山代悟

建築家/博士(工学) 1969年島根県出雲市生まれ。ビルディングランドスケープ一級建築士事… もっとみる

山代悟

建築家/博士(工学) 1969年島根県出雲市生まれ。ビルディングランドスケープ一級建築士事務所 共同主宰、芝浦工業大学建築学部建築学科 教授、NPO南房総リパブリック 副代表理事、元 大連理工大学建築与芸術学院 客員教授

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楽器やスポーツをひとつ身につけるように

noteの記事を読んで色々と得心いったと学生に言われたので再掲。読んでくれるのは嬉しいね。 学生に伝えておきたいことは、学びにおいては「作業時間の短縮」は学びの時間の短縮、すなわち、学びのチャンスの減少にしかならないケースが多いということ。 手描きで何時間も製図にかかるものをCADでは数分で描画することができるケースがあります。その「製図」の効率性は「設計」というスキルを身につけた後に仕事の効率を上げてくれる有効なものですが、まだ十分に設計のスキルを身に付けていないうちに

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      • ペーターとオンジとハイジ。仕事の未来

        朝シャワーを浴びながらの思いつき。 労働時間の短縮が叫ばられる。もちろんこれ自体は結構なこと。一方で自分自身に高い課題を課して成長を続けられる人以外はスキルが低いまま置かれる。そしてAIやロボットに仕事を奪われていくだろう。 労働時間短縮の次の論理的な帰結は、労働者自体の削減だろう。実際は同時に起こる。 近未来の仕事はどんなものになるか。アルプスの少女ハイジになぞらえて考えてみた。 ひとつは、おんじ、みたいな感じか。手づくりで家具やチーズをつくり、ある程度社会から自立

        • 市民防災に向けて

          昨晩はウェビナー「被災屋根応急補修構法に向けて」を開催しました。令和元年、2019年9月の台風15号をはじめとする台風で大きな被害をうけた千葉県館山市富崎地区。NPO南房総リパブリックで空き家をお借りして、二地域居住体験施設「布良ハウス」を運営し、事務局長として春日広樹さんが住んでいた地域です(台風当時のことについてはこちら )。 台風時の第一報を受け取ったのは、イタリアのキアンティのワイン畑。アグリツーリズム調査ということでワイナリー巡りをしているほろ酔い加減の時に連絡を

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          ビルディングランドスケープ:教育施設

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          モデルをみる力、そしてモデルに描かれていないものをみる力

          2010年くらいまではスタディは極力模型でやるようにしていましたが、大連理工大学の客員教授を勤め、日本と中国の両方で仕事をするようになったことがきっかけで、さすがに日中両方で模型をつくるほどのマンパワーもないので、SketchUpやRhinoを使ってのスタディの比重が上がってきました。 ただし、スナップショットを送ってもらって判断するのではなく、3Dモデルを送ってもらって自分でモデルのなかを「ぶらぶらする」ようにしています。模型に比べれば情報量は落ちるけど、このぶらぶら作戦

          モデルをみる力、そしてモデルに描かれていないものをみる力

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          ビルディングランドスケープ:集合住宅

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          セブ|よいとこ

          今回は環境建築の国際会議「GREEN 2020 from Ridge to Reef」に参加するためにフィリピンはセブ島に行ってきました。 空港から市内へ。さすが。早速セブの洗礼を受けます。世の中、リスクってなんだろう。 マゼランを倒した国民的英雄ラプラプを記念した公園へ。公園の東屋。葦のようなもので葺かれた屋根と、草で編んだスクリーンの壁。壁は外に倒れた角度で取り付けられている。他の小屋でも同じような作られ方をしているので、一般的な作られかたなのか。 雨を防ぐ

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          二地域居住と「サピエンス全史」

          ここのところ飛行機移動が続くため、iPhoneのKindleでの読書。ユヴァル・ノア・ハラリの「サピエンス全史」を再読。 「サピエンス全史」https://www.amazon.co.jp/サピエンス全史-上下合本版-文明の構造と人類の幸福-ユヴァル・ノア・ハラリ-ebook/dp/B01KLAFEZ4/ref=mp_s_a_1_4?keywords=サピエンス全史&qid=1583108515&sr=8-4 大著でもあり、隅々まで精読するわけではないが、飛行機の中で

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          続・オーストラリアにみる都市木造の可能性

          「低炭素社会への環境意識」への適合性の高さが都市木造の大きな魅力であり、林業関係者や一部の建築家だけでなく、事業主側から都市木造を建てたいというニーズが生まれる背景だと言えるだろう。今年は「木造化したビルの方が良いテナントがつき、家賃も高く取れる」というコメントも聞かれた。 日本では自然で素朴な表情の木造が多いが、200 Georgeに見られるようなエコロジーとゴージャスさが組み合わさったデザインは、新しい潮流を表しているのかもしれない。 2017年8月、2019年2月のオ

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          木でつくる多様な働き方のためのインダストリアライゼーション

          芝浦工業大学大学院の修士論文の発表会に参加した。いろいろと面白い発表はあったが、最後の方にあった生産系の発表が興味深かった。 ひとつは女性が建築生産の現場で働く状況とその困難について。人手不足もあり、専門工事会社でも女性を積極的に雇用し働く環境を整えようと取り組んでいる会社も多いが、出産を契機に離れてしまうとのこと。子どもが生まれれば朝の家事はさらに忙しくなるし、保育園幼稚園に子どもを届けるまでは仕事に出かけられない。夕方も早く帰らなければならないだろう。現場仕事は作業時間

          木でつくる多様な働き方のためのインダストリアライゼーション

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          ビルディングランドスケープ: アーバンデザイン

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          ヘルシンキ|よいとこ

          平らな国フィンランドに到着しました。サマータイムなので時差は6時間。 入国審査の列が非常に遅く、予定より40分以上遅れましたが、TAと参加学生計17名と空港で現地合流。ほっ。ホステルまで一般の路線バスで移動します。チケット買うのもひと騒動。 今回ヘルシンキで滞在したアパート。Kruununhakaエリアの集合住宅の一戸(写真右側の一階)。 学生はホステルですが、自分はエアビーで見つけたユニットにチェックイン。Kruununhaka地区にあるアパートの一階のスタジオ。オー

          ヘルシンキ|よいとこ

          Ancient Future 木でつくる懐かしい未来

          LVLやCLTをもちいた日本における都市木造プロジェクト Urban Mass Timber projects with LVL and CLT in Japan *このテキストは2019年2月に浜松市で開催された木質フォーラム浜松市国際会議における講演をもとにしたものです。 日本の伝統的な木造大規模建築 私は東京でビルディングランドスケープという建築設計事務所を共同で主宰しています。また2017年から東京の芝浦工業大学で「プロジェクトデザイン」をテーマに地域再生や災害

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          まちを紡ぐひとびと

          昨日の夜は木綿街道にお邪魔して、振興会のみなさんや仲間たちと素敵な会食。たらの芽、アシタバなどなどの山菜を天ぷらにしたものとか、地の食材が並ぶ。 木綿街道で最初のCitySwitchワークショップをさせてもらったのが2008年。その頃から大きなテーマだった旧石橋酒造の再生が動き出し、改修の工事が始まっています。 一時は解体の危機を迎えた地域の中核の空間を、市が一時取得して保存し、地域の人々が清掃や活用実験を通してその魅力を表現し、そこに可能性を感じた地域の内外の人

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          プロジェクトデザイン:設計や工事がカラオケ化する時代に仕事をつくる

          日本は人口の減少期に入り、多く地域では経済の縮退が顕著になり、自分自身の仕事が減ってきた、あるいは仕事の内容が変化してきていると感じている人も多いだろう。  コンピュータやとインターネットの普及、そしてそれに後押しされた流通や加工技術の革命は、多くの仕事をアマチュアに解放したが、建築やインテリアのデザインや工事といったものも例外ではない。CADなどのデザインツールが無料で提供されていること。DIYの方法、建材、部品などに関する情報が公開されていて興味さえあればすぐにでも手に

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