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#エルデンリング考察 :大体全部ラダゴンのせいじゃねーか!!!!

ネタバレ注意:物語中盤とか、ラスボス戦にガッツリ言及します


前置き

おお、ラダゴン、黄金律の犬よ。お前はまだ、私ではない。まだ、神ではない。さぁ、共に砕けようぞ! 我が半神よ!

メリナが語るマリカの言葉 王都ローデイル 女王の閨にて

狭間の外、稀人の地で作られたという石槌
女王マリカが、エルデンリングを砕こうとし
ラダゴンが、それを修復しようとした得物

武器 マリカの槌 フレーバーテキスト

どうしてマリカがエルデンリングを砕いたのか、理由は言及されない。
だが、黄金樹にある拒絶の棘や、ラスボス戦におけるラダゴンを見ていくと色々と推測できる情報が積み重なっていき、マリカの思惑も推測できる。


拒絶の棘から見えてくる情報

拒絶の棘に浮かんだ文様
ラダゴンの刻印
マリカの刻印

拒絶の棘に表示されている文様は、ラダゴンの刻印である。
一応マリカの刻印も付けたが、こちらは文様に含まれていない。
ラダゴンの独断でデミゴッドや褪せ人は阻まれていると言えるだろう。


ラスボス戦から見えてくる情報

まず根本的な話として、最後の戦いにマリカは参戦しない
参戦するのは、ラダゴンとエルデの獣である。
褪せ人が王になるということは、かつての王を追い落とすということだ。
なので、拒絶の棘を張って誰かが来るのを防いでいたラダゴンと戦うことについては、特に何の違和感もない。自然な流れですらあるだろう。

問題は、エルデの獣である。
そもそも、こいつは何だ?
なんでこいつと褪せ人は戦わなくてはならないのか?


エルデの獣の正体は明確、だからこそ起きる謎

エルデの獣の正体そのものについては、明言がある。
深き根の底の、蟻の巣出口に置いてある祈祷に記してあるのだ。

かつて、大いなる意志は
黄金の流星と共に、一匹の獣を狭間に送り
それが、エルデンリングになったという

祈祷 エルデの流星 フレーバーテキスト

なるほど、エルデの獣=エルデンリングであるらしい。
しかし、そうすると謎が一つ生じる。
エルデンリングは砕けたから、大ルーンが発生したのである。

なぜ、砕かれたはずのエルデンリング=エルデの獣が存在するのだ?

ラダゴンによる修復が成功したのかもしれない。
しかし、エルデンリングを構築していた大ルーンの多くは失われている。
修復のためには、何が使われたのだろうか?


そもそも、なぜエルデの獣と戦う必要があったのだ?

王の代替わりの儀式として必ずエルデの獣とバトルする可能性もある。
だが、作中でラダゴンが獣と戦った逸話は聞こえてはこない。
また、指読みのエンヤからも、獣を倒して王になれとは言われない。

元々そういうものであるなら、二本指が説明しないとも思えない。
褪せ人が無理だと思って、逃げ出してしまうから隠していたのだろうか?
だが、実際にはそんなやつがいたところで、困ることはないだろう。

褪せ人は1人ではない。
OPムービーの死体の山は全て褪せ人候補である。
パッチのように敵前逃亡かます輩が大半でも、王は1人いれば良いのだ。
彼が事前情報として知っていれば、準備をして、倒す確率が上がる。

ゆえに、二本指が知っていて黙っていた可能性は低いだろう。
つまり、エルデの獣との戦いは本来は起こらないものなのだ。
だからこそ、なぜ戦うことになったのか、という問いは答えに直結する。


重要事項:ラダゴンとマリカの確執について

さて、色々考える前に、記事冒頭のマリカの言葉を再確認しよう。

おお、ラダゴン、黄金律の犬よ
お前はまだ、私ではない。まだ、神ではない。
さぁ、共に砕けようぞ! 我が半神よ!

メリナが語るマリカの言葉 王都ローデイル 女王の閨にて

めちゃくちゃ傍迷惑なセリフである。
色々と考える余地はあるが、まずはマリカの感情に沿って読み解こう

おお、ラダゴン、黄金律の犬よ

ラダゴン、犬とか言われるの、かなり嫌われてませんか?

お前はまだ、私ではない。まだ、神ではない。

王都の石像が作られた時点で肉体は同じはずなので、ここは精神的な話と思われる

さぁ、共に砕けようぞ! 我が半神よ!

ラダゴンのことが嫌いって前提で読むと、これ死なば諸共、的なニュアンスですよね?

