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【保育士試験向け】社会保険総まとめ

こんにちは、ぺろよしです。
今回は令和4年神奈川試験や後期試験に向けまして、社会保険制度(医療・年金・雇用・介護・労災)の総まとめ記事を作成しました。
保育士試験において社会保険分野が出題されるのは主に「社会福祉」となります。過去問の傾向を見ると毎年1~2問ほどは必ず出題されています。(多い年だと3問)
馴染みがない方だと社会保険は難しく感じるでしょうが、出題される要点はそれほど深堀りはされたものとはなっておりません。捨てるか捨てないかは人それぞれですが、制度をきちんと知っておけば確実に得点源と成り得る分野だと思います。

全てが押さえておくべきポイントなのでいつものように太字にはしていません。実際に試験で問われた時にひっかからないように、しっかり違いを頭にいれていただければ幸いです。
という訳で、今回のまとめは保育士試験で出る区分の違いや重要項目を最低限ピックアップしたものなので、「もっと詳しく知りたいなー」という方はご自身でちょっと調べてみたり、ぺろよしの個別記事(まだ全て書ききれてませんが)をご覧くださいね。


◆公的医療保険制度

まずは公的医療保険制度から。詳しくはこちらをご覧ください。

国民皆保険制度によって国民全員が何かしらの健康保険に加入する事が必須となっています。保険の種類は色々ありますが代表的なものが以下の通り。

①健康保険
加入者:会社員と扶養家族
保険者:健康保険組合(大企業)や協会けんぽ(中小企業)
保険料:労使折半(会社と労働者で半々)

②国民健康保険
加入者:自営業・フリーランス・無職など各種健保未加入者
保険者:市町村・都道府県・国民健康保険組合
保険料:全額自己負担

③後期高齢者医療制度
加入者:75歳以上の人
保険者:都道府県の後期高齢者医療広域連合
保険料:原則1割だが収入に応じて2~3割負担にもなる。保険料は原則年金から天引きされる

過去問では根拠法(高齢者の医療の確保に関する法律)も選択肢として問われていました。

代表的な給付制度
・高額療養費制度
高くなってしまった一か月あたりの医療費から一定の自己負担を引いて払い戻しされる制度
・傷病手当金制度
病気やケガで働けなくなった時、休んだ4日目から最大1年6か月の間お金がもらえる制度
・出産手当金
出産で仕事を休んだ時にお金がもらえる制度
・出産一時金
分娩費用の内42万円が支給される制度(健保→病院へ直接払いが多い)

健康保険のポイント
・どんな人がどんな制度に当てはまるのか、加入先はどこなのかという区別
75歳以上になると必ず全員後期高齢者医療制度に移行する
をまずはおさえましょう。給付制度については上記であげたものが平成27年社会福祉で出題されていますが出題頻度は低いです。余裕があれば覚えておきましょう。
ちなみに後で出てくる労災保険の対象=通勤・仕事中のケガや病気をサポートなので、健康保険はそれ以外(日常生活やレジャー中のケガや病気)に対応という違いがあります。

◆介護保険制度

介護が必要になった時に対象者にお金やサービスの給付を行います。
ここはまだまとめがありません。すみません。

根拠法:介護保険法
加入者:第一号被保険者(65歳以上)
    第二号被保険者(40歳以上~65歳未満)
保険者:市町村
保険料:第一号=原則年金から天引き
    第二号=健康保険料と一括徴収
保険料:原則1割だが収入に応じて2~3割負担にもなる
財源:公費50%(国25% 都道府県と市町村で各12.5%) 

介護保険のポイント
・40歳からスタートする制度
・市町村が要介護・要支援認定をしてサービスが受けられる
・第一号は理由を問わず給付されるが第二号は加齢に起因する疾病(末期がんやアルツハイマーなど)でないと給付が受けられない

介護保険については過去問にもちょくちょく登場します。意外と深堀される論点もありますので注意したいです。そして何故かめっちゃ出てくる「地域包括支援センター」の根拠法はこの介護保険法になります。

◆公的年金制度

年金も実は色々ありますが、保育士試験では基本となる国民年金と厚生年金をしっかり押さえましょう。


おなじみの図

年金制度は国民年金とその上乗せ部分である厚生年金の2つに大別される。
加入者はそれぞれ3つに区分される。
①第一号被保険者:自営業・フリーランス・学生・無職など②・③以外の人
②第二号被保険者:会社員・公務員など厚生年金の加入者
③第三号被保険者:②に扶養されている年収130万未満の配偶者

・国民年金(第一号被保険者)
加入者:20歳以上~60歳未満の全国民(加入義務)
・老齢基礎年金:65歳からもらえる
・障害基礎年金:主に障害等級1・2級の人
・遺族基礎年金:子のある配偶者
の3つに分けられる。
納付・免除・合算期間が10年以上ないともらえない。

・厚生年金(第二号被保険者)
加入者:働いている70歳未満の人(20歳以下でも要件を満たしていたら加入)
・老齢厚生年金:65歳からもらえる
・障害厚生年金:主に障害等級1~3級の人
・遺族厚生年金
の3つに分けられる。
保険料:労使折半。国民年金保険料と合算して会社が天引きする
国民年金の受給要件に加え厚生年金の被保険者期間が1か月以上ないともらえない。

年金制度のポイント
・国民年金には納付猶予制度(学生納付特例)や免除制度がある
・第◯号がどの状況に当たるか区別
・老齢/障害/遺族年金の受給要件は表面部分だけ知っておく


◆雇用保険制度


雇用保険も深堀するとキリがありません…が、令和元年後期試験に求職者給付が出題されていますね。正直このレベルを保育士試験で問うのはどうかなと思うので余裕があれば覚えるくらいでいいと思います。

・雇用保険概要
根拠法:雇用保険法
加入者:事業主(企業)
保険者:日本政府
被保険者:雇用されている労働者
(1週間の所定労働時間が20時間以上で、同一の事業所に継続して31日以上雇用される見込みであるならパートアルバイト正社員は問わない)
窓口:加入者の所在する地域の公共職業安定所(ハローワーク)
保険料:労使折半(会社と労働者で半々)

雇用保険は以下の二つの区別される。
①失業等給付(労働者向け)
求職者給付:失業中の生活を安定する
就職促進給付:早期再就職の支援
教育訓練給付:資格取得等のスキルアップ費用支援
雇用継続給付:高齢者の就業促進・介護で休業する時の保障

②雇用保険二事業(会社向け)
雇用安定事業(失業の予防・雇用機会の増進)・能力開発事業(労働者の能力向上など)

雇用保険のポイント
・概要をしっかり覚えておく
・雇用保険で守られているのは正社員だけでなく基準を満たしたパート・アルバイト社員も対象である
・給付の細かい部分は余裕があれば


◆労災保険制度

過去問からはそこまで出題されていませんが出される範囲はごくシンプルで決まり切っています。覚えやすい部分から取り掛かりましょう!

・労災保険概要
根拠法:労働者災害補償保険法
保険者:日本政府
加入者:事業主(企業)
被保険者:雇用されている全ての労働者
(雇用保険ではパートアルバイトは条件付きだが、労災は短時間であろうが全ての労働者に適用される)
窓口:労働基準監督署
保険料:全額会社負担

労災保険のポイント
・業務災害及び通勤災害に関する保険給付、二次健康診断等給付、社会復帰促進等事業等を行う。簡単に言うと通勤中や仕事中のケガ・病気・死亡を補償してくれる(=それ以外は健康保険の対象)
・危険な業務内容であればあるほど保険料は高くなる(事故やケガが発生しやすいので)

◆出産育児の補償制度

保育士試験では医療保険制度と雇用保険制度にからめて「出産や育児関連の休業補償制度」が出題されます。社会福祉から科目横断して子ども家庭福祉でも出題される可能性がある上に、近年法改正がてんこもりで非常にホットな分野(=出題されやすい…?)となっています。

・産前産後休業
産前6週間、産後8週間
・育児休業
産後休業終了の翌日~子の1歳の誕生日の前日まで(最長2歳になるまで延長可能)

・出産育児一時金(国保・健保)
分娩費用の42万円が健康保険から給付される
・出産手当金(健保のみ)
出産で仕事を休んだ時の給料補償
・育児休業給付金(雇用保険)
育児で仕事を休んだ時の給料補償(育休開始~子が1歳になる誕生日の前々日まで)
・税金の免除
産前産後期間と育児休業中は社会保険料が免除される

・育児休業取得率
女性は8割越え、男性は2020年度12.65%となり過去最高を記録した。ただし休業の取得期間は5日未満~2週間未満と短い


◆区別がややこしいんだよ!!

それぞれ社会保障制度を見てきましたが、試験では○○の保険者は?窓口は?なんて聞かれます。ここで区別をごっちゃのままにしておくと本番で「あれ…?どっちかわからない!!助けて!!」となってしまうのできちんと区別しておく事が大切です。社会保障制度は根拠法はそこまで問われません(というか制度の漢字を見ればわかる)のでそれ以外について分けてみました。

①保険者ごとの区別

・国民健康保険=市町村・都道府県・国民健康保険組合
・健康保険=健康保険組合・協会けんぽ
・後期高齢者医療制度=都道府県の広域連合
・介護保険=市町村
・雇用保険・労災保険=日本政府

②年齢ごとの区別

・国民年金の加入=20歳以上~60歳未満
・厚生年金加入=下限なし~70歳未満
・老齢年金をもらえる=65歳以上(受給年齢の繰上・繰下可能)
・介護保険=第一号被保険者:65歳以上
      第二号被保険者:40歳以上~65歳未満
・後期高齢者医療制度=75歳以上
※あくまでここにあげた年齢要件は「原則」としてのみです。例外もあり。

③窓口ごとの区別

・健康保険と年金
第一号=市町村
第二号・第三号=勤務先
(保険料の徴収は上記窓口が行い、最終的に年金事務所へ)
・介護保険=市町村
・雇用保険(育休関連も含む)=ハローワーク
・労災保険=労働基準監督署

④保険料ごとの区別

・国民健康保険=加入者ごとにかかる(扶養の概念なし)
・健康保険=労使折半
病院で支払う時は原則3割負担(年齢により1~2割)

・後期高齢者医療制度&介護保険=原則1割負担
2~3割負担の場合あり。市町村が年金から天引きするが介護保険第二号のみ健康保険と同時徴収する。

・雇用保険=労使折半
・労災保険=全額会社負担

⑤第○号の区別

年金の第○号
・第一号被保険者(20歳以上~60歳未満)
自営業・フリーランス・学生・無職など②・③以外の人
・第二号被保険者(下限なし~70歳未満)
会社員・公務員など厚生年金の加入者
・第三号被保険者(20歳以上~60歳未満)
第二号に扶養されている年収130万未満の配偶者

介護保険の第○号
・第一号被保険者=65歳以上
・第二号被保険者=40歳以上~65歳未満

◆まとめ

どうしよう。簡潔にまとめるつもりがめちゃ長ったらしくなってしまいました。「余計ややこしいよ!!」と思われたら本当に申し訳ないです。

数値や用語の暗記メインである今回記事には思いっきり矛盾していますが、社会保険分野においては「なぜこうなるのか?」「自分や家族がこの制度を利用するならどうなるのか?」といった具体的なイメージや背景を膨らませる事で暗記一本に絞らない学びが得られます。
そうすると自然と理解の近道になりますし、実生活にも勉強した事を活かす事ができます。
保育士試験で出てくる社会保険の知識って大きな深い沼の表面部分なんですよね。そして税金として取られるお金でもあるし、関わる必要のある制度です。でもある程度理解している方ってそう多くありません。
自分が実務をやるようになったからこそもっと皆さんにはちょっとだけでも社会保険を知ってほしいと思います。

とは言えマジで今回のまとめを見て「やっぱ社会保険捨て問にしよう…」と思われる方が出ない事を祈ります。試験も間近に迫っていますが皆さんの頑張りを応援しています!!

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