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スキルを仕事にすることの困難

私は、物事の成果を、お金で換算するのが苦手です。
報酬が高くても低くても、あってもなくても、すべきことの手加減をそれで変えられるほど器用ではなく、やるからには全身全霊で取り組みます。

そのせいで、学生の頃から今に至るまで、わりといいように他者に使われ、搾取され、利用されて、成果と報酬や評価だけを他人に持っていかれることが、いくらもありました。

組織的な仕事の場合、契約や雇用などで、決められた対価と、それに対する労働は規定されますが、
小規模集団や個人間の「知り合いのよしみ」「友達だから」「あんたにも経験として無駄にならない」的な形での交渉は、手腕に長けている人に強みがある。
「お前があるのはオレのおかげ」的な威圧で、成果だけをもぎ取っていく人もいました。

私にも自負と積み重ねがあるから、自分のやることが無価値だとは思わない。
でも、お金で左右されることでもないと、思ってしまう。
ただし、好きでやっていることではあっても、趣味というほど軽くはない。
私にとって、今、自分がやりたいこと、できること、経験その他は、それなりの歳月や資金を要した上で、生涯かけて悔いなきすべてなのだから、
叶うなら、それを実質的にも役に立てる形での生業としたいと望む気持ちはあります。

でも、文系の弱みというか、知識や考察や創造性は、お金で売るような渇いたビジネスの感覚はないし、
それのみで交渉を求められるのは得心がいかない。

実際に関わってみなければ、相手の思惑はわからないものだから、よほどあからさまに欲意でない限りは、一度は乗るようにしています。
幸い、信頼できる身近な人からの紹介などが多かったから、ここ数年は、疑ったり警戒したりせずに済んでいましたが。

こちらを、相手の意に沿って利用する目論見の形だったり、成果だけをもぎ取っていくタイプ、見かけの善し悪しでジャッジするだけの方面は、
もう関わりたくないし、関わらずに済むこれからにしたいと、切に祈ります。

自分の内側のものをお金で換算できないから、実質貧しくなるし、他のことに専心して生計を立てなくてはならない苦悩はありますけれど、
どんなことでも力を抜くつもりはないし、
プライドをお金で売り買いするようなやり方はしたくない。
形のある作品ではないから、対価をつけるのが難しく、
厳しいところです。

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