心中宣言というには、親密さとか親愛度がゼロの単語チョイスだ。
女神にして女王であるマリカは、王配ラダゴンを認めていないのである。
実を言うと、マリカは黄金律について非常に急進的な考えを持っている。

黄金律の探求を、ここに宣言する
あるべき正しさを知ることが、我らの信仰を、祝福を強くする
幸せな幼き日々、盲信の時代は終わる
同志よ、何の躊躇が必要だろうか!

メリナが語るマリカの言葉 アルター高原 小黄金樹教会にて

マリカは何も考えずに信仰対象を崇拝する者を良しとはしない
回帰性原理という黄金律原理主義の祈祷が存在するが、
信仰ゼロ・知力35という祈祷にあるまじきステータスを要求される。
これが象徴するように、マリカは盲信を嫌うのである。

そして、ラダゴンがマリカに嫌われたのも明白である。
犬と呼ぶほどマリカに嫌われているラダゴンは、黄金律の盲信者なのだ。
相容れるわけがない。宗教戦争するしかないでしょ、こんなの。

しかし、ラダゴンは王の配偶者になった。なんで?
この経緯はよく分からないのだが、面白い戦史碑が存在する。

ゴッドフレイ王の戦、最後の地。
黄金の軍勢は止まることなく勝ち続け、だが祝福は失われ、色褪せた

フィールド上にある、突き立てられた巨大剣のような戦史碑
リムグレイブとケイリッドの境目にある祝福、燻り教会の近辺

勝ち続けていたのに、祝福が失われるとはどういうことなのか。
この時の事情について説明している、NPCのセリフが存在する。

最初のエルデの王、ゴッドフレイが狭間を追放されたとき
彼(ラダゴン)はレナラ様を捨て、黄金樹の王都に戻り、
女王マリカの王配、二番目の夫となり
…二人目の、エルデの王となったのです

そして、誰も知ってはいないのですよ
ラダゴン様が、なぜレナラ様を捨てたのか

いえそもそも、一介の英雄にすぎなかった彼が、
なぜエルデの王として選ばれたのか

結びの教会にいる、司祭ミリエル(巨大亀)

この台詞は、ミリエルの主観によって語られた文章である。
大まかな状況は正しく説明しているが、順序が正しいとは限らない。
つまり、ゴッドフレイが追放されてからラダゴンが王になったのではなく、
ラダゴンが王になったからゴッドフレイが追放された可能性もあるのだ。

ラダゴンは、なぜエルデの王になったのか


その答えは、ラダゴンが王位を簒奪したからではないだろうか。
この仮説を元に、マリカの言葉を読み解くと、面白い仮説が成り立つ。

我が王よ、王の戦士たちよ。お前たちから、祝福を奪う
そして、その瞳が色褪せるとき、狭間の地を追放する
外に戦を求め、生き、そして死ぬがよい

メリナが語るマリカの言葉 リムグレイブ  第三マリカ教会にて

そして、お前たちが死した後、いつか奪ったものを返そう
狭間の地に戻り、戦い、赴くままにエルデンリングを掲げるがよい
死と共に、強くあれ。王の戦士たちよ、我が王、ゴッドフレイよ

メリナが語るマリカの言葉 啜り泣きの半島  巡礼教会にて

これは王位を簒奪された者に対する、嘆き混じりの別れの言葉ではないか。

エルデンリングの世界において、王権の正統性は何に保証されるのか。
それは民衆の支持や、正しき血統ではない。
エルデンリングを中心としたシステムに承認された者であるということだ。
そうでなければ、狂い火や、死、忌み呪いのエンディングは成立し得ない。
王権の交代には、女神マリカの意思や納得ですら必要ではないのだ。

そして、この前提では、ラダゴンがなぜ王になったのかも説明がつく。
ラダゴンは黄金律を盲信するものである。
しかし、女神マリカと王ゴッドフレイは黄金律を改変してしまうのだ。
コリンが金仮面卿を狂人と評したのと同じ精神状況に、ラダゴンはある。


ゆえにこそ、ラダゴンは王になったのではないか

黄金律を「自身の思う最適な状態で維持するため」にこそ。
ゴッドフレイを追放する、王位の簒奪をもってして。
愛したはずのレナラよりも、黄金律を優先する狂信者として。


