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人々の記憶に深く刻まれることになる奇妙な出来事(実話)


「時が止まったホテル」

1979年8月12日、スペイン北部の小さな町ラ・グランハにある「モンタナ・ホテル」で、人々の記憶に深く刻まれることになる奇妙な出来事が起こりました。

その日の朝、町の郵便配達員マヌエルが、いつものようにホテルに郵便物を届けにやってきました。しかし、普段なら笑顔で出迎えてくれるはずのフロントの従業員の姿がありません。おかしいと思ったマヌエルは、開いていたドアから中に入ってみました。

ロビーには誰もおらず、不自然な静けさが漂っています。レセプションデスクには、電話の受話器が外れたまま置かれていました。そばには半分書きかけの予約表。ペンはまだインクが乾ききっていないようでした。

マヌエルは不安になり、警察に通報しました。駆けつけた警官たちが建物内を調べると、さらに奇妙な光景が広がっていました。

ダイニングルームでは、朝食の準備が途中で止まっていました。テーブルには半分に切られたパンや、注ぎかけのコーヒー。キッチンではガスコンロの火がついたままで、鍋の中の水は完全に蒸発していました。

客室を一つ一つ確認していくと、どの部屋にも宿泊客の荷物が残されたままでした。ベッドは使用された形跡があり、バスルームにはまだ湿った歯ブラシやタオルが。しかし、人の気配は全くありません。

警察は即座に大規模な捜索を開始しました。ホテルには当時、従業員30名と宿泊客25名がいたはずです。しかし、建物内に誰一人として見つかりませんでした。駐車場には従業員や宿泊客の車が普通に停まっており、逃走や移動の形跡はありません。

捜索は町全体、そして周辺地域にまで広げられました。しかし、行方不明者たちの痕跡は一切見つかりませんでした。まるで、ホテルにいた全員が突然、この世界から消え去ってしまったかのようでした。

さらに不可解だったのは、その後の展開です。普通なら、これだけの人数が突然姿を消せば、家族や友人、あるいは他の町から訪れていた宿泊客の関係者から問い合わせが殺到するはずです。しかし、そういった連絡は一切ありませんでした。

警察は、ホテルの予約記録や従業員リストを基に、関係者への連絡を試みました。しかし、そこに記載されていた電話番号は全て使われておらず、住所を訪ねても該当する人物は誰も住んでいませんでした。まるで、ホテルにいた人々の存在そのものが、現実から抹消されてしまったかのようでした。

この奇妙な出来事は、たちまち町中の話題となり、やがて全国ニュースでも取り上げられるようになりました。多くの専門家や好奇心旺盛な一般人が、この謎を解明しようと現地を訪れました。

UFO研究家たちは、これは宇宙人による集団誘拐事件だと主張しました。実際、事件の前日、近くの山で奇妙な発光体が目撃されていたのです。

一方、超常現象研究家たちは、これを時空の歪みによる現象だと考えました。何らかの理由で、ホテルとそこにいた人々が別の次元にスリップしてしまったというのです。

そして、陰謀論者たちは、これは政府による秘密実験の一環だと噂しました。人々を突如として「消す」技術のテストだったというのです。

しかし、どの説も決定的な証拠を示すことはできませんでした。

警察の捜査も、結局のところ手掛かりらしい手掛かりは何も見つからず、迷宮入りとなってしまいました。

そして時は流れ、事件から10年が経過しました。人々の記憶から、この不思議な出来事が薄れつつあったある日、町に一人の老婆が現れました。

彼女は、自分がかつてこのホテルで働いていたと主張したのです。しかし、彼女の話には奇妙な点がありました。彼女の記憶では、ホテルで働いていたのはつい先日のことでした。1979年8月12日の朝、普通に仕事を始めたはずが、気がつくと見知らぬ場所で40年近く経っていたというのです。

老婆の話は、再び町中の注目を集めました。彼女の証言は詳細で、当時のホテルの様子を正確に描写していました。しかし、彼女の身元を特定しようとする試みは全て失敗に終わりました。

そして、さらに奇妙なことに、この老婆は数日後、再び姿を消してしまったのです。彼女が泊まっていた宿の部屋には、彼女の荷物が残されたままでした。まるで、あの日のホテルの光景が再現されたかのようでした。

この出来事は、忘れられかけていた「時が止まったホテル」の謎に、新たな疑問を投げかけることとなりました。果たして、この世界には私たちの理解を超えた何かが存在するのでしょうか。

時は流れ、今もなお、モンタナ・ホテルは人々の好奇心をかき立て続けています。建物はそのままの状態で保存され、今では観光名所となっています。訪れる人々は、40年以上前のあの日の朝、突如として時が止まってしまったかのような光景を目の当たりにすることができます。

そして時折、ホテルの近くを通りかかった人が、窓越しに人影を見たという噂や、深夜、建物の中から話し声や笑い声が聞こえてくるという証言が絶えません。

「時が止まったホテル」の謎は、今もなお解明されないまま、人々の想像力をかき立て続けているのです。​​​​​​​​​​​​​​​​

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