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アテストの思い出

 アチーブメントテスト、通称アテスト。神奈川県である時期まで行われていた試験。中学2年の3学期の3月に2日間に渡って実施される9教科(国語・数学・理科・社会・英語・美術・体育・音楽・技術家庭)の筆記試験である。この試験の成績で高校の志望校が決まると言っても過言ではなかった。
正直に言うと、大変だった。9科目である。2年生になった1学期から3学期のアテストを意識する。私は学習塾に通っていたのだが、当然アテストを意識したものになる。夏からは本格的に、冬になったら直前講座などを受けた。自分でも過去問を買って解く。9科目バランスよく点数を取らないといけない。

 校内では「2年生がアテストを受けているので2年生の教室のそばを通る時は静かにするように」と先生から注意を受ける。これを聞いて、1年生の時は来年自分が受けるアテストに不安を感じ、3年生の時は「もう少し点が取れれば」と思ったりする。アテストが終わって、3年生になったら今度は高校入試。2年間受験勉強のようなものだった。

 私は数学の点数が他の教科よりもちょっと悪く、三者面談の際に「アテストの数学の成績がちょっとな…」と言われていた。数学は苦手だったから致し方がない。どうして神奈川県だけ独自の方式だったのだろうか。アテストの他にも中学では市の診断テストが行われていて、これは1学期だったように思う。高校では市の診断テストではなく、県下一斉テストが待っていた。試験科目は3科目だったか5科目だったか。

 現在、アテストは廃止されているそうだ。2年生だけが試験を受けている冬の日の校内の緊張感は今でも覚えている。

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