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来年の手帳を作る

帯に短し襷に長し

毎年、夏も終りの頃ともなると、文具店や書店でワンフロアいっぱいなほどの手帳とカレンダーのコーナーができるのには、目を見張ります。
可愛いのやオシャレなのや、多種多彩なデザインを見ているだけでワクワクしてイマジネーションを刺激され、かつてはいろいろ複数持ちで楽しんだこともありましたが……今はそれも卒業しました。

◎自分に合わせた手帳はない

昔から私は、スケジュール帳を必要とする職種につくことがほぼなく、忘れるほど予定も多くないし、手帳についている付録の情報もほぼ必要なくて。
仕事用や活動用のノートは別に用意していたし、
そもそもスケジュールや予定より、日常の記録や備忘メモや雑感雑記を書き込む方が主で、
単純に日付に疎くなりがちなのを防ぐために、暦のついたものを毎年購入しているようなもの。

けれどウィークリーなどの手帳では書くスペースが少なく、結局は多冊持ちになってしまう。実はこれが、現状、続かない一因でした。
目的に合わせて手帳やノートを分けると、たまたま手元になかったら後回しにしがちになり、余計なことに気を取られて、やがて書くべきことを忘れてしまったり、あまり使わない手帳ができてしまったり。

なるべく持ち歩きは一冊にしたくて、これまで一日1ページの、ほぼ日手帳とか、常用日記帳を愛用したこともありましたけれど、他にも荷物や資料が多いため、かさばって、サッと取り出して書くのに不向きになる。
さらに、心理的にやたらと書きたくなる時と、どうしてもペンを持つ気になれない時期とのムラがあるので、日記帳のようなものだと、空白のページが続くのが、我ながらストレスになってしまったりして。

◎手間がかかると続かない

そのため、フリーのモレスキンやロイヒトトゥルム、MDノートなどを利用し、線を引いたりスタンプを使ったり、自分仕様に手作業でスタイルを作っていたこともありましたけれど、

こんな感じで(^^ゞ

そのための編集をする手間が取れないこともあり、継続がなかなか難しく。
システム手帳やルーズリーフノートなどなら、フォーマットを印刷して使うこともできますが、バラせるノートは情報をまとめるにはいいけれど、わたし的には日々の記録には向かないと感じるのでダメ。

単に無精でワガママとも言えますが、そもそも実用道具とはそういうもの。
仕事や職場が常に一定でなく、ルーティンワークでもないし、その都度の状況にもよるので、しかたないのです。

極論すれば、似たようなパターンはあっても、趣味嗜好習慣を含めれば、まったく同じライフスタイルの人はいないのだから、万人に合う手帳の型などはほぼないのかもしれず、
既成のいくつもの種類の中から選び、道具にこちらが合わせ馴らす努力を要するということでしょう。

私も近年では、最低限の折り合いをつけて、既成のものを撰ぶのが通例でした。
手帳ごとの工夫もあって、使うことが学びになる製品もありましたが、慣れるうちに不満も出てくるもので…

結局どのパターンをとっても、帯に短し襷に長しで、合わないと数ヶ月保たず使えなくなってしまうことさえあって、
これは自分でも残念だし、手帳にも可哀想で、紙資源の無駄でもありました。

ライフスタイルから、必要な基準

さて私は10月が誕生月なのですが、東急ハンズでは誕生月に5%割引してもらえます。
手帳選びには絶妙のタイミングなので、月末に時間を作って、手帳を探しに行きました。

文字通りあふれるほどの種類が積まれた手帳のフロアを、宝探しのような心持ちで探索。
かなりの時間、ウロウロとさまよい、さまざまな使い勝手と使い心地のパターンをイメージしながら選びまわったのですけれど、
これかなと思って手にとっても、しばらく想像していると、やはりちょっとずつ残念、惜しい!となってしまいます。

◎理想とする利便性

今の自分の行動パターンで必要な仕様は、

  • 常にデスクのある場所で書ける環境ではないので、立ったまま、姿勢を問わず書ける、ハードカバー

  • 持ち歩くのにかさばらない、重すぎない容量

  • 取り出しやすく、電車内などでも、書くのを“後回し”しなくてすむサイズ

  • 万年筆で書ける ペンホルダーがつけられる

というところでしょうか。

◎実はモレスキンが最適

どうも、最終的に自分の好みは、結局モレスキンに行き着いてしまいます。

モレスキンは、ポケットもラージも、一番使いやすくしっくりきて、フィールドワークでも仕事でも、公私に渡って長年愛用し続けており、
以前はモレスキンのラージサイズを、いつも小脇に抱えて歩いていました。
体に馴染むサイズ感なのです。持っていて心地いい。そして、書きたくてウズウズさせてくれる。

初めて使い始めた学生の頃から、モレスキン(特にシンプルな黒表紙)は、使い飽きることなく、書きたい思いをいざなってくれます。
魔法のような、不思議な魅力があるみたい。

あくまでも私にとってですが、同じハードカバーノートでも、ロイヒトトゥルムやロディアは、微妙に馴染みませんでした。
こういうのって理屈ではなく、直感的感覚的なことなので、すごく残念ですがしかたありません。

