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日本全都道府県に行ってきた(金沢滞在その2)

これまでの流れはこのマガジンからどうぞ。

11月5日

金沢滞在の続き。

金沢って、ホントに素敵な街だ。

まず、美術館、博物館といった施設が、街の規模の割には多くてそれぞれ高水準だ。

ホテルの近くに蓄音機博物館というのがあり、クラシック音楽が好きなのでふらっと入ってみたが、個人収集から始まった博物館なのに収蔵品の数、種類も多くてとても楽しめた。

蓄音機の聴き比べを一日に3回やっているので、これを聞かないともったいなさすぎる。

もちろん最新デジタル録音の良さもあるけど、アナログの蓄音機から流れる音も、決して悪くない!むしろ暖かみがあって、楽曲によってはこちらの方が雰囲気が出るかもなあ…と思った。

ここからほど遠くない場所にあるのが、大樋美術館だ。

白状すると、「大樋焼」なるものは全然知らなかったのだが、金沢のことなら何でも聞けばいいや、と信頼していたホテルみるぞーさんが絶賛した場所なので行ってみたが、ここは渋い。

大樋焼は、轆轤は使わず手で捻りながら成形し、ひとつひとつ箆で削りながら造り上げていく[3]。小さな窯に釉薬を施した作品を入れ、短期間に温度を上げた後、引き出して急冷する[3]。この温度差の急な焼成は楽焼と大樋焼だけに見られる手法である[3]。また独特の飴色は、初代長左衛門が京都より金沢に出向く際に楽家より与えられたとされており、雪国にふさわしい暖かい味わいが特徴である[2]。

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…とまあ、こういうことなんだけど、僕が行った時はギャラリーには誰もいなくて、素朴かつ味わいの深い焼き物をじっくりと鑑賞できた。

そしてですね、ここのギャラリーショップでは、抹茶と和菓子を頂けるのだが、いくつかあるお茶碗を自分で選べる。

どうせなら、と思って一番古いお茶碗を選んだが、これは300年以上前のものだそう。ちょっと持つ手が震えてしまった…。

お茶の作法なども知らない僕だが、繊細かつ複雑な味わいの抹茶と、芸術的とまで言えそうな色合いの和菓子を頂いていると、時間がゆっくり流れていくのを感じた。

そして、金沢は和風の古い建物だけではなく、戦前のレトロな建物もチラホラあって、僕はこういうの大好きなのでたまりません。

この建物は旧村松商店ビルというのだが、直線的な造形といい、縦長の窓といい、アールデコですねえ…ほれぼれとして見入ってしまった。
現在はインテリアデザインのお店になっていて、おしゃれな家具やアクセサリーが販売されていた。

電線がなかったらもっと写真ばえがするのにね…

その少し先には、ブルーグレイの壁の色が品のある建物があった。この出窓、窓枠の模様などが素敵すぎる…。
これは個人住宅だったのだろうが、ここしばらくは空き家になっているようで老朽化が目立った。取り壊してほしくないなあ…。

表通りにあったこの建物も、重厚のある入口のアーチなど風格があってすばらしかった。一階は雑貨屋さんになっていて、ティールームもあった。

この辺りは、歩く博物館、といった趣でぶらぶら歩きがとても楽しかった。

そして、兼六園の裏側にある博物館が固まっているエリアに行く。

美術館の中にあるティールームの洋菓子は絶品!ということで、普段は団子より酒!の僕であるが、30分ほどの待ち時間を経て、客の9割は女性(男性だけ、という客は僕だけだったような…)という圧倒的アウェイ感の中で頂いたお茶とケーキは…絶品でした、流石に。
こんなデリケートな味わいのケーキは、なかなかない。

この後21世紀美術館にも行ったりして、さすがにギャラリー疲れしてしまったので、鈴木大拙館は外から見ただけだが、この水が静かに張られた中庭は、禅だねえ…。

県立歴史博物館の紅葉が赤レンガに映えていた。

いやはや、眼福の一日でありました…。

(つづく)

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