の対応をすることは、困りごとの経験がなく使えていることより良い顧客体験を生んでいる

    • NPSや継続意向がおしなべて高かった!!

また、継続意向の裏返しで「解約リスク」を算出し、その数値をどのように動かすかをシミュレーションすることにもつなげられました。

  • 相談数を増やすことで全体の解約リスクを押し下げられないか

  • 相談対応時の満足度を高めることで全体の解約リスクを押し下げられないか etc…

さらには、全体の集計結果をさらにユースケースや企業規模でセグメントすることにより生まれた示唆もあり、今後に向けた活動の指針とするに足る結果となりました。
今後も定点観測出来るよう毎年取っていくように、という社長からのコメントもいただけました。

3月現在は、お客様満足度調査にご協力いただいた方に回答の御礼をお伝えするのと併せて利用状況の詳細をお伺いする「顧客行脚(と社内では呼んでいます)」を実施しています。
ここで実際のお客様の声をもとに現場レベルでのお困りごとの解像度を上げ、それを解決出来る施策に落とし込むことで顧客体験が高まり継続意向や推奨意向の向上につながる。
そんなポジティブな循環を毎年回していけるようになりつつあります。

最後に

簡単ではありましたが、シナジーマーケティングではこのように総合的なカスタマーサクセス活動の評価をお客様満足度調査に落とし込み、年に1度評価出来る体制を作りあげました。
皆さんの会社でも、カスタマーサクセス活動を組織的な評価につなげる工夫をどのようにされているか、ぜひ教えてください(^^)
※Twitterやってますのでお気軽にリプやDMでお声がけください。

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