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グレーのガーディガン

 冬になると中学と高校の時の校則を思い出す。通っていた中学校は公立で、冬の制服として、黒・紺・グレー・白色のカーディガン、女子は肌色のストッキングが認められていた。これ以外は校則違反という訳だ。私は紺・グレー・白色のカーディガンを持っていて、グレー色のものが一番気に入っていた。靴下では寒く、肌色のストッキングでも登校時は足が寒かった。

 高校は私立の学校に進んだ。細かな制服の校則が多かった。冬場のカーディガンは黒か紺、冬場のみ黒のストッキングが認められていた。中学校で気に入っていたグレーのものは校則違反となるため着られなくなった。ストッキングは肌色ではなく黒。

 社会人となり寒い冬場はタイツを履くようになった。寒くなるにつれ厚手のものに。外気の寒さに合わせた防寒の格好となっていった。街中で見かける女子高生の足元を見るたびに「その恰好では寒いよ」と思う。中学・高校の時の自分がよくあの格好で冬の寒さを乗り切れていたものだ。最近は女子にも制服としてスラックスを認めている学校もあると耳にする。あのスラックスもそれほど厚手の生地ではないだろう。冬は見ているだけで寒そうでならない。

 黒と紺がよくて、グレーと白がだめ、肌色と黒色、何の違いがあるのか。学校に通っていた時は、仕方なしに校則に従っていたがモヤモヤした気持ちはあった。大人になっても「どうしてダメだったのか」不可解な校則に未だにモヤモヤは消えていない。

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