だからこそ、マリカはエルデンリングを砕いたのではないか

ゴッドフレイを追放した、王であると認めたことのない男を殺すために。
もう褪せ人なら誰でもいいから、この犬を王位から引きずり下ろせと。


なぜ、エルデンリングは砕かれたのか

ラダゴン=マリカという状況になった理由

さて、ラダゴン=マリカという状況はいつからなのだろう?
最初からこうなのだとしたら、ゴッドフレイを王に据える必要がない。
巨人戦争の時点から、ラダゴンを王にしておけばよかったからである。

つまり、ラダゴン=マリカという状況は後天的なものであると考えられる。
では、どうしてそうなったのか。
ここまでの仮説を元にすると、明確な回答が出てしまう。

「マリカと同化してしまえば、俺は神になる。
 死のルーンが封印されているなら、神となった私が死ぬことはない」
という、ラダゴン自身の保身のために融合したと考えられるのだ。

死のルーンが盗まれたことが契機になった理由

死のルーンが盗まれた、というのは神が死ねるようになったということだ。
マリカは自殺を試み、憎きラダゴンを殺せるようになったのである。
非常にシンプルに話が通ってしまう。なんだこの修羅場は。

とはいえ、マリカはラダゴンは殺したいが黄金律を壊したいわけではない。
そこで、マリカはこんな言葉を残した。

デミゴッド、我が愛し子たちよ
お前たちはもう、何物にもなれる。王であれ、神であれ。
そして、何者にもなれぬ時、お前たちは見棄てられる。
…そして贄となるのだ

メリナが語るマリカの言葉 王都ローデイル 外廓の戦場跡にて

ミケラが神樹に宿り、新たなる黄金樹になるならそれでもよい。
ラニが暗月のもとで、星の律を作るのも(律は変わるが)それも良い。
おそらくは、モーグウィン王朝ですらも、マリカは肯定するだろう。

なぜならば、そもそもマリカが黄金律を探究したのは豊穣が地に齎される、すなわち民衆のために律が機能することを求めたからである。

そして、デミゴッドたちが新たな王や神になるなら、それでよし。
ならないのであれば、デミゴッドを殺した褪せ人が王になればいい。
マリカにとっては、エルデンリングを砕いた時点で大体勝ちなのだ。

ラダゴン、ラダゴン、正しく死んでくださいな

とはいえ、ラダゴンもまぁ仮にも神になりあがった存在である。
プレイヤーに相対した際に何一つ喋れない状態にまでぶっ壊れてはいるが、王権を奪い取りにきた褪せ人を倒すためにガンガン槌や祈祷で殴ってくる。

さらにラダゴンが恐ろしいのは、神の遺剣を作り出したことである。

永遠に死ぬことのないはずの神の遺体から生まれる剣

武器 神の遺剣 フレーバーテキスト

追憶で入手するものなので勘違いしやすいのだが。
この剣はエルデの獣が変じたのではなく、ラダゴンの遺体が変じたものだ。
エルデの獣は最初から剣を振り回す怪獣だったのではない。
ラダゴンの褪せ人に対する嫌がらせとして、この武器は生まれたのである。

そこまで言う必要ある?と思うかもしれないが、あるのだ。
先述した考察を思い出してほしい。
エルデの獣が急に出てきたのは、説明不足でもなんでもない。
本来王権が変わる際に、エルデの獣と王が戦う必要はないのである。
二本指が想定していないバトルがあの場では起きてしまっているのだ。

ラダゴンが死の間際にエルデンリングをエルデの獣に戻したのか。
それとも、エルデの獣が防衛本能などで具現化したのか。
このどちらが真実なのかは分からない。
しかし、武器というものが何の象徴なのかを考えてみよう。

武器とは、人の持つものであり、知恵の象徴である。
すなわち、知性のない獣が振るうものではないはずなのだ。
にもかかわらず、エルデの獣は剣を振るい、戦技を放つ。

エルデの獣は、ラダゴンから知性を引き継いでしまっている。

エルデンリングはマリカに砕かれたことを思い返してほしい。
大ルーンとして外部流出しているから、その大部分は喪失したはずなのだ。
にも関わらず、なぜエルデの獣は顕在なのか。
失われた部分は、何によって修復されたのか。

ルーンを埋め直すものは、またルーンである。
つまり、エルデの獣を構築する素材はラダゴン自身のルーンと考えられる。神のルーンを得たエルデの獣は、神の遺志を継ぐのではないか。
つまり、エルデの獣が褪せ人と戦うのは、ラダゴンの遺志ではないか。
ラダゴンの最後の足掻きこそが、エルデの獣戦なのではないだろうか?

Q. つまり?
A. エルデの獣がクッソ面倒くさいのは大体ラダゴンのせい

ラダゴン、ラダゴン、正しく死んでくださいな(完)

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