しかし……モレスキンのスケジュール帳は、一度使ってダメだと思ってしまいました。
世界基準で作ってあるので、私にはなくていいところが多いし、そのくせウィークリーだと書くところが足りず、自由にできるスペースが少なすぎる。一日1ページのモレスキンだと、分厚すぎて、持つにも書くにも、一年続けられる自信がありませんでした。
フリーのモレスキンは自由度が高いのに、スケジュール帳はなんだか不自由…

迷いに迷った末、もうこの際、来年はモレスキンで自作手帳を作ることにしました。
作る手間が極力かからぬよう、なるべくシンプルな構成で、
一時期、バレットジャーナルを模したことがあったので、そのよかったところだけを参考にします。

2020年バレットジャーナルにしたモレスキンを見返しつつ…

◎私にとってのモレスキンならでは

下の写真は、十五年くらい使い込んでいるモレスキン・ポケットサイズの黒の革カバー。
ハードカバーノートをガッチリ固定して安定がよく、いい具合になめらかに馴染んている上、ペン差しがついています。
モレスキンの難点はペンが挿せないことだったので、特に、服に胸ポケットのない女性の立場としては、このために革カバーを導入したようなものでした。
すぐ書けるよう、手帳と使い勝手のいいペンを一体にするのも、必要不可欠。

愛用のモレスキンカバー

このペン差しにLAMYの万年筆のグリップを差しこむと、絶妙に具合がいい。
LAMYは嵌口のキャップなので、キャップを差したまま、ペンだけ抜いて書くことができ、戻すのも楽で、スピーディなのです。

スクリューキャップより抜き差ししやすい

モレスキンの紙は、万年筆だと裏抜け裏写りする……とよく言われますけれど、これはペン先の細さとインクを選ぶものらしく、
モレスキンの罫線に漢字が書ける程度の細字ニブで、外国製のインクや、国産インクでも公文書向き(混ぜて色を作れるものではないインク)のブルーブラックであれば、私は裏抜けが気になったことはありません。

むしろ、裏抜けしやすいくらいインクの浸透がいいので、筆圧をかけずに書け、それゆえに立ったまま撫で書きができるし、書き疲れしません。
毎日立ち書きが多い仕事で素早く記録をとっていた際、すごく書きやすくて楽なことに気づきました。

そんな具合で、
・ハードカバー ・コンパクトさ ・開きやすさ ・書きやすさ ・ペンをつけられる

という、私にとっての上記の利便に全部適う、そしていつも持っていたい、私にとって最適な手帳は、結局モレスキンというわけで、
これまでフリーに書いていたのを、自分で使いやすい年間記録用に、改めてみる試みです。

シンプルなページ割(試用段階)

手元に用意したポケットサイズのモレスキンは、全192ページ。
最初に全ページにノンブルをつけます。

基本、一日1ページですが、日付を定めるのではなく、一ヶ月に使えるページ数を決め、
予備ページの余裕をもって計算したら、モレスキン1冊を4ヶ月分に分割するのが適量になりました。
一年で3冊使うことになります。

1冊あたりのおおよその割付は、

・最初の3ページに、年月日を明記したタイトル・年頭所感や決意表明、座右の言葉などを書くスペースをとり、
・4〜13ページは、一頁20行として20ページ分のノンブルの目次索引に使う。
・各月は右ページから開始し、最初のページにはシール状の一ヶ月スケジュールを貼り付け、
・続く見開き、左ページに半月分の日付を記載し、右ページは半月のタスクスペース(バレットジャーナルではマンスリーログにあたる)、4ページ使用。
・その次のページから毎日のページが、一日1ページあて割り振られますが、一日1ページでおさまらなくても、書かない日があっても、日数プラス6ページくらいの余裕を持たせて割り振ってあります。
・1冊の最後にも、6ページくらいのフリーページを残してあるので、年間予定等は必要ならつけ足せるし、ある程度の融通は利くのではないかと。

・1冊を使い終えても、必要とする自分用の知識情報は常時継続し続けるので、それらは別冊のモレスキン・カイエに書いて、差し替え続けます。

こんな具合でしょうか。

今回、新しく揃えたのは、

  • モレスキン ルールド(ポケットサイズ)

  • モレスキン カイエジャーナル ルールド(ポケットサイズ)

  • シール状の来年のスケジュールカレンダー12ヶ月分

そして、見出し用とページめくり用に、「ツメカケ」という小さなパンチを導入。
これがすごくコンパクトだし便利で嬉しい♪

シンプルです

今はまだ、プランを11月から試用期間的にやっているだけで、来年用の新しいモレスキンには、おおよそのページ計算と割付をしたのみですけれど、
今回、久々にいろいろ構想して、シンプルにプランを立てるのがすごく楽しかった。

なので、長々面白がって書いてしまいました(^^ゞ

カラーインクの万年筆や、マーカー等など、書くことにこだわる愛用の一式はいろいろありますし、コリ出すとキリがないけれど、
ストレスなく用途を充たすには、シンプルに身軽なことが、まずは最優先だと、
ひと通り集めたり試したりした、文房具筆記具道楽の果てに、最近では思う次第です。

閑話休題

ちなみに、かさばらぬフリーノートとしては、トラベラーズノートも愛用していますし、
万年筆大好き歴が使用歴がともかく長いので、そんな話も折々書きたいと思います。

こういう話をするの、すごく久しぶりで、書いてて嬉しいです♪



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