自分の殻を破り覚醒するとはどういうことか?〜映画『グレイテスト・ショーマン』ビハインドストーリーから〜
自分の殻を破りたい、思いっきり突き抜けたい、覚醒したい
そんなことを考えた時に真っ先に思い出すのは、映画『グレイテスト・ショーマン』のビハインドストーリーのYouTube動画です。
映画『グレイテスト・ショーマン』は、19世紀半ばのアメリカでショービジネスの原点を築いた実在の興行師、ヒュー・ジャックマンが演じるP.T.バーナムの半生を映画化したもの。賛否両論ありながらも、日本でも興行収入50億円を越える大ヒットを記録した映画です。
<『グレイテスト・ショーマン』のあらすじ>
今回ご紹介したいのは映画の本編についてではなく、映画公開のビハインドストーリーとして公開された動画についてです。
何はともあれまずはこの動画を見てください
言葉で説明するよりも明らかに殻を破り覚醒する瞬間が見て取れますから。
この動画は、映画制作始動前のワークショップの一幕で、主題歌「This is me」の歌合わせの様子です。
この画面の真ん中に写っている女性、そして映画でも中心人物になる女性、キアラ・セトル(レティ役)がこの歌合わせの中でいきなり覚醒します。
ここからはシーンを抜粋しつつ、殻を破るポイントになったと思われるところを整理し、人が殻を破っていくには何が大事な要素なのか?を考察してみます。
シーンを抜粋しながら彼女が殻を破るまでの経緯を考えてみる
まず、前提として映画の主題歌のメインにキャスティングされている時点でとてつもない実力者であることは間違いありません。
それでも、なかなか前に出ることができず、終わった後には「あれは別世界の経験だった」と本人が語っているので、本人的にも覚醒が起きたような感覚があったのでしょう。
1分ちょうど:歌い始め。事前のストーリーでもあったようにマイクの前に出ようとせず遠くから歌っている。キャスティングされてる時点で実力は間違いないはずなんだけど、どこか自信なさげにも見える。
1分57秒:最初の立ち位置を離れみんなの前へ。ピアノの人もびっくり。歌い始めから約1分の間に何かがあったのか?
2分18秒:周りを煽るくらいにノってきている
2分32秒:完全覚醒、明らかに最初とは違う様子。
覚醒が起きるまでに何があったのか?
歌い始めから約1分30分で完全覚醒したキアラ・セトル。その覚醒に繋がった要素らしきものを動画の中から抜粋してみます。あくまでも僕の解釈なので、そうはならんやろ!と思うこともあるかもしれませんが、ご了承ください。
①監督からの助言
「リングに出てこないとダメだ」と監督が言い続けていたとのこと。これが前に出るきっかけになっていると思う。
②リングに上がる大いなるサポートをした紫パーカーの男性
動画を見ていただくと分かるが、明らかにキーパーソンになっているのがこの紫パーカーの男性。(※映画には出演していない代役の人らしい)
2分18秒〜:勇気を振り絞っておそるおそる前に出てきた彼女を肯定するかのようなパフォーマンスで彼女を勇気づけている紫パーカーの男性
そして、もう少しシーンを戻した1分28秒頃〜。彼女の目線が変わって少し表情が緩んだ。おそらくこの目線の先に紫パーカーの男性がいて、何かしらの肯定的なリアクションをとっていたのではないかと思われる。それがマイクの前に出ていくことにつながったのではないだろうか。
③主演のヒュー・ジャックマンからの肯定
4分前後:動画冒頭40秒前後に話していた「歌いながらあまりにも怖くなって思わずヒューの手をつかんだ」と語っていたシーン
自分自身が覚醒し、周りの人たちも大盛り上がりの中で「こんなことが起きていいのか?」といった喜びと現実とのギャップによる恐怖が同時に襲ってきたのではないだろうか。主演のヒュー・ジャックマンに肯定を求めているような気がする。
そして、ヒュー・ジャックマンもそれに呼応し、彼女の手を握り返す。これが大いなる肯定となり、彼女はこの覚醒を自分のものにしたのではないだろうか。
※余談ですが、4分7秒のヒュー・ジャックマンのリアクションもぜひ見てもらいたいです。「なんてことが起きてるんだ…」みたいなリアクションが印象的です。
殻を破って覚醒していくために大事なこと
先ほどまとめた部分を整理し、少し抽象化するとこうなると思います。
①監督からの助言=メンターからのアドバイス
なかなか自力では自分の限界を越えることはできません。そのために尊敬できる先人やメンターからアドバイスをもらうのは有効だと思います。
②紫パーカーの男性の盛り上げ=少しの勇気を肯定し拾い上げてくれる環境
覚醒の直接的な決め手になったのは紫パーカーの男性だと思います。彼だけでなく他の周りにいるキャスト、スタッフの方々含め全体が、キアラの少しの勇気を肯定し拾い上げて育ててくれたからこそ、覚醒に繋がったのでしょう。
③ヒュー・ジャックマンの肯定的リアクション=信頼できる人の肯定
覚醒したとて、現実とのギャップによる恐怖が襲ってくるのは当然のこと。そのまま現実に戻ると、「あの時はあの一瞬がすごかっただけでまぐれだった」といった感覚になりがちです。ですが、そのふと我に返ってしまいそうになるタイミングで、信頼できる人の肯定があると、「この覚醒状態でいいんだ!」という感覚が生まれるのだと思います。(※実際には映画の撮影全体を通して肯定・信頼があったのかと思います。)
この流れをそのまま再現すれば、殻を破れる、覚醒するとは断言できませんが、少なくとも自分の殻を破っていく上ではどれもが大事な要素になってくるのではないでしょうか。
実際、私たちの身の回りでも、
・アドバイスだけじゃ勇気が持ちきれない。
・盛り上げてくれる人だけじゃ何をしていいか分からない。
・仮に覚醒しても、現実のゆり戻しで恐怖が大きいと元に戻ってしまう。
こんなことが起きていると思います。
自分一人で覚醒できる人は稀だと思うので、殻を破り、覚醒していくために今の自分に必要な環境や状況は何かを考えてみると面白いかもしれません。
いろいろ書きましたが、単純にこの動画が好きなだけです
自分で書いといてなんですが、書き終えてみると結構浅く感じております。「伝えたかったことはこれだけじゃない!」というわけで、やはりこの動画見て、エネルギーを感じまくった方がいいと思いました。
僕はたまに思い出したようにこの動画を見て、自分を奮い立たせる勇気をもらっています。
また、この同じ日のワークショップでのヒュー・ジャックマンのこちらのエピソードにも勇気をもらえます。病気の治療後で歌っちゃいけないのに歌ってしまったヒュー・ジャックマンの様子が収められたストーリー。
キアラの覚醒があってそれに影響を受けた結果、ヒュー・ジャックマンも歌っちゃいけないのに歌ってしまったのではないか?と僕は思ってるのですが、映画撮影前の初めてのワークショップの日に感動的なエピソードが2つあったなんてすごいことですよね。
グレイテスト・ショーマンは批評家たちの前評判では、あまりヒットしないと言われていたそうですが、キャストやスタッフのエネルギーが呼応しあったからこそ、前評判を覆す大ヒット映画になったのかもしれません。
それだけ人の覚醒には力があるんだと思います。
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