見出し画像

創作Discord歌会#2 -青-

2021年7月2日(金)、銀猫( https://twitter.com/Ginneko0 )さんのDiscordサーバー「起きろ!!創作の時間だ!!!」にて、2回目の歌会を行いました。現時点で約1300人の創作好きがいる大型サーバーですが、なんと短歌をやっていると公言しているのが私だけ、これは短歌の風を吹かせるしかないと初めた歌会です。第二回から初参加の、「短歌って、学校でしか作ったことない」といった感じの初心者さんたちと、2回目の参加になる人達の、お題「青」での短歌をお楽しみください!また、それぞれの短歌へのコメント等いただけましたら、本人たちにも伝えますのでどうぞよろしくおねがいします。

参加者(宣伝など)

こーひー(主催)

古美門サミーさん Twitter→ https://twitter.com/KomikadoSammy (初参加)

RHABGKEさん(初参加)

斉藤らっこさん ボードゲームで対決するYouTube→https://www.youtube.com/user/RakkoItazu/videos

五月雨夕霧さん Twitter→ https://twitter.com/mayrainevening

第一席

眠い目をこすって笑う君の顔ようやく咲いた朝だけの花/五月雨夕霧

(五月雨)イメージは小学生の朝顔の観察。朝顔の表現に凝ろうと思って作りました
(サミー)小さい子供の笑顔の情景が(今回の歌会で)一つしか無くて、心に刺さった。映像がすごく明るくてそれが好きです。
(こーひー)恋愛よみしちゃいました。「ようやく」の時間経過から、前日に喧嘩などをして、朝になり笑顔が見られてほっとした。そういう短歌だと思いました。
(RHA)恋人の歌だと思った。色っぽいふうに読んだけど、それでも成立していた。
(らっこ)朝顔を比喩としてとって、朝顔自身の風景が消えても(お題である)青が出てすごい。


変わった?と舌を出し合い確かめる氷が染めた青色の舌
/五月雨夕霧

(五月雨)詠んでて舌が2個入っちゃったけど…。みんなやるよね、ってやつです。
(らっこ)何分か前にアンサーソングを詠んだんですけど笑(らっこさんは今回同じような風景の短歌を詠んでいた)同じ情景で可愛さこんなに違う?って。この可愛さは僕には出せないですね。
(RHA)青ざめた舌の色って表現がらっこさんの(エイリアンみたい)と色の違いがあって最高だ!と。
(こーひー)五月雨さんの歌は共感性が高くて素敵です。これも情景が素直で、丁寧に描けてていいなと思います。
(サミー)さりげないセリフが無邪気な感じで楽しい。「氷が染めた」に溶けた氷が体に染み渡っていく感じを覚えて、夏のかき氷の美味しさですね。


真っ青に埋め尽くされて真っさらなハードディスクを買いに行こうか
/古美門サミー

(サミー)データが飛んでブルースクリーンになるという怖いやつを書きました。
(らっこ)単純に青のお題にブルースクリーンを選ぶのがすごい。最近パソコン壊れたのでタイムリーで刺さりました。
(こーひー)リズムが良かったんで、選びました。心機一転って感じがあります。
(五月雨)今日の怪談短歌ですか?語感がいいですね。
(RHA)冷たいデジタルな青ですよね。それが目前に浮かびました。

その他

変わらない日常を終え帰る部屋開けると明かりとキミが足りない/斉藤らっこ

(らっこ)曲のMVで明かりのない青い部屋でタバコをくゆらせる描写から派生して思いつきました。対比を意識しています。
(サミー)山崎まさよしだ!と思いました。暗がりの青という感じが面白かった。
(こーひー)時間の経過と対比が良かったです。家の中だけ詠み手にとっては非日常であるという感じがします。
(RHA)刺さった。仕事などの日常を終えてるけど、「明かりとキミ」が日常から外れている感じがすごくいい。すごく悲しいと思います。
(五月雨)青色は使ってないし、連想する名詞もないけど、青というお題に添えてるのがすごいです。

ブルーハワイの色ついた舌を見て「エイリアンみたい」「お前、モテない」/斉藤らっこ

(らっこさん)最初に思いついた。五月雨さんのアンサーソング笑(五月雨さんもブルーハワイを描いた)
(こーひー)下の句が完全にセリフのみですが、上の句だけで周辺情報が足りててうまい!と思います。
(RHA)夏祭りが思い浮かんで、会話自体は間違いなく日常的だけど、どこか夏の非日常、遠さを感じます。
(五月雨)何してるかがよく浮かぶし、背景の手がかりが多くて、二人の関係性など想像を楽しめます。
(サミー)想像がよく膨らむし、男女でとれるし、こちら側の妄想が膨らみますね。

炭酸と閉じ込められた夏色のビー玉望んだあの日は遠く/五月雨夕霧

(五月雨)青でサイダーを連想。ビー玉が欲しかった幼いころの気持ちを思い出して「全人類ビー玉を欲しがる!」と詠みました。
(RHA)夏って遠いイメージがあります。その遠さをビー玉と重ねているのが王道でいいです。
(らっこ)子供の目線から自分の目線への移動がすごい。上の句がエモいです!
(こーひー)上の句の「閉じ込められた」が詩的。その硬い言い方に取り出してあげたいみたいな気持ちも感じるし、非日常を感じる。
(サミー)「望んだ」がビー玉のこととも取れるし、あの頃に戻りたい的な、ダブルミーニングっぽく思えます。周りの景色もよく浮かびますよね。

暗闇に浮かぶ故郷(ふるさと)目にすれば頬の水玉さえ青く/古美門サミー

(サミー)1つは地球の青で作りたいなと思って、ガガーリンの「地球は青かった」をイメージして作りました。
(こーひー)私は車窓の情景と思って読みました。涙の表現が秀逸です。
(らっこ)頬の水玉がすごい。地球の玉とかけていたのか!と知って納得。
(五月雨)どこから故郷をみているのか様々に想像できる余地が面白い歌だと思いました。

自転車の上でくわえるチュパチャプス今日の気分はコーラ味/古美門サミー

(サミー)チュパチャプスの包み紙って青だったと思って作りました。チュパチャプス細かすぎて伝わらないネタでしたかね?
(五月雨)最初わかんなかったけど、もしかして!と思って検索したら青色だったので驚きました。短歌の雰囲気にある夏感と包み紙で青を表現するのが面白い。視点が独特でびっくりするような短歌ですね。
(こーひー)包み紙が青とは…。「今日の気分は」からいつもチュッパチャップスを食べている感じと、王道のコーラ味に帰ってきた感を覚えます。
(らっこ)青春を「自転車の上」に感じました。コーラ味って「黒やん」って思って詠んでました…青の見つけ方がすごいですよね。
(RHA)コーラでなんでやろーって思ってたら、包が青、で彼ならではの夏がこれか!と思って驚きましたね。

告白の返事を待っている。君のブルーハワイは溶けきっている/こーひー

(こーひー)告白の返事がなされる前のジリジリ感とか、相手がかき氷を持っているときに告白しちゃうずるい人とかを描きました。
(RHA)かき氷のおかげでそんなに時間が経っていないと思いました。焦がれるような恋心を感じましたね。
(五月雨)また違う青春というか、かき氷のシロップみたいな甘い感じがするし、ブルーハワイの色にうまくいかなそうな感じが表れてる。
(サミー)緊張感とか、かき氷が溶ける間の沈黙を感じたので、この空間どうしよう!って思いました。
(らっこ)私はレストランの中で、どう返事をしたらいいか迷っている時間を想像しました。葛藤が表れていると思います。

胸骨はクラゲのように動きます水中である夜空の中で/こーひー

(こーひー)クラゲと呼吸の様子をダブらせました。深呼吸とかを想像していただけると幸いです。
(サミー)ポスターのタイトル回収だ!(サムネにしているクラゲの写真)と、「動きます」という語尾が面白いと思って、理科の授業っぽいというかドライなのがギャップが面白い。
(らっこ)胸骨とクラゲに関係はないのに、どちらも夜空の中でゆったりと動いている感じがあります。
(五月雨)青い雰囲気がするなと思って、言葉の雰囲気が青っぽいというか漠然と青が浮かぶ感じ。
(RHA)私は、運動後かなと考えて、泳ぐクラゲのように呼吸が速いのかと思い、爽やかだと感じました。

ブルーグレーの空かき抱き髪結ぶ鮮やかな青い爪をしている/こーひー

(こーひー)曇り空のじめっとした空間で、青い爪をした女性がポニーテールをするという対比です。
(五月雨)「かき抱き」がすごい好きで、ブルーグレーと鮮やかな青の対比が綺麗。
(サミー)色っぽいというか、深くコメントすると危険かもって思いました笑
(RHA)フェチ感じちゃいましたね。
(らっこ)鮮やかな青い爪の似合う大人の女性が想像されます。リズムが良い。

雨上がり、虹の下には夏色かスーツを脱いで、駆け出す白地/RHABGKE

(RHA)7月入ったのに昨日雨ひどかったのでそれで思い浮かびました。雨上がりの虹が出ているときの爽やかな駆け出しを描きました。砂浜をイメージしていて、夏色=海の色で、スーツを脱いで駆け出す感じです。
(五月雨)色の感じが多いです。カラフルな感じもしつつ、空や雨の青が面積多い。走りにくいスーツでも走ってしまう衝動が感じられて良い!
(こーひー)爽やかで、色の配置がありますよね。雨の色から、虹、夏色、スーツのグレー、そして最後に白で締まります。
(サミー)「雨上がり」と「スーツを脱いで」で二重の開放感があります。雨が降ってて仕事中っていう「ため」の時間が感じられるて、ひゃっほう!って思います笑
(らっこ)夏!爽やか!が全面にでて読んでてとても気持ちいいですね。

短歌はここまでとなります。参加者さんたちに今日の感想を聞きました。

(サミー)
かなり突撃させていただいた感じでしたね。一週間くらい考えて作ったんですけど、意外と書けて楽しかった、表現したいことを、言外にするかどうかっていうのの判断が難しかった。これから伝わる伝わらないの際を狙っていきたいですね。歌会はいろんな視点があって楽しかったです。
(RHA)
一番気になっていた「夏色で青が通じるのか」っていうのが興味深くて、みんなの夏が青である共感を感じられて楽しかった。
(五月雨)
自分が思ってなかったこと(朝顔の短歌での恋愛読みのこと)を言われて面白かった。次回は変化球を投げたいです!
(らっこ)
レベル高かったなぁっていうのと、ブルーハワイだけで3つあったけど、情景が全然違うのが面白かったのと、1票もらえるように次はがんばります笑

あとがき
今回、二度目ということでどのくらいの方が参加していただけるのか不安でしたが、二人が続投してくれて嬉しく感じます。初心者さんからの「「っ」や「ゃゅょ」の字数の数え方からわからなかった」という手探りのコメントも出て、私としてはそういった短歌に関する小さな疑問を解消したり、小さな興味を育てていく場にしたいという思いがあるので、良い回にできたのでは、と感じています。
また、約1時間半で完結した歌会ですが、その後のアフタートークもとても盛り上がりました。「どんなふうにみなさんが短歌を作られているのか」「どこまで字数を気にしなくてよいのか」「俳句との違い」など様々に話し、歌会自体よりある意味濃密な回になったかもしれません。アフタートークの中で生まれた次の企画として、

・うまくまとまらなかった短歌などを持ち寄った添削会
・みなさんが好きな短歌を持ち寄りそれについて話す会
・詩の企画
・そもそも短歌について学ぶ会

などがあり、予定が立ち次第どれも進めていくつもりなので、決まるたびに追記していこうと思います。

また、次回の創作サーバー歌会第三回はお題「夏祭り」で行います。これは、創作サーバー内で様々な企画を行う「夏祭り」に付随したもので、本来お盆中などに行いたかったのですが、主催の私の忙しさを理由に開催を「7月30日金曜日」と予定しております。申し訳ありません。
詳細は、私のTwitter、及びこの記事の追記に書く他、サーバー内の「夏祭り歌会」チャット内にて告示していきます。多くの参加をお待ちしております。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?