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どのくらいあてればいい?

低気圧がいつくか連なって

この日本列島を 生暖かい空気が

そこはかとなく 包んでいる


おかげで 久しぶりに 

曇りの日の くすんだような灰色の空と

その雲の膜を 後ろから押し上げるような

陽の照らし方を見た


なんなら少し 雨すら降っていた


陽と雲と雨とが 同時に一緒にいる空と

それから 匂いがしそうな生暖かい風に

ぼくは ちょっと身震いして

それから ちょっとホっとした


少し疲れていたと思う

ノスタルジーが持つ キラキラ感に

モノクロームが見せる ギラギラ感に

イカスミ色が放つ 想いは募る感に


どのくらい陽を どのくらいの時間

浴びさせて 

自分をさらけ出すのか

わからなくなっていた


なんだ単純なこと

くすんだ灰色の モヤモヤも

知らずか押し上げる 強い光も

生暖かさに吹かれ 涙に近い雨も

越えてきたから こうして気づけたこと


光のあたり具合を気にして

わざわざ未熟ぶらなくて良かったのに

さらけ出して見せてやらなくて良かったのに


どうせ 何とも思われていない

どうしたって 素敵には映らない

そういう悲しさや虚しさを感じる

君には。


でも どうだろう

こんなに人に嫌われそうな天気にも

意外と励ましたり癒したりする 力がある

そんなことが わかったんだから

光のあたり具合や

ぼくには与えられない 光を嘆いて

ぼく自身を 悲観するのはやめよう


君が 悲しさや虚しさ、切なさしか

与えてくれない代わりに

ぼくは 自分自身に

そこはかとない 生暖かくもやさしい陽を

ピンボケするくらいの感じで

あててやってもいいかなと思う


それで…


いつか君が はっとなるような

やさしい陽のあて方を 見つけたい




 


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