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ブルーレット おくだけ が頭から離れない件
こんばんは、ブルーレット おくだけ 。
昨日、さよならしたはずだったのに。
君はなぜこうも僕の脳内に現れるのか?
しょうもないネタを成仏させるために書いただけなのに、さらなるしょうもないネタが思い浮かんだり、予想外の反響をもらったりして、ブルーレット おくだけ の僕の脳内占拠率がかえって高まってしまったじゃないか。
どうしてくれるんだい?
ブルーレット おくだけ 。
このままいけば、僕の認知が 「ブルーレット おくだけ の人」になってしまうじゃないか。
なんと滑稽な。なんと残念な。
とはいえ、「ブルーレット おくだけ の人」になることに旨みを感じてしまう関西人精神があることも認めておく。
というわけで、今日も ブルーレット おくだけ に想いを馳せてみる。今日こそ成仏してほしい。
※こちらの続編です。
俺はブルーレット おくだけ。
正確に言えば、 ブルーレット おくだけ だったものだ。人間たちによるトイレ利用で俺の命の残量はつき、魂だけの存在になってしまった。
あれから3ヶ月は経っただろうか。
空っぽになった俺をこの家の人間はまだ変えてくれないし、捨ててもくれない。俺は魂が抜けた抜け殻状態でトイレに鎮座しているのである。正確に言えば空っぽになった俺の抜け殻をトイレの天井付近から見つめている。
どうやら俺たちの魂は中味を詰め替えられた時、もしくは俺を包み込む外装を捨てられた時に成仏できるようで、今のように空っぽのまま放置されている状態だときっちり成仏することができないらしい。
空っぽの中身を虚しく通過する水。洗浄効果も脱臭効果も失ったのに、なぜ俺の抜け殻は放置されてしまうのか?
実はこれ、俺たち ブルーレット おくだけ 界隈では非常にあるあるだそうだ。
中身が空っぽになったまま、数日、数ヶ月、場合によっては数年。俺たちの寿命である2〜4週間に比べれば悠久とも思える時を空っぽになったまま過ごしてしまうこともあるらしい。
住んでいる人間が詰め替え用を買い忘れているだけのこともあれば、ブルーレット おくだけ の効果を信じず、「もういいや!」と詰め替え用を買うことすら諦められていることまである。
もし、諦められてしまったら、俺たちはずっとトイレに取り残されることになるのだ。もう中身が尽きて命はないのに、なぜ人間たちは俺のことを捨てないのか?
俺は少し考えた。そしたら分かったことがある。
中身を詰め替えられずに放置される俺たちは、トイレの神様になるのではないか。
どうやら人間という生き物は、特に日本人という生き物は何にでも”神”という存在を見出すらしい。
10年以上前に「トイレの神様」という楽曲が流行り世間を賑わせたが、トイレにも神様がいるというのは日本人にとって当たり前の感覚なのではないか。
でも、トイレでは神様は見えない。対して、人間たちは”神棚”を飾ってそこに神という存在を感じている。
これらの事実から、俺の中である仮説が生まれた。
空っぽになった ブルーレット おくだけ を神棚と見立てているから、トイレにずっと放置されているのではないだろうか?トイレに神棚を設置する訳にはいかないから、俺の抜け殻が神棚の代役にされているのではないか?
俺の設置場所はトイレタンクというトイレの中では比較的高めの位置。人間が神棚を設置する時の基準の一つは家の中の高いところに設置することであり、これも神棚っぽい。
普段、特別気にかけているわけではないが、ふとしたときに気になる存在である。これも神っぽい。
大昔の人たちが「ミイラ」を大事にしていたように、抜け殻になった俺も「ミイラ」のような形で信仰されている。神かどうかは知らないが崇拝・信仰されているのは間違いない。
何言ってんの?お前?と思われるかもしれないが、非常に辻褄の合う考え方ではなかろうか。
つまり、俺はトイレの神様になったのである。
トイレの真の神は俺だったのである。
そうか、俺は神だったのか……。
悲哀に満ちた生き様だったと思っていたが、命が尽きた後に神と崇められるご褒美タイムが待っているとは。
仏教では生前、死後すぐに修行を積めば極楽浄土にいけるとされているが、生前の俺がただただ滝行のごとく水を浴び続けていたのには意味があったということか。毎度流れる水と悪臭に耐え徳を積んでいたから、命が尽きた今、神様として崇められているのか。
これ以上ない喜び。
私が神になれるなんてこんな想定外のことがあっていいのか。
だからこの世は面白い。
”ガサゴソガサゴソ”
んっ?人間が何かしている。
んっ?声も聞こえるぞ。
”「ずっと買い忘れてたんやけど、やっと買えたわー」”
あっ、そいつは詰め替え用のブルーレット おくだけ じゃないか!!
せっかく俺は神だと気づいたのにこのタイミングで入れ替えちゃう?もっと空気読んでくれないかね?人間さんよ。もうちょい神様気分を味わわせてくんない?
”ガコッ”
”カチッ”
あれ、俺の目の前、なんか真っ白になった。
あれ、トイレの景色が見えない。
あれ、俺、神様終わっちゃった?
本当にこれで終わっちゃうの?
せっかく神になれたのに。
あー、次も、もし ブルーレット おくだけ に生まれるとしたら、今度は抜け殻になっても一生トイレで崇め奉られる真の神様になりたいな。
シューーーー
”
ブルーレット おくだけ はこの世界から完全に姿を消した。
お空の彼方に消えてったのである。
次にこの世に生み出される時は真の神になれることを願って。
”
(完)
はー、またくだらぬ文章を書いてしまった。
これで完全成仏したと思ったのに、すでにあと2つ新たなネタが思い浮かんでいる。
くそー、くそー!
トイレに設置するものだけにくそー!
こうして僕はまた ブルーレット おくだけ に脳内を占拠される日々を送るのである。
次回予告:
「ブルーレット おくだけ の悲哀」に毒された人々の反応を振り返る
スピンオフ:
「ブルーレット おくだけ」はまだ甘い!もっと厳しい世界を生きる「ブルーレット スタンピー」の悲哀
※書くかどうかは分かりません。
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