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【アルバム紹介-4】【シティ・ポップ】渡辺真知子/フォグ・ランプ

今回紹介するのは78年に発売された渡辺真知子の2ndアルバム「フォグ・ランプ」です。

フォグ・ランプ
渡辺真知子

フォークソング全盛期には、シンガーソングライターはテレビに露出しないという風潮があったにも関わらず、渡辺真知子は音楽番組に積極的に出演しました。そして愛嬌のある顔立ちと性格から彼女は(ほぼ全ての作詞作曲を渡辺真知子本人で手がけるシンガーソングライターであるものの)アイドル歌手のような扱いを受けることもありました。実際に山口百恵とは横須賀の同郷で仲もよく、引退後の結婚式にも出席しています。2人とも声が低いという共通点もありますね。誰もが知る名曲「プレイバック part2」が収録された「ドラマチック」も同年にリリースされています。

ドラマチック
山口百恵

全11曲の本作は、大ヒット曲である「かもめが翔んだ日」が収録された1stの「海につれていって」の半年後にリリースされました。1曲目のインストゥルメンタルの作曲と全ての編曲を船山基紀が担当しています。インストゥルメンタル以外の作曲は全て渡辺真知子で、作詞は3曲が伊藤アキラ、残りの7曲は渡辺真知子本人の作詞です。シングル曲「ブルー」を収録したこのアルバムの全体的に漂うメランコリーな雰囲気は、ジャケットの夜に降る雨の様子ともピッタリとマッチしています。

海につれていって
渡辺真知子

アルバム内容
1曲目「オーバーチュア」軽快なサウンドが心地よいインストゥルメンタルです。カッコイイのでオススメです。
2曲目「今夜は踊って」はインスト曲に続き軽快で、明るくリズミカルな雰囲気を持っています。
3曲目の「ブルー」は必聴で、若い世代でも聞いたことある人も多いのではないかと思います。

あなたは優しい目
だけど とてもブルー
凍りついてしまうほど

インパクトのある歌い出しから始まり、先程までの軽快さが薄れたしっとりとした曲です。
5曲目「今はどのあたり」ではアコースティックギターが使われており、フォークっぽさのある力強い曲です。
6曲目「フォグランプ」はアルバムのタイトルにもなっている通り、このアルバムらしさが出ている少し暗い名曲です。

霧のような女心
あなたには分からない
私は今 霧の中です

8曲目「光るメロディー」は大好きな曲です。シングル曲「ブルー」とカップリングで収録された曲のため「ブルー」の影に隠れがちですが、こちらも引けを取らない名曲です。渡辺真知子の力強い歌声が素敵な1曲です。
最後11曲目の「ミッドナイト」も大好きな曲です。深夜の雰囲気が感じられるこの曲は、大人っぽさの漂う良質なシティ・ポップです。

都会の空には星はない
虚ろな胸には誰も抱けない
仲間はもう勝手に消え
私ひとり ミッド・ナイト

まとめ
渡辺真知子さんを紹介しました。今までで1番文量が多くなりましたが、とても好きな1枚なので興味を持って頂けたら是非聴いて欲しいです。ここまで読んでくださった方ありがとうございました